Cメロの後はちょっと懐かしい感じのトランペットの間奏が入る。この時、歌い手は一休みするが、町田君は休むことなく踊り続ける。



この間奏部分は、曲的にはどんな感情を表しているんだろうか。私は単純に、2人がまだ一緒にいて幸せだった頃を表現しているというようなイメージを持っていた。

そんなつもりで、この部分の町田君の踊りを見てみると、なるほど「カッコつけてる カッコつけてる」と思わずほくそ笑んでしまう。立ち止まっての踊りの後は、ブラケット?をしながらの髪かき上げで、男っぷりの良さアピールの場面に見えるし、そう見えるんだから、そういうことなんだろう。

ただ、こういう部分の「いかにも」なところを見ていると、この曲が作られた時代を思い起こしてしまい、「なんで今どき、この曲で滑るんだろう」と再び思ってしまう。「今どきではないな」ということを、トランペットの音色や町田君の踊り、衣装や装身具から、まざまざと感じとってしまうのだ。折にふれて湧き起こってくる、この「なんでこの曲なの?」という疑問が、このプログラムを通して感じられる違和感の根底なのかもしれない。



間奏部分の最後のところ、ここでまた、伸ばした右手を左手でツツーっとなぞり上げるしぐさが入る。音に合わせただけで、特に意味はないのかもしれない。ここで最後のジャンプが入るかと思いきや、得意のバレエジャンプだった。

このバレエジャンプは、伴奏のドラムの一打ちにピタリと合っていると、とても気持ちがよい。ファンとしては、ついルッツを跳ぶのかと期待してしまうところだが、バレエジャンプの方が、音に対しての収まりがよかったのかもしれない。ジャンプをピタリと入れるには、間合いが足りない、といったところだったのだろうか?

さて、最高に逢いたい気持ちが盛り上がった2番のサビから、これまでの曲調とは変わるCメロ部分。曲も印象的だが、町田君のスケートも印象的だ。

「そっと瞳閉じてみる」の後、伴奏に合わせてのツイズル(結構たくさん回る)、そして間髪入れずに伴奏に合わせて1つ跳び上がってからの、Cメロの「一緒に過ごした~」の部分のクロスロール。ここは、メロディーというよりも、伴奏のコード進行に乗ったクロスロールだけれど、詩にも気持ちよく乗っていて、非常に印象に残る部分。また、奥から正面に真っ直ぐに向かって来るところも、言葉の力をよく伝えていると思う。
 

「忘れないでね~」の後の伴奏にも細かく合わせた振り付けで、町田君の背すじの美しさを見せるポーズも盛り込まれている。
 
同じようなポーズは「ロシュフォールの恋人」にもあって、今回のような「情熱系恋愛プログラム」には、この「ロシュフォールの恋人たち」で会得した町田君らしさが、随所に取り込まれているような気がする。
 


と、ここまでわりと調子よくきていたのだが、この辺から、個人的にはちょっとなぁ~という部分が続く。

ここは「後悔しないーでしょ」の部分。「ああ、後悔なんてしてないさ」とでも応えるかのように、拳をグッとにぎる。こういう部分がクサいというのか、なんだかそのまんまだな、とちょっと興ざめしてしまう。
 
そして、その直後の「2人愛し合ったこと~」で、思いを昇華するかのように天に向かって手を差し出した後にダブルアクセル。「2人」だからダブルアクセルなのかな?と、私のほうもつい安直な解釈をしてしまう……。
2番での振り付けの盛り上がり具合を見ると、1番の出だしがいまひとつ調子が出ていない感じなのも、仕方ないことなのか?と思えてきてしまう。
2番のサビから間奏までは、「これぞスケートのプログラム」という感じで、さすがの私でも、結構好きな部分が多い。

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2番のサビと同時に始まる「イナバウアーは足技なんです!」と言わんばかりの、弧を描くイナバウアー。手の形も指先までこだわり抜いている感がうかがえる。まさに、逢いたい気持ちをスピードに乗せている。
ただし、「逢いたい」という私の気持ちに呼応して、「僕も逢いたい!」という気持ちをスピードに乗せているということで、OKなのだろうか?もしこれが、「逢いたい」という私の気持ちが一方通行で、彼女自身の夢の中に現れた「あなた」を描いているとしたら、「君(彼女)の夢の中に現れた、カッコイイ僕を見て見て!」という、実にイタい設定になってしまう。ここは素直に、前者の設定で見た方が良さそうだ。

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こちらは2回目の「あなたの~ぬくもりを~そのぬくもりを~」の部分。1回目と同じイーグルだが、2回目は男性らしいセクシーポーズと言うのだろうか?男性化粧品のCMのような、オトコの色気全開のポーズである。これは抱擁のぬくもりを表しているのだろうか?ここも女性が一方的に「そのぬくもり」を思い出しているとすると大変イタい設定になるので、男性の方も「そのぬくもり」を思い出していることとしよう。

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このイーグルの最後の方の「思い出し~」の歌詞のところでは、こんなお色気ポーズがくる。思い出している感じはするが、この感じはちょっと女性っぽい。

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サビ最後の「そっと瞳閉じてみる~」は、まさに閉じている感じの振りで、そのまんまな感じだが、「詩を滑る」となるとこういうところも出てくるのは、仕方がないのかもしれない。