初めに:J.Sバッハは、自分の曲を他の楽器に編曲する場合がとても多い。例えば、無伴奏ヴァイオリンソナタ1番の第二楽章をリュートのためのフーガに、といった具合に。

 

御多分に漏れず、あの名曲ヴァイオリン協奏曲イ短調BWV-1041ト短調に変えて、チェンバロ協奏曲BWV-1058に編曲している。

 

むろん、名手トレヴァー ピノックなどによるチェンバロ演奏も素敵だが、チェンバロの代わりのピアノで臨んだバッハの専門家、グレングールドBWV-1058が、俄然、見事で独特な光を放っていることを皆様に伝えなければならないと感じている。

     それでは、、最初にグールドのピアノ協奏曲ト短調を聴いてください。

 

 ピアノによる運命 Glenn Gould plays Bach Piano concert in G minor

  *演奏は、1分後に始まりますのでタイムボタンを移動したほうがいいでしょう。

<私のブログは、総じてぎゅっと詰まった感じなので乱暴にクリックしますと目的の記事に到達出来ない場合があります。 クリックは、出来るだけ静かしていただければありがたいですね。> 

 

グールドは、何かつぶやきながら、ピアノを弾いていますね。200曲以上あるバッハの鍵盤楽器の作品をすべて正確に暗譜しているのでしょう。

Glenn Gould

相変わらず、一音一音が、はっきりしています。つくづくこの人は、スタッカートのピアニストだと思います。バックは、彼の生まれ故郷のトロント交響楽団バロック時代の協奏曲なので規模は小さい。

 

バッハにしては、極めてわかりやすく聴いていて気持ちが、いいですね。3楽章におけるピアノの響きは完璧、さすが、グールドです。そして明らかにこの協奏曲、ヴィヴァルディなど、イタリアの作曲家達からの影響をもろに受けています。

 

さて次は、オリジナルのヴァイオリン協奏曲第一番イ短調を聴いてみてください。バッハの中で、最も人気のある協奏曲になっています。ただ、ヴァイオリン協奏曲第二番のほうが、さらに優れているという人も多い。

 

バッハファンでなくとも、この二曲は、音楽史上最高峰の評価を得ている作品ですので、CD購入をお勧めします。

 

Solenne Paidassi plays Bach's violin concerto in A-minor

同じメロディーのチェンバロ協奏曲に比べ、こちらのヴァイオリン協奏曲の方が100倍も有名で、超名曲の誉れも高い。いくら、グールド見事なピアノを弾いていることを考慮に入れてもやっぱりこの曲はヴァイオリンでなければねという声が聞こえてきそうです。

 

ところで、見事なヴァイオリンを披露している、スエーデンのお城の中のお姫様のようなヴァイオリニストは誰? 少ない情報ですが、名前は、Solenne Paidassi さん。 フランスのニースの生まれだそうです。フランス読みでどのように発音ししていいかわかりませんが、ソレンヌ

と呼んでいいのでしょうか?

Solenne Paidassiさん

ロン ティボーのコンクールで優勝、あるいはそれに準ずる成績?

そしてあのフルートのエマさんと同じく、フィラデルフィアのカーティス音楽院留学もあるとのこと、結局、ユジャワン さんや、ヒラリーハン さんのような、陽の当たる道を歩いていく運命にある人なのでしょうか。確かに、我が国の庄司紗矢香さんにも、勝るとも劣らない実力ですからさもありなんでしょうが。

 

おそらく、ブログでは、これが、本邦初お目見えだと思います。大事にしていきたい逸材ですね。ちょうど彼女が、サンサーンスの曲を弾いているのを発見しましたから、すぐ、アップロードしておきます。彼女の、バッハのヴァイオリン協奏曲第2番をゆっくり堪能してみたいものです。

* グールドのピアノによる運命、聴きたい方は、このグールドの動画左上ピアノによる運命の部分をクリックしてください。