知人から、占星術講座の英訳をできる人を探している、という話をお聞きしました。
講師はアメリカ人で、講座のサンプルを聞いていると、自動翻訳でほぼ完璧に訳してくれそうな、講座らしい真っ当な言葉遣いの方だったので、自動翻訳を使えばどうか、と提案しようかと思い、you tubeの動画に字幕で日本語の自動翻訳を流して、精度を見てみました。
以前、スピリチュアルと量子力学の間のようなトピックの講座の翻訳レビューの依頼があった際に、you tubeの自動翻訳で99%わかりやすく正確な翻訳が出てきた経験があったので、同じことが試せないか、見てみました。
結果、占星術となると、自動翻訳が追いつけていない部分が散見され、訳文を読んでいても7割意味が通るか通らないかで、恐らく英語を聞きながら字幕を見ている方にはわかるけれど、字幕だけ追っている方には意味不明かもしれない、という部分がありました。
具体的には、Neptune(海王星)、Mars(火星)はきちんと訳してくるのに、水星のコンテクストで使われているMercuryが水銀、と翻訳されてしまったり、
蟹座のコンテクストで使われているcancerが、癌、と翻訳されてしまったり。
想像するに、自動翻訳は科学系のトピックは強いけれども、占星術などの最近再び注目を集め始めたトピックには、まだ精度向上のためのサンプル数が足りていないのでしょうか。
ビジネスでも、文学でも、たいがい高い精度で対応してくる自動翻訳について、意外な発見でした。
ただ、こういう誤訳があると、改めて、言語のルーツに思いを馳せる機会にもなります。
Cancer という言葉がなぜ癌を表すようになったかというと、腫瘍と周りの数々の血管がカニ(cancer)のように見えたからだと考えられています。
Mercuryがなぜ水銀かというと、太陽系の一番真ん中を素早く回るMercury(水星、元祖魔法の星)と流動的な水銀を重ねたともいわれています。
占星術は、ラテン語で整理されたものが現在主流ということもあり、ラテン語がわかると、より理解が増してきます。
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