奈良再訪 4 興福寺、春日大社 | 楽典詩人

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奈良二日目の朝、朝食の後早朝散歩をした。

 

ホテルから近い猿沢池まで歩き、階段を上って興福寺の南円堂の前に出た。

奉仕活動なのか南円堂の周辺を清掃している年配の男女がいて、朝の挨拶をしてくれる。

 

南円堂の扉は閉ざされていて中は見えなかった。中には大きな観音像があり、奈良に住んでいた時見たことがあった。

そこで、この扉は開かないのかと清掃している人に尋ねてみたが、年に一度正月に開けられるとのことだった。私がいたころと開扉の方法が変わったのかもしれない。

 

南円堂から五重塔のほうに進むと、塔の改修のための仮囲いの建物の建設が始まっており塔よりもはるかに高いクレーンが設置され、塔の低層部の周りには鉄骨で躯体が組み立てられていた。

まだ、塔全体を見渡すことができたが間もなく囲いにすっぽり覆われて見えなくなるだろう。

工事のことを知らずに来たが、いい時に来たものだと思った。塔のそばに立っていた掲示によれば完成は7年後とのことなので、そのころ見に来ることができるか怪しいものだ。

 

国宝館を過ぎて興福寺本坊の前まで来てそれを見ていると、そのあたりで作業をする人たちの監督者のような服装をした年配の人がにこやかに「どちらから来られました」と話しかけて来た。

わたしも気楽に「東京から来ましたが、昔奈良に住んでいたころ本坊の中での行事に参加してご馳走をいただいたことがあったので、なつかしく見ていたのです」と話をつなぎました。

旅行に良い季節だとか、コロナのころは閑散としていたとか、外国人の旅行客の増加が驚くばかりだとかいろいろと話してくれました。

 

わたしのような高齢者の一人旅は人目を引くのか、今度の旅行では何か所かで見ず知らずの地元の人に声をかけられました。

 

散歩をしているうちに少しずつ観光客も増え始めたので、いったんホテルに戻ることにした。

 

チェックアウトをすませてホテルを出で、三条通のゆるい坂を東へと登って春日大社を目指しました。

 

春日大社の一の鳥居を過ぎ、広い参道を進むと二の鳥居あたりから急に観光客の数が増えました。社殿の少し手前に国宝殿があります。この国宝殿には奈良にいた当時も入ったことがなかったので入ってみることにしました。


展示品の数が少なく、もちろん名前のとおり絵画や刀剣など国宝もありましたが、残念ながら期待外れでした。

 

春日大社本殿では、拝観料を払って中まで入り、社殿前を巡ってきました.その途中でご神体である御蓋山の山頂本宮を遥拝するところがありましたが、これも残念ながら樹木が生い茂っていて山頂は全く見えませんでした。

 

本殿の後は若宮から、各末社を回って禰宜道を南に進んで高畑に出ました。

 

高畑には建築家のRさんが古民家を改築して住んでおり、当時そこでは大人のサークル活動のようにいろいろな催しをして私も何度か参加しました。また、住居に隣接して「ろくさろん」というカフェを奥さんとそのきょうだいが営んでいました。昼時近くなったのでカフェに寄ってみたが、閉まっていた。

時間が少し早いのかと思い、そこから近い私のもとの住居を見に行って戻ってきてもまだ開いていなかった。電話をしてみると中で着信音がしているのが漏れ聞こえてきたが、だれも出る様子がなかった。もう営業をやめてしまったのかなとも思い、心残りだったが立ち去った。