エンジン:CA18DE
水冷4気筒DOHC
排気量:1,809cc
ボア×ストローク:83×83.6
圧縮比:9.5:1
最高出力:135PS/6,400rpm
最大トルク:16.2mkg/5,200rpm
トランスミッション:5MT/4AT
F独立マクファーソンストラット
R独立マルチリンク
ブレーキ:前後ディスク
ボディサイズ:L4,470×W1,690×H1,290
ホイールベース:2,475mm
トレッド:F1,465/R1,460
車重:1,090/1,110kg
燃料タンク:60L
誕生背景
日産シルビアQ's（S13）は、1980年代後半に日産がコンパクトスポーツカー市場での地位を確固たるものにする目的で開発された。前モデルのS12が提供した基盤にさらなる改良を加え、技術的およびデザインの革新を追求することで、より幅広い顧客層にアピールすることを目指していた。この時期、日産は市場における競争が激化していることを痛感しており、特に若年層のドライバーに向けて、スタイリッシュでありながら手頃な価格のスポーツカーを提供する必要があった。
時代背景
1980年代の自動車市場は、デザインと性能の両方で大きな進化を遂げていた。日本ではバブル経済の影響もあり、消費者はより高性能で魅力的なデザインの車に高い関心を寄せていた。また、グローバル市場では環境問題への意識の高まりと燃料効率の向上が求められており、それに応える形で多くの自動車メーカーが技術革新に努めていた。このような背景の中、S13シルビアは時代のニーズに応じた燃料効率の良いエンジンと、ダイナミックながら洗練されたデザインで市場に登場した。
S13の開発は、より高度な技術と革新的なデザインを融合させることを目指して行われた。特に注目すべきは、軽量化と高い剛性を実現するためのボディ構造の改良であり、これにより車両のハンドリングと安全性が大幅に向上している。また、エンジン性能の最適化にも力が注がれ、特にCA18DETエンジンは小排気量ながらも高出力を実現しており、スポーティーな走りを可能にしていた。
車両の性能
S13シルビアQ'sは、その軽快な走りが特徴であり、1.8リットルのCA18DEエンジンは自然吸気で135馬力を発生し、K’ｓではよりパワフルなCA18DETターボエンジンでは175馬力を誇る。これらのエンジンは、優れた加速性能とともに、燃料効率の良さを実現しており、スポーツカーでありながら日常の使用にも適している。また、後輪駆動のレイアウトは、鋭いハンドリングと安定したコーナリング性能を提供し、ドライビングの楽しさをさらに引き立てている。
日産シルビアS13は、その時代の技術とデザインの粋を集めたモデルとして、今日でも多くの愛好家に高く評価されている。その美しいスタイリング、卓越した性能、そして文化的な影響力は、自動車史における重要な足跡を残し、現在もなお多くのファンによって愛され続けている。この車は単なる交通手段を超え、自動車としての芸術性を追求した日産の哲学を象徴する存在である。
