最近あまり小説を読んでいない。以前は帰宅時に毎日本屋さんによるのが日課だった。年間100冊くらいは読んでいたのだけど、購入する冊数はそれを上回るので、本棚は常にいっぱいになりあまり気に行っていない本は段ボールにまとめてブックオフに持っていく日まで押し入れにしまっていた。
大人になるまでほとんど本を読む習慣はなく、遠い仕事場への通勤時間が片道1時間半ほどあったので、あまりにも暇だから本でも読んでみるかと手に取ったのが小説だった。
はじめは時代小説の独特の表現や世界観になれなかったが、そこに慣れてしまうとどうにも今度は時代小説以外を読むのが難しくなるくらい心地よい世界観だった。今も読む本に困ったら、とりあえず時代小説を選んでおけば間違いはないかなと思うくらい、この時代小説というジャンルは面白かった。
その後、本を読む習慣がつき、いろんな時代小説を読み、そこから時代小説作家さんのエッセイ、そのエッセイにでてきた小林秀雄などの批評家や哲学者の本、そこからギリシャ哲学、そこから近代の哲学に移ったのだけど、そこばかり読んでいると精神的にしんどくなり、古典文学やライトノベルなどもバランスよく読むようになり、本であればどんなものでもとりあえず楽しめるようになった。
今も本を読んでいるのだけど、最近は試験勉強のための教科書や経済やマーケティング、マネジメント系の本ばかり読んでいる。というか、それしか読めない状態。マネジメントやマーケティングのやさしい本はそれなりに面白いんだけど、やはり教科書っていうやつはなかなか楽しめない。本読むのは得意だから教科書くらい読めるかと思ったら、数ページで夢の世界へ行ってしまう。
ああ、時代小説が読みたい…。
そして、今読み返したい本がこちら。
宇江佐真理さんの髪結い伊三次シリーズ。
骨太な時代小説が多い中、江戸の風情と人情、そして市井の人々の暮らしが伝わる作品。読んでいて気持ちが重くなりすぎず、でもなんだか哀愁を感じるのは宇江佐真理さんのお人柄を反映しているのでしょうね。主婦業をしながらキッチンで合間時間で小説を書いていたとか。どの作品もとても雰囲気がいいんです。
大好きな作家さんが多い時代小説ですが、そんなお気に入りの作家さん達がお亡くなりになってしまうのはとても悲しく、もうその方の新作が出ないと思うと本当に残念で仕方ありません。
宇江佐真理さん、佐藤雅美さん、 北原亞以子さん、津本陽さん、杉本章子さん…。沢山の魅力的な作家さんが逝かれてしまいました。
ちょっと時代小説を読みたいなと思った方、宇江佐真理さん、北原亞以子さん、池波正太郎さん、藤沢修平さんがおすすめです。
ああ、江戸の世界に浸りたい…。