黒い羽根 -34ページ目

「彼」の手は暖かくて


握っているだけで幸せな気持ちになれた


でも それはブレーキではなく


アクセルにしかならない


「彼」の体を押し寄せて


そっとベッドにもぐりこんだ



今 「彼」が起きたら


やっぱり眠くなったと言い訳すればいい


まったく起きる様子はなかったけれど



時計の音 心臓の音


息苦しいくらいに聞こえる中で


「私」は少しだけ冷静になっていた


「彼」に拒まれるなら


それはそれでいいと思っていた


そのほうが


「私」の好きな「彼」だから



そんな思いも


「彼」の手に触れた途端に


どこかへ消えてしまうのだけれど







たわいもない会話をしながら



「彼」は眠るのを我慢していた


だけど お酒はそんな「彼」の我慢を


簡単に吹き飛ばしてしまう



そこらで ざこ寝すると言い張る「彼」を


無理やりベッドに寝かせた


「私は起きてるから」


その一言で「彼」は我慢をやめた



次の我慢をやめさせるのは


私自身