毎週楽しみに観ていたNHKのドラマ舟を編むが終わりました。
最後の回はコロナのパンデミックなど原作にはないエピソード等、少し詰め込みすぎた感がありました。
原作とは異なり、辞書編者の言語学者が新たな辞書の刊行日にまだ存命で、リモートでスピーチをするという場面がありました。
高齢のがんを患った言語学者を演じたのは柴田恭兵です。
柴田恭兵はわたしにとっては、何といっても粋なもの言いとダンスとアクションに優れたあぶない刑事(デカ)です。
その彼が演じた学者が、やせた白髪のいかにも言語学者らしい語り口をするはまり役になっていて、このドラマにチカラを与えてくれました。
ところで、ずいぶん前に放送終了したプロジェクトXをNHKが再開しました。
わたしもよく観ていたドキュメンタリーですが、その特徴として社会一般にはあまり注目されなかった事業をチーム構成員が次々に発生する困難を克服しながら完遂していく様を示し、事業の重要性に気づかせるとともに、いわば裏話の寄せ集めで視聴者を感動させるというような番組でした。
よく見るとこの舟を編むという話は、このプロジェクトXの狙いを新たな辞書を作るという事業で、しかも小説という形で原作者が完成させたものと言えそうです。
柴田恭兵、岩松了、野田洋次郎、池田エライザ、渡辺真起子、前田旺志郎、向井理が演じた人々は、新事業の企画監督者、助言者、現場指揮者、主任作業者、作業の裏方、全体の応援者というまさにプロジェクトXにいつも登場するようなメンバーでした。
原作や映画とも異なる楽しみをこの10週間示してくれたドラマに感謝と賛辞を贈ります。