日商簿記3級を受けてみた | 君の中にまだボーイは宿っているか?

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昨日は日商簿記検定でした。

 

結果はほぼほぼ合格でしょう。ケアレスミスで一か所2点減点で、たぶん98点くらい。

 

今まで、会計業務とは無縁でした。とはいっても今までも個人事業主だったので会計は知っていなければならなかったのですが、普段の業務はすべて税理士さんにお任せしていました。ですが、これからは法人の経営に携わる事になったので、前職を辞めてから税理士さんや一緒に働いていた簿記1級を持つスタッフの勧めで簿記3級を勉強する事に。

 

前職は4月初めまでやっていたので、本格的に勉強したのは4月5月の2か月間

 

だけど、今まで縁が遠く、まったく興味のない分野だったので勉強するのが苦痛でした。

 

だから、一度勉強始めても理解できないと教科書を閉じて現実逃避。結果、本格的に勉強が始まったのは4月の後半くらいからで、ちゃんと勉強できたのは一か月くらいだったと思います。

 

試験二週間前に迫った時にはまだ過去問を解くレベルに無く、受験していたら30点も取れなかったでしょう。あと14日間になった時にはほぼほぼあきらめていました。ですが、そこからの二週間でメキメキ理解が増して、覚えられなかった言葉も気が付いたらしっかりと覚えている状態。一週間前には60点取れるかな程度のレベルになり、3日前にはもしかしたら合格するかもというレベルになり、前日にはほぼ合格できるかもしれないという自信がつきました。

 

独学での勉強でしたが、一番大変だったのは簿記の世界を理解する事。そのあたりの事はなかなか教科書には書いてありません。そして、税理士さんや会計事務を経験した方に聞いても中々話が通じません。その辺は自分が何を理解しなければならないといけないかという事に自然と気が付くまでいろいろと勉強しているうちで気が付く時が来るのを待つしかないと思いました。

 

そのあたりが、日商簿記検定というものの合格率の低さにあるのではないでしょうか?

 

簿記検定一級は合格率10%という狭き門。勉強時間も1000時間近くと税理士や公認会計士を目指す方しか受けないでしょう。そして簿記検定二級も良い時で合格率30%、難しかった前回で10%という難関試験になりました。そして、入門の簿記検定三級ですが、簡単で誰でも合格できるといわれていますが、それでも40%ほどの合格率しかありません。

 

確かに力技で問題の解法を覚えて傾向と対策を練り、勉強すれば一か月の勉強期間でも合格できるかもしれません。でもそれで合格しても、試験に通っただけで実際に仕事としてつかえる実学としての簿記にはならないでしょう。それにはしっかりとした会計というものを理解する事が大切なのではないかと感じました。

 

簡単といわれる簿記三級に失敗される受験者の半分は、貸借対照表と損益計算書というものが何を表しているかを理解していないのでしょう。この二つのものが資産状況と経営状態を表していることをふんわり感じれば、おのずと何処に何が当てはまり、どういう計算をするかは当たり前になってくるはず。それが分からないと、費用収益の繰り延べや損益勘定というものが難しく感じてしまい、混乱するのではないかと思いました。

 

あと、僕が3日前に気が付いて青ざめたのが、計算のスピードでした。

 

一人で独学なので、紙に仕訳を書いて転記して行くのですが、第三問の試算表などの計算をしていると、一問につき1時間くらいかかっていることに気が付きました。わからない事はほとんどなかったのであまり気にしていなかったのですが、二時間しかない受験時間で一問一時間かかってしまっては終わらない事に気が付き、諦めの境地に。いくら頑張って急いで計算しても50分かかり、解釈が難しい問題になるとそれ以上になってしまったのです。

 

そこからネットで色々調べたら、仕訳をかくときに、いちいちキッチリ書かないで省略して書く、紙に書きあげてから回答用紙に書くことをしないで直接回答用紙に書いていくなどの事を最後の三日で過去問を10年分、問題集を二冊分こなす事でスピードを身に着けました。その辺のテクニックは、会計学校や商業高校などでは教わることかもしれませんが、教科書などには書いておらず、独学だった僕は気が付けませんでした。まあ3日前に気が付けたのは幸いだったし、それを克服するために猛烈なスピードで長時間勉強し続けたのも最終的に理解力を深めた事になりました。

 

では、簿記三級は誰でも簡単に合格できるものか?と言われれば、

 

「誰でも簡単に合格できる。正し真剣に勉強しないと駄目。」という事になると思います。

 

そして、一か月勉強すれば合格できるのか?と言われれば、

 

「一か月奥さんや家族も近寄らなくなるくらい必死にやれば合格できる。でも三か月くらいかけて、アドバイスをもらえる人がいるともっといい。」という事になるかと思います。

 

勉強の仕方も僕は間違っていました。

 

教科書を何度も読み、理解してから問題を解こう。過去問や模擬試験は一回解いたらどのくらいの点数を取れるのかという指標にならなくなってしまうので、本番直前に取っておこうとした事が一番の間違いでした。

 

教科書を一回読み、そしていきなり問題集か模擬試験を解く。多分ものすごく分からない事だらけなので、何が分からなかったのか解答と解説を読み、教科書を参考にしながら理解するというのが良いでしょう。模擬試験にしても、点数の悪かったりすると落ち込むかもしれません。しかし、それは分からなかったことのあぶり出しなので、問題が分からなかったら落ち込むより、分からなかった部分があぶりだされ良いのです。次に説いた時に、一度経験したことだから覚えて解答していると思っちゃいますが、それで良いんじゃないですかね?それを繰り返す事で、自分がテクニック的に解答した事が、どういう事をしているのかだんだん理解していく事が出来、知らず知らずのうちに簿記ってこういう事をしているのかもという理解が出来ていくように思えました。だから、過去問と模擬試験をがつがつやりましょう

 

運動も一緒で、頭で理解したらできるわけでなく、上達できずに落ち込むより、がむしゃらに成績が上がらずとも練習している方がだんだんと上達していくものです。最後の最後まで自信というものはありませんでしたが、結果5日前くらいからは85点を下回る事はありませんでした。

 

一番気を付けなければならない事は、転記ミスです。大体最後に借方貸方の合計が合わなくなります。それはどこかで桁や勘定科目を間違えたりしてのミスだったりします。僕は何度も相手振出の小切手を手形とミスしたり、買掛金と売掛金を転記する時にまぜこぜになったり、精算表の修正欄から貸借対照表、収益計算書への転記の時に貸借を反対にしたりしました。それは理解力ではなく、ただのケアレスミスです。これが一番気を付けなければならない事でしょう。

 

理解することは出来ていないといけない事。論点が分からないというのは勉強不足。そして、三級レベルでは難しい計算も論点も無いという事です。しかし、それを落ち着いて計算して転記するという事は大変。何度も何度も過去問や模擬試験で経験していく事が大切でしょう。

 

簿記三級に合格できるレベルになって思った事、それは、

 

「簿記会計という世界の入り口にたった」

 

というレベルに過ぎないのだなという事。

 

だから、簿記三級が理解できないと日経新聞もちゃんと読めてないのではないかと思います。ほとんどの人はなんとなく数字が上がった下がったくらいの気持ちや、株価の変動を見るためくらいでしか読めていないのかと思っちゃいます。

 

そして、20年ぶりに大学受験時よりも必死に勉強したこの一か月は充実したものだったような気がします。自転車のヒルクライムにも似て、必死に終わりのない25キロの坂道を登りあがったら、あとは爽快感だけが残り、苦しさはどこかへ行ってしまったかのようです。

 

一番良かった事は、興味も無い苦手分野の簿記会計というものが好きになった事でしょうか。苦手、嫌いと思うものは好きになって幸せを感じられるものになる可能性があります。だから苦手なものがある人は幸せになる要素を持っている人かもしれません。

 

「ああ、簿記ってさ、色々計算するもんでしょ。俺には関係ないし。」

 

なんて知ったふりして色んな事に無関心なのが一番不幸なのかもしれませんね。

 

受験会場には若い人、女性の方がたくさんいらっしゃいましたが、年配の方も結構見られました。

 

大人になって勉強して、資格という一つの試験を受けられるものの入門には良いかと思います。

 

最後に以前は簿記三級に合格したと聞いても、だれでも合格できる高校生でも受かる簡単な試験でしょと思っていましたが、受験した今は結構頑張りましたね、結構大変ですもんね。という思いになりました。

 

次の二級に向けて、今度は余裕をもって勉強していきたいなと思っています。