電動アシスト自転車 脚力トレーニング 坂道 | 楽典詩人

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我が家の周辺には坂が多い。

自転車の移動で困るのはこの坂道です。

高齢で足が弱ってくると自転車で坂道を登るのが難しくなります。

 

20年ほど前、横浜で仕事をしていました。職場は、そのころはまだ開通していませんでしたが今の地下鉄みなとみらい線の馬車道駅の近くでした。

職場からあまり遠くない野毛山に大きな図書館があり、歩いて行くには少し遠く自転車なら簡単にいける距離でした。ただし、山の上の図書館までは自転車できつい坂道を登らなければなりません。ところがわたしの職場には、普通の自転車のほかになぜかそのころまだあまり普及していなかった電動アシスト自転車(以下「電動」と略します。)があり、初めてそれに乗りました。

電動で野毛山の坂道を登って、すっかり驚いてしまいました。坂道の登りが全く苦にならないのです。おかげで昼休みを利用して、図書館の本を借り、また返すことが簡単にできました。

 

その快適さを知っていたので、居合の稽古など少し遠出をするようになった10年ほど前に自転車を電動に買い替え、5~6キロのほどの距離の場所にはどんな坂道があろうがほとんど電動で出かけるようになりました。

こうしてほとんど毎日電動に乗り続け、そしてつい最近、電動をまた新しく買い替えました。

 

電動のただ一つの欠点は、出かけた途中でバッテリーが上がってしまうと通常の自転車よりもずっとペダルが重くなってしまい、まして上り坂になれば悲劇的です。そのため出かけるときには必ずバッテリーの充電状態を確認する必要があります。

 

わたしは、普通の高齢者よりも運動する頻度が高くそれなりに体力は維持できてると思っていますが、それでもここ数年は上半身も脚も確実に筋力が低下しています。

特に走るチカラが衰えている気がして、空手の稽古のほかに走るだけの軽いトレーニングをします。

 

二か月ほど前、こうしたトレーニングをしていてふと気が付いたのです。電動の電源を切って乗れば脚の鍛錬になるのではないかと。

そしてやってみました。ただ平坦な道を電源を切って走るのは少しペダルが重いだけであまりトレーニングになっている感じはしませんでした。

 

そこで、坂道を登ってみることにしました。

我が家(と言っても戸建てではなく集合住宅ですが)の近くに300メートルほど続くダラダラ坂があり、幸いなことに歩道に自転車専用レーンがついています。つまり、交通量の多くない時間帯には自由にいろいろなやり方でこの坂道を往復できるのです。

上り坂の最初の100メートルほどは電動の電源を切ってサドルに腰を下ろしたまま進みますが、しだいに脚が疲れてくるのでそこから先はいわゆる「立ち漕ぎ」にして坂を登り切ります。そしてまだ足りないと思えばそのまま坂を下って戻り、再度登ります。

二往復するとちょうどよいくらいの疲労感を感じます。調子のよい日はさらに一往復します。

それだけやると、なんだかトーニングをした感じがします。

 

高齢者の脚力維持のためよくテレビなどで、いわゆるスクワット何十回かを何セットかすると良いと言っていますが、やってみると分かると思いますが、これは何の面白みもない不快な苦行のように思えます。

 

電動の電源を切った坂登りも苦行のような感じもあるのですが、それでも周りの景色が変わり、風を感じ、立ち漕ぎのリズム感を感じ、さらに登り終わって、今度はペダルを踏まずに坂を下るときの爽快な気分は何とも言えないものです。

 

このトレーニングをした日の夜や翌朝に少しだけ残っている脚の筋肉の軽い疲労感もなんだか気分をよくしてくれます。

 

脚が弱って来たなと感じ始めた方で、電動アシスト自転車をお持ちの方には、一度この電源オフの坂道トレーニングを試してみるようお勧めしたいと思います。