名フィル第392回定期演奏会「世界の物語」シリーズ:ある東欧の物語 | アルバレスのブログ

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最近はガンプラとかをちょこちょこ作ってます。ヘタなりに(^^)

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本日6/16(土)に行ってきました。

指揮)下野竜也
演奏)名古屋フィルハーモニー交響楽団
曲目)
①スメタナ: 連作交響詩「わが祖国」より第6曲「ブラーニク」
②モーツァルト: 交響曲第38番ニ長調K.504「プラハ」
③マルティヌー: リディツェ追悼
④フサ:プラハ1968年のための音楽
アンコール⑤バッハ(レーガー編):「おお人よ、汝の大いなる罪を嘆け」BWV622


本日はあいにくの雨。
名古屋も梅雨に入りました。
名古屋の梅雨は強烈に蒸し暑い。
家にいるときはちょっと肌寒い感じかなと思い、長袖着て行って大失敗しました(^^;


今回のコンサートは、「今までにない暗い終演を迎えるだろう」と名フィルがツィートしてたんで、いやがうえにもひねくれた期待を持って臨んみました。


前半の2曲は良く聴くプログラムですが、後半の2曲は聞いた事が作曲家の聞いた事がない曲。
その後半2曲が注目です。


会場入りした時、制服着た女学生集団(5~6人くらいでしたが)がいて「おや?」と思いましたが、④フサの「プラハ1968年のための音楽」が元々吹奏楽曲だったので学校の吹奏楽団が来てたのかも。


で、①スメタナの 連作交響詩「わが祖国」より第6曲「ブラーニク」ですが、前回の別のコンサートでドヴォルザークの「新世界より」の第4楽章のみ聴いた時みたいに、ちょっと中途半端な感じになるかなと思いましたが、全く杞憂に終わりました。
1曲目から大興奮しました。
こんなに熱のこもった演奏になるとは。
チェロの太田さんのトサカも激しく揺れていました。
これで一気に目が覚めました(^^;
個人的には、コバケンさんの「わが祖国」が最高の演奏に代わりはないですが、この「ブラーニク」も良かった。


2曲目のモーツァルトの 交響曲第38番「プラハ」は、モーツァルトをあまり聴かないわたしは特に思い入れもなく、聴いた記憶も無かったですが、さすがモーツァルト、癒しますなぁ。
1曲目で蓄積された熱量がすーっと引いて行くような優しい演奏で、特に第2楽章ではまぶたの重さが10倍くらいになってしまった(^^;
これはいかんと思いながらふと目線を上げると、正面2階席の1列目の人たちの半分くらい寝てた。
これを見て逆に目が覚めました(^^;
第3楽章では指揮の下野さんが楽譜のページをいったん前に戻し、すぐに2ページ進めてましたが、間違えたのかな?(と、くだらないトコばかり見てました(^^;)
しかし、モーツァルトはBGMにすると最高だなぁ。
何か集中的に考え事したい時に流したい。
そんな気がしました。
弦楽器群の流れが凄く良かったです。


ここで前半終了。
となりのスーツ着たおじさんはここでご帰宅されました。
用事があったのかモーツァルト目当てだったのか。
でも後半良かったですよ。


そして後半1曲目のマルティヌーの「リディツェ追悼」
これはナチスドイツによるリディツェ村虐殺事件を題材にした曲と言う事で、悲愴感漂う曲でした。
普段幻想的な響きを聴かせるハープさえ不安感を醸し出している。
演奏している名フィルの方々の表情も厳しさがにじみ出ています。
それでも、この曲にはかつては平和で穏やかだった村の記憶や追悼を表すようなやさしさも垣間見せる時がありました。


しかし、4曲目のフサの「プラハ1968年のための音楽」は違います。
1968年の「プラハの春」を題材にしたこの曲には救いが一切聴こえて来ません。
不安-驚愕-悲しみ-緊張-怒り-激怒-激怒-激怒-焦り-失望-激怒-激怒-激怒!です。
こんなに激しい曲があるのかと言う驚きと極限までの緊張感を味あわされました。
第1楽章のピッコロを中心とした木管楽器の音色の激しい緊張感。
第3楽章は多彩な打楽器群のみが様々な音を複雑に絡み合わせます。
マリンバ、ビブラフォン、シロフォンなどは普段あまり聴けないですが、これらがここまでカオスな演奏をされると言葉になりません。
当時の人々の苦悩を思うと、あくびをかみ殺した時にでるものとは明らかに異なる涙が浮かんで来ました。
第4楽章では徐々に激しさをましているスネア・ドラムの連打からのオケの全力演奏では鳥肌が立ちました。
この日のために吹奏楽版のCDを買って1回だけ聴きましたが、今回の管弦楽版は凄かった。
弦楽器の力の凄さを感じさせてくれました。
あるコンサートでは、当日の演奏をその場でCDに焼いて帰りに売ると言うサービスがらしいですが、そういうのが是非欲しい…
(管弦楽版のCDが見つからなかったのでiTunesでDLしました。)


テーマを考えると笑ってブラボーと声をかけるのはどうかとも思ったり。
この後半2曲の演奏終了後のコンマス日比さんの厳しい表情はあまり見たことが無いですね。
演奏する皆さんも複雑な心境だったと思います。
こちらとしては、ありきたりな表現ながら、魂をわしづかみされ揺さぶられるような衝撃的な演奏でした。
前回の「ハーメルンの笛吹き」も凄かったですが、今回は全くベクトルの異なる凄さでした。
凄い、凄いばっかりになってしまいましたが、本当にそうなんだから仕方ない。


この後、名フィルツィッターで予告されていたように、下野さんからのプレゼントととしてアンコールが1曲演奏されました。
その前に会場に向けて「帰っちゃだめ!残った人だけにアンコールのプレゼントです。」と下野さん。
(結構席を立った人がいました)
「今日の演奏の隠れたテーマは”平和への祈念”です。」
バッハの優しい調べで少しは救われた気分になりました。
金曜日はアンコール無かったのかな?


また、4月から毎月お一人ずつ、退官される方のある名フィルは今月もホルンの新井さんが退官と言う事で、下野さんに手を引っ張られステージ前へ。
残るホルンの安土さんから花束贈呈&ハグ。
安土さんが泣かれているのを見たら、最近涙腺の緩んできたわたしももらい泣きしかけた。
今日のホルンは特にきれいな音してました。


それにしても下野さんの選曲の素晴らしさとテンションの高い指揮ぶりは見事でした。
また聴きたいのでよろしくお願いします。
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最後におまけ。
今月は毎週1回ずつコンサートがあり今回ので3回目でした。
実は来週金曜日も予定していたんですが、行けなくなった。
それがコレです↓
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仕事の関係で無理だろうと思い、知り合いに譲りました。
その後、納期が1週間伸び、行けそうになったんですが、凄く喜んでくれたのに返してとは言いづらく(^^;
去年この合唱団はオケと共に来日し、その時の大変良かったし、今回はラフマニノフの晩祷やってくれるのでこれは行かねばと思ったんですけどね~
まぁ、こう言う事もあります。