エンジン:V型12気筒DOHC48バルブ
総排気量:5,992cc
ボア×ストローク:87.0mm×84.0mm
圧縮比:10.7:1
燃料供給装置:ランボルギーニLIE電子制御イグニッション&マルチポイントシーケンシャルインジェクション
トランスミッション:5MT
F:ダブルウィッシュボーン、コイルスプリング
R:ダブルウィッシュボーン、ダブルコイルスプリング
ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ
F:245/35ZR18
R:335/30ZR18
燃料タンク:100L
誕生背景
ランボルギーニ・ディアブロは、1990年にカウンタックの後継車として市場に導入された。ディアブロは、ランボルギーニのスーパーカーとしての地位を不動のものにし、ブランドのアイコンとして世界中の自動車愛好家から称賛された。1990年代後半に入ると、更なるパフォーマンス向上が求められ、それに応える形でディアブロGTが2000年に登場した。このモデルは、ランボルギーニのモータースポーツでの経験をフィードバックし、限定生産で市場に投入された。ディアブロGTは、より尖った性能と専用設計の要素を取り入れ、スポーツカー愛好家の間で高い評価を得た。
時代背景
1990年代のスーパーカーマーケットは競争が激化しており、フェラーリ、ポルシェ、マクラーレンなど他のメーカーも高性能モデルを次々と発表していた。特に1990年代は経済のグローバル化と技術の進化が著しく、消費者の期待も高まっていた。この時代において、ディアブロGTの登場は、ランボルギーニにとって市場での競争力を保ち、ブランドイメージをさらに高めるための重要な一手であった。
開発について
ディアブロGTの開発目的は、既存のディアブロモデルの性能とデザインを極限まで推し進めることにあった。開発チームは特にエンジン性能の向上に注力し、5.7リッターV12から6.0リッターV12へと大幅に改良を施した。また、ボディはカーボンファイバーを多用することで軽量化を図り、空力性能も見直された。サスペンションやブレーキシステムも、レーステクノロジーを取り入れることで、高速域での安定性と操作性を大幅に向上させた。
ディアブロの開発は、ランボルギーニのチーフエンジニアであるルイジ・マルミーロと、デザインは有名なイタリアンデザイナー、マルチェロ・ガンディーニによって主導された。ガンディーニは以前のディアブロとカウンタックのデザインも手掛けた経験があり、その革新的なデザインはディアブロGTにも反映された。技術的洞察とガンディーニのデザイン哲学が融合し、ディアブロGTは技術的な傑作としてだけでなく、芸術的な美しさも兼ね備えた車となった。
車両の性能
ディアブロGTは、最高出力575馬力を発揮する6.0リッターV12エンジンを搭載し、最高速度330km/h、0-100km/h加速は3.5秒という驚異的な数値を記録している。トランスミッションは5速マニュアルで、ドライバーに対して純粋なドライビング体験と直接的なコントロールを提供する。車体は全体的にカーボンファイバーで構築され、高い剛性と低重量を実現している。サスペンションシステムは、サーキット走行を想定して設計されており、どのような速度域でも極めて高い安定性を提供する。
ランボルギーニ・ディアブロGTは、その開発から現在に至るまで、スーパーカーの頂点を極めた存在として位置づけられている。限定生産という希少性、卓越したパフォーマンス、美しくも野性的なデザインは、自動車史において重要な足跡を残しており、自動車愛好家やコレクターにとっては、永遠の憧れの対象であり続けている。そのすべてが、ランボルギーニが世界のスーパーカーブランドとしての地位を不動のものにした証しであり、ディアブロGTはその象徴的存在である。
