Sonny Rollins plays "Blessing in disguise"

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この"Blessing in disguise" 偽りの祝福”とでも訳したらいいのでしょうか。ソニーロリンズが初めて、ジョン コルトレーンが大活躍しているアヴァンギャルドとまでは言いませんがいわゆるニュージャズの世界に一投を投げかけた”Easy Brordway run down"というタイトルで問題作でもあるLPレコード中の1曲です。録音年月日は、1966年5月、パーソネルは以下の通りです。

 

ソニーロリンズ:テナーサックス

ジミー ギャリソン:ベース

エルヴィン ジョーンズ: ドラムス

フレディー ハバート : トランペット(この曲には、参加していません)

 

ベースのジミーとドラムスのエルヴィンは、コルトレーンと数年間にわたって同じ釜の飯を食ってきたグループの最重要メンバーです。この二人が、ロリンズに協力して誠に立派な演奏を提供していますね。以下は、私の推測になりますが、このロリンズの録音の1年後に麻薬の影響もあったのでしょう、ジョンコルトレーンは亡くなります。

 

おそらくこのあたりから、コルトレーンは、体の調子を崩していたのでしょう。そのようなこともあったので二人は、ロリンズに協力したのだと思います。無論心根の優しいコルトレーンは、二人を快く送り出したに違いありません。でも、彼は、1966年立派な日本公演を成し遂げましたが、1967年夭逝という進み行きになってしまいます。

 

さて、アメリカのジャズ評論家の半数は、ニュージャズに身を投じたソニーロリンズの新しいアルバムを評価していませんでした。おそらく、ジョンコルトレーンとの比較があったのでしょう。

彼のニュージャズにおける代表作は、”Impressions"と”Chasin' the train"です。いわゆるシートオブサウンドと呼ばれる洪水を思わせ,、そのうえアップテンポの自信たっぷりの素晴らしいインプロヴィゼーションが間断なく発揮されるパフォーマンスは、革命的とも言っていいでしょう。

 

しかし、私に言わせれば、ソニーロリンズ、別にコルトレーン的要素が全くなくても、全然かまわないと思います。この”Blessing in disguise"という作品では、4小節くらいの短い主題が、数十回繰り返されます。ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲における数十回の主題の繰り返しと同じです。双方とも飽きたなどという気持ちは全く起きません。むしろいつまでも聴いていたい気持ちです。

 

というのも、ソニーロリンズのテナーサックスの響きが、東大寺南大門の運慶、快慶作”金剛力士像”のようなとてつもない存在感があるからに他なりません。私は、このEast broadway run down というアナログレコードは、無論所有していますし、とりわけ、このBlessing in disguise という作品は、私のお気に入りです。

ソニーロリンズ               

彼はその人柄の良さから、バド パウエル、セロニアス モンク、マイルス デイヴィス、ジョン コルトレーン、クリフォード ブラウン、マックスローチ等その他大物ジャズプレーヤーから愛され続けました。来日した時など、気軽に西郷輝彦さんのバックであのテナーサックスを演奏して下さり西郷さんも尊敬されているに違いありません。もちろん現在も元気でいらっしゃいます。

 

カリプソのリズムが心地よいソニーロリンズの代表曲「セント トーマス」もご覧になる方は、上の動画の音を切ってから下記の写真が入った部分をクリックしてください。