伴奏のみのエンディング部分。

 

 

切なげなエンディングの伴奏に乗ってのアップライトスピン。1番と2番の間奏にもあったアップライトスピンだが、こちらではレイバックスピンにはならずに、夢の中での逢瀬を慈しむような感じ。この横浜公演のときは、オープニング、プログラム、フィナーレと、どれもスピンが印象的だったけれど、特に、プログラム中のスピンは2つとも曲調にとてもよく合っていたと思う。センチメンタルな旋律に繊細なスピンはよく似合う。


 

しかし、スピンが終わって、いわゆる「夢オチだった」というこの場面は、さすがにドタッと倒れ過ぎだ。一緒に見に行っていた友人などは「最後はひっくり返っちゃってたじゃないw」と笑っていたぐらいだった。照明を1回落として、その間に横たわるというのも、見え見えといえばそうだが、最後にきて「ドタッ」では、「あらあらどうしたの?ひっくり返っちゃって」と思わざるを得ない。それぐらい唐突に見える倒れ方だった。他にやりようはなかったのかと思うし、見ている方も「夢から覚める」というか、いきなり我に返ってしまうと思う。

 


この場面は、夢から覚めて「夢の中だけど想いを交わし合った」という満足感に微笑む、といったところだろうか。こういうところの表情とかは「役者だな〜」と思うのだが、しかし、さんざん掛け違いや食い違い、「いいな」と思うところと「なんじゃこりゃ」な部分が入り混じった状態のまま、「夢オチでした」というのも、正直ガッカリなところではあった。夢って辻褄が合わなくて、カオスなもの、といえばそうだが、置いてきぼりを食らったまま、「夢だったんで」で終わられたのでは、ポカンとなるのも無理ないと思う。

いよいよ歌詞のある部分としては、最後のパートになった。もっと感覚的に理解できるなら、こんなに分解して見ることもなかった。現に、これまでのプログラムであれば、最初から最後まで「ポーッ///」としながら、通しで何度も見ているところなのだ。理解できないから、このように細かく割って見ていくことになったのだと思う。

 

 

3回目の「そのぬくもりを〜 」の部分、ここは思いっきりシャツの中に手を突っ込んでしまっていることから、そのものずばりの「肌のぬくもり」なんだなと思う。もうこうなってくると、漂うのは「芸術感」ではなく、ただただ「場末感」というのか、さすがにそのまんますぎるのでは?と思ってしまう。

この表情から、クリムトの「接吻」という絵を思い出すという人もいたが、そのクリムトの絵だって、さすがに胸元に手を突っ込んでなどいない。胸元に手で思い出すのは、聖子ちゃん世代だったら、谷村新司と小川知子の「忘れていいのよ」という歌の方だ。「大衆歌なんだからそれでいい」という人もいるのかもしれないが、ここまで大衆歌に無理やりバレエ的な動きを組み合わせてきておいて、最後にそのまんま場末の踊り子さんのようなことをやられては、こちらとしては、どういうつもりで見ればいいのか分からない。正直言って、悪い冗談としか思えなかった。


 

これは最後の「そっと瞳閉じてみる」の部分。この動きも他のプログラムで見られる。すぐに思い出すのは、「エデンの東 Celebration」だ。

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エデンの方は歌詞がないので同じような場面といえるのか分からないが、演奏の伸ばす音に合わせて、ずーっと引っ張るような感じだ。バレエっぽい手つきで、姿勢はかなり低いが、「アン・ナバン」という手のポジションに似ているようだ。ミルズ氏につけてもらった振り付けからヒントを得たものなのだろう。

 


最後の歌詞「愛してると呟いて」の部分。文字通りというのか、別れた彼女に言われた通りに「愛してる」と呟いているようだ。やはり「わたし」と「あなた」は2人とも心を残したまま、なんらかののっぴきならない理由があって別れることになったようだ。そして夜な夜なでもないだろうけれど、ふとした時に夢の中で「あなたのぬくもりが恋しい」とお互いに「呼び交わしている」というわけなのだった。

ワールドフィギュアスケートの別冊に町田君のメッセージが掲載されるとのことで、それが出てしまうと、ここで好き勝手に書きづらくなるような気がして、自分的にはペースを上げていたのですが、若干間に合わないかもしれないですね。このプログラムが「悲恋三部作」の完結編だったということで、三部作の括りが後付けだったにせよ、なぜこの曲だったのか?という疑問には、やはり「町田君の個人的な想いがあったのだろう」という私の感想は変わりません。だれか架空の人物を主人公にしてその悲恋を描いたのではなく、町田君自身の感情面での悲恋を昇華させるためのプログラムだったのだろうということです。

ただ、メッセージが出てみたら全然違う可能性も高いので、以上は素人の寝言ということで、プログラムの分解を続けます。


いよいよ最後のサビ部分。J-POPは、2番まであるとすると、サビとして3回は同じメロディーと同じような歌詞が繰り返されるから、振り付けをする方は大変だ。

 

 

ここでは、1番のサビで行われた振り付けが、1番とは逆サイドで繰り返される。 

つまりは1番と同じように、「逢いたくて~」の「て~」部分で、なんだか詰め詰めに見えるけれど、身体をひねって半回転のバレエジャンプを跳ぶ。

そして、2回目の「逢いたくてー」で中央付近まで行って、両手を盆踊りみたいに合わる。この部分を改めて見ると、「逢いたくて」の歌詞に合わせて、手も合わせているように見える。「さすがに安易すぎるな」と我ながら思うが、そう見えるんだから仕方ない。

そして「眠れぬ夜は」に合わせて、ロングサイド中央辺りで繰り返される不思議な踊りと、左手で右腕をツツーっとなぞり上げる仕草……。随所にあるこの仕草、やはりなにか意味がありそうだが分からない。

しかし、「あなたに逢いたくて 逢いたくて(でも逢えない) 眠れぬ夜」って、普通に考えて、もっも切ないものだろうと思うんだけど(ましてや別れて半年後だし)……切なげな表情はしてるものの、切なさを感じないのは、曲のせいでは?という気もしてきた。だいたいが、この曲は、設定がドロドロな割には、きれいにまとまり過ぎているのだ。一緒に暮らしながら、なんらかの理由で想いを残しながら別れたというよりも、片思いの相手に「逢いたくて逢いたくて」と爽やかに言っているお嬢さんのような明るさを感じる。



ここも伴奏に合わせた細かな足の動きがあり、1番と同じステップ。この後に3番目の最後の「ぬくもり」部分がくる。