日商簿記2級を受けてみた | 君の中にまだボーイは宿っているか?

君の中にまだボーイは宿っているか?

引っ越し整理の途中で見つけたゲームボーイで再び遊びだした男のブログ

日商簿記検定、春の3級に続き、秋に2級を受験しました。

 

前回の3級は、短期間に集中して勉強してしまったため、そのあと少し燃え尽きた感があり勉強が手につきませんでした…。2級のテキストを読んでみると量が倍くらいに増えているものの、半分は3級と同じ商業簿記なので内容が発展したような感じに思え、まだ時間があるから大丈夫だろうと油断しながらのんべんたらりんと勉強していました。

 

いろいろ忙しかったりして気が付いたら受験1か月前。はい、工業簿記はほとんど手についていません。

 

そこから集中して勉強するものの、工業簿記は全く新しい分野なのでなかなか理解できず、商業簿記も内容が深まり、3級は計算量などの力技が多かったのですが、理解力を試される内容になっていて新しい範囲はこれまた難しい。

 

最近、日商簿記は2級の難易度を上げ、1級の内容が含まれるようになり合格率も下がっています。どうやら商工会議所としては、2級の価値を高めたいようで、ここ1年はグッと難しくなった様子。大学によっては、2級を取っておくと授業料免除されたり、入学後は2級を取っておかないと税理士を目指すコースには入れないといった風に使われているようです。企業でも、2級以上でないと経理職には就けないところもあったりしますね。

 

という訳で、試験日前日。

 

自信は40パーセントくらいしかない…。

 

難易度を増す原因となった企業連結決算仕訳や税効果会計などの問題はなかなか歯が立たないんですよね。工業簿記も試験日1週間前でもほとんど過去問が解けないくらいしか仕上がりませんでした。

 

しかし、

 

 

合格出来ました。

 

商業簿記の勉強は、とりあえず3級の流れを汲むので、難度の高い部分以外はもう勉強しない事に。そこは3級は完ぺきに近いくらい仕上げてあったので自信がありました。そして難易度の高い部分は時間がかかるので出来る範囲で。

 

工業簿記の勉強は、残りの1週間で何とか頑張る事に。工業簿記は40点分あるのですが、商業簿記に比べると新しい範囲になるので、点数は取りやすい難易度。なので落とせません。一番気にして頑張ったところは勘定連絡図というものを何度も何度も書いて頭に叩き込み、その意味を理解する事に。あとは、仕損を間違わないように。過去問の重要問題というのを出来る限り繰り返してやりました。

 

結果、今回は史上最悪の難問が出され、税理士や公認会計士も時間内に解けないような問題がでました。問題出題者もこの問題に関しては答えてはいけない問題、いわゆる捨て問というものにしたのでしょう。70点以上が合格なのですが、今回のテストは80点満点と考えた方がいいという予備校関係者もいたくらい。

 

解答用紙をチラッと見た瞬間、これは難問だなと思い、それ以外を解き終わってから難問の第三問に取り掛かる事に。ほかの問題はなるべく丁寧に落ち着いて解答し、なるべくケアレスミスは無いように心がけました。それでも不安はあるので、出来るだけ難問の中でも点数を拾えそうな部分を回答する事に。見れば子会社と親会社間の内部相殺の部分は解答が出来そうだったので、そこは何とか埋める事に。

 

試験後、答え合わせや点数計算はしませんでした。落ちたものと思い、そのまま次の試験日に向けて勉強を継続。資格を持って就職に役立てるわけでもないので、資格は大切ではなく、会計を理解把握できるようになる事が本質ですからね。

 

結果はネットで閲覧可能。発表時間すぐに確認。合格でした。でも、なんだか腑に落ちない試験でした。

 

最近簿記2級の試験は荒れていました。前々回も超難問が出て、それまた税理士や公認会計士もわからないというくらいの難問。だから、問題を見て、これはまともに当たって良いのかダメなのかを判断して、全部回答してはいけないというテクニカルな試験。でも、会計としてはこれからこの世界でやっていこうという覚悟のある人が受験するのも簿記2級なんだと思います。3級と共に入門ではあるけど、それなりに時間をかけて理解しないと出来ない難易度だと思います。

 

経理をしているけど資格を取ってスキルアップしようという人、税理士事務所に入りその上を目指そうと思う人もいるでしょう。多くは社会人の受験者でした。そういう人たちは世間にある程度もまれているからどうにか点数を取ってやろう、これはひっかけだなと判断してこの問題は解かないで捨てようと考えられるでしょう。

 

会場には、社会人の席と共に、高校生たちの並ぶ席もありました。多分商業高校の生徒さんたちでしょう。今回はびっくりするような難問が出題されたためか早い時間にあきらめて途中退出する人も多くいました。その多くが高校生だったのです。僕達よりもこれからの社会を支える若者だと思うんです。それもそんな若さで会計経理の道へ進んで、大人でも難解な試験を受験するなんてとても尊敬出来ます。自分が高校生だったときは商業科へ行く人の気持ちはあまりわからなかったけど、今なら早い時期にそういう気持ちを固めて勉強していると思うととても応援したくなるし、尊敬しますね。

 

そんな真っ直ぐで僕ら以上に日本の会計経理を支える子達が、意地の悪い大人の出題したテクニカルな試験に打ちのめされて敗北感のままに帰るという事になるのが日本の会計経理の世界にとって良い人材が残りやすくなるとでも思っているのでしょうか?もっと一問一問が素直である程度骨のある問題という方がいい人材が残るのではないでしょうか?

 

今回はあまりの第三問の難しさのせいか、ほかの問題はベーシックで解きやすい問題でした。落ち着いてできれば合格できるでしょう。ですが、一問目から順番に解答して、第三問に差し掛かった時にその問題を解かないと決めて捨てる事が出来ず、真っ直ぐにぶつかっていたずらに時間を使い、どんどん混乱して挫折を味わった若者は、再受験する時に嫌な気持ち、変な苦手意識を持ってしまってこの世界から去ってしまう人も多くなってしまうのではないでしょうか。

 

商工会議所に証書をもらいに行ったとき、成績と席順の紙を見ました。小田原箱根の合格率は二十数パーセント。そして、高校生たちの座っていたところに合格者はあまりいませんでした。

 

僕みたいなオッサンが資格とってもそんな世間に貢献なんかできないし、そんな時間もないのにね。若者を励まし、競わせる試験だったらもっといいのになと思います。

 

しかし、この会計という世界。全くの畑違いの世界でしたし、興味も無い世界でしたがとても面白い。会計も良いけど、経営分析も面白そう。違う世界を除くと、そこから自分の興味が何にあるのかが広がります。

 

今年は一休みして、また来年、何か違う世界をのぞいてみようかと思います。