黒い羽根 -20ページ目
こんなに罪悪感を感じるのなら素直に返せばいいのに
「彼」に私だけを見てほしいと
どんどん欲張りになってしまっている私は
やっぱりこの時計を渡したくない
こんなことしたって「彼」は私だけを見ることはないのに

時計は返さないことにした

来月は「彼」の誕生日

新しい時計を買って渡そうと思う

私との時間を過ごしてもらいたい

それだけなのに

とても悪いことをしているという

気持ちが離れていかない

今日 「彼」が電話で

「時計忘れてなかった?」と聞いてきた

その声はとても申し訳なさそうな情けない声

理由は簡単 その時計は「彼女」からもらったものだから


時計はうちに忘れている

その電話があるまで そんなに気にしていなかったのに

思わず「知らない」と答えてしまった

自己嫌悪で寝れそうにない