95年モデル
エンジン:B18C型水冷4気筒DOHC
排気量:1,797cc
圧縮比:11.1対1
ボア×ストローク:81.0mm×87.2mm
最高出力:200PS/8,000rpm
最大トルク:18.5mkg/7,500rpm
サスペンション
・F独立ダブルウィッシュボーン
・R独立ダブルウィッシュボーン
ブレーキ
・Fディスク
・Rディスク
タイヤサイズ
FR共に195/55R15
ボディサイズ(3ドア)
L4,380×W1,695×H1,320
ホイールベース:2,570mm
トレッド:F1,480/R1,470
トランスミッション:5MT
変速比
第1速:3.230
第2速:2.105
第3速:1.458
第4速:1.107
第5速:0.848
後退:3.000
最終減速比:4.400
車重:1,060kg
乗車人数4人
燃料タンク:50L
98年モデル
エンジン:B18C型水冷4気筒DOHC
排気量:1,797cc
圧縮比:11.1対1
ボア×ストローク:81.0mm×87.2mm
最高出力:200PS/8,000rpm
最大トルク:19mkg/6,200rpm
サスペンション
・F独立ダブルウィッシュボーン
・R独立ダブルウィッシュボーン
ブレーキ
・Fディスク
・Rディスク
タイヤサイズ
FR共に215/45ZR16
ボディサイズ(3ドア)
L4,380×W1,695×H1,330
ホイールベース:2,570mm
トレッド:F1,480/R1,485
トランスミッション:5MT
変速比
第1速:3.230
第2速:2.105
第3速:1.458
第4速:1.034
第5速:0.787
後退:3.000
最終減速比 4.785
車重:1,100kg
乗車人数4人
燃料タンク:50L
ホンダ インテグラ Type R（DC2）が市場に登場したのは1995年であり、その背景には、90年代初頭の日本経済のバブル崩壊後の状況が深く関与している。バブル時代の経済的余裕が蒸発し、自動車メーカー各社はコストパフォーマンスと実用性を兼ね備えた製品を市場に送り出す必要に迫られていた。ホンダは、そうした市場の変化に応える形で、スポーツカーの持つエキサイティングな運転体験を維持しつつ、より手軽に楽しめるモデルとしてインテグラ Type Rを企画した。このモデルは、一般的なインテグラの実用的なベースを継承しながらも、高性能化を図ることで、スポーツカーファンだけでなく、日常使いのできるスポーティカーを求める幅広い層にアピールすることを狙いとしていた。
1990年代の自動車業界は、技術的な進歩が急速に進んでいた時代であり、特に日本車は国際的な市場でその技術力を発揮し始めていた。環境規制への対応や安全技術の向上など、多くの新技術が自動車に取り入れられていました。また、消費者のニーズが多様化する中で、特定のセグメントに特化した車種が登場するようになり、それに伴いホンダも高性能ながらも日常利用可能なスポーツカーの開発に注力することになった。インテグラ Type Rは、そうした背景の下、ホンダの先進技術とモータースポーツでの知見を活かして開発された。
インテグラ Type Rの開発は、主に軽量化、高剛性化、高性能エンジンの搭載に重点を置いて行われた。ホンダのモータースポーツ部門である「ホンダ・レーシング」の技術とノウハウが、この車の開発に大いに寄与している。特にエンジンは、VTEC（可変バルブタイミング&リフト電子制御システム）を搭載したB18C型エンジンが使用され、自然吸気ながら200馬力を超える出力を発揮した。また、車体の各部にアルミニウムや薄型高強度鋼板を使用することで、軽量化を実現し、シャシーには追加の補強を施すことで剛性を高め、シャープなハンドリングを実現している。
インテグラ Type Rは、その出力の高さだけでなく、レスポンスの良さや扱いやすさでも非常に高い評価を受けています。エンジンは最高回転数が8,000rpmに達し、特に中高速域での加速力が卓越している。トランスミッションは5速MTが組み合わされ、ドライバーの意のままに車を操る楽しさを提供します。足回りも非常に洗練されており、市街地からサーキットまで幅広い環境でその性能を発揮することができる。また、車両のブレーキシステムも強化され、高速域での安定した停止能力を有しています。ホンダ インテグラ Type R（DC2）は、単なる速さを追求するだけでなく、「走る楽しさ」を深く追及したモデルである。この車は、ホンダが持つ高度な技術力とモータースポーツでの経験を存分に活かし、日常の運転からサーキットまで、あらゆる環境で驚異的なパフォーマンスを提供する。ドライバーと車が一体となるような運転感覚と、スポーツカー特有の生き生きとした反応性は、運転の喜びをより一層深める要素となっている。
インテグラ Type Rの設計思想は「究極の走りを求めて」というコンセプトに集約される。それは、ホンダが自動車製造において常に持ち続けている哲学であり、その結果、インテグラ Type Rはただ速いだけの車ではなく、運転者に対して高いレベルのドライビングプレジャーを提供してくれる。エンジン、トランスミッション、サスペンション、ブレーキシステムなど、車両のあらゆる部分がこの目的のために緻密に設計されている。
特に注目すべきはそのハンドリング性能である。インテグラ Type Rは、非常に正確なステアリングと優れた車体バランスを持っており、シャープでありながらも予測可能な挙動を実現している。これにより、ドライバーは自信を持って車をコントロールでき、限界近くでのドライビングでも安定感が保たれる。このような特性は、特にサーキットのような要求の高い環境下でその真価を発揮する。
さらに、インテグラ Type Rは見た目にも魅力がある。そのスタイリッシュなデザインとエアロダイナミクスに配慮された外観は、見る者に速さと力強さを感じさせる。内装においても、スポーツ指向のデザインが随所に施され、運転の楽しさをさらに引き立てている。
この車の影響力は、発売から長い年月を経た今もなお、多くのカーエンスージアストにとって特別なものがある。それは、インテグラ Type Rが単に高性能な車を提供しただけでなく、運転という行為自体を楽しむことへの新たな価値観を提供したからである。その結果、このモデルはホンダの歴史においても、特に記憶に残る一台として位置づけられている。
インテグラ Type R（DC2）は、その設計と性能において、時代を超越したクラシックな存在感を放ち、今後も長く語り継がれることでしょう。それは、技術の粋を集めた結果生み出された、真のドライバーズカーとしての証であり、ホンダが世界に誇るべき遺産の一つである。この車は、単に過去の栄光を振り返るのではなく、未来の自動車開発への指針ともなるものである。