約20人いる小学生から高校生のクローバーの子たち。


その中には、家庭に複雑な問題があり、
つらい幼少期を過ごしてきた子たちがいます。

今回は、
最近話題の「愛着障害」について考えてみます。


子どもは、
お母さんのお腹に入っているときから、
親の愛をもらって育っていきます。

「胎教のために」と、
癒しの音楽を聴いたり、
優しく話しかけたりするのは、
よくありますよね。

逆に、
乱暴な言動が当たり前の環境の中では、
お腹の中の赤ちゃんにも乱暴な言動が伝わってしまうし、
お母さんのストレスや悲しみも赤ちゃんに伝わってしまいます。

生まれてから3〜5歳までで、
人格が形成されます。

親や周りの大人から適切に育てられたかどうかは、
子どもの成長に大きく影響します。


暴力やネグレクト(子育て放棄)だけでなく、

厳しいしつけやバカにするような言葉かけでも、

子どもの心に大きな傷をつけてしまいます。 



「しつけだから」と厳しくしている家庭の場合、
子どもは、常に親の顔色をうかがい、
親の大きな声を聞いて、
ビクッとなって萎縮します。

何でも我慢をしてしまい、
自分の気持ちを言えずにいたり、
逆に、
人のものを欲しがったりする子もいます。

小さい頃からチックが出る子もいます。

よかれと思って育てていても、
実は子どもにとって「心理的虐待」になっているというケースが意外によくあるのです。

愛着障害は、
「身体的虐待」だけでなく、
「心理的虐待」でも起こり得るということです。



愛着障害には、2つのタイプがあります。

(参照DSM-5)

①反応性アタッチメント障害(反応性愛着障害)

「自分の存在価値」が分からなくなり、他人を信じられず頼れない、自分や他人を攻撃する、自分の評価が低い、感情を出せない。


脱却制型愛着障害(脱却制性対人交流障害)

自分が示す愛着の範囲が分からず、知らない人まで広範囲に愛着を求める。



適切な養育を受けて育てられなかった子でも、

あとから愛着形成のやり直しはできます。


それでも、

愛着障害はなかなか難しい問題で、

愛着形成のやり直しができずにいると、

大人になってから精神疾患になってしまいます。


不登校になる子も多いです。



さて、

愛着障害と発達障害の関係について考えてみましょう。


『子ども虐待という第四の発達障害』(杉山登志郎著)ではこう述べられています。

虐待された子どもたちは心だけでなく、脳の発達にも障害が生じる。そして自閉症などと極めて似た症状や問題行動に苦しむ。
 

子どもに見られる行動が、
「愛着障害」が原因なのか 
「発達障害」が原因なのか

この見極めはとても難しいですし、
対応が違ってきます。


「子どもの精神状態によって、
能力が上がったり下がったりする」
ということを以前ブログでお話しました。

心にダメージを受けた状態だと、
できることができなくなったり、
怒りっぽくなったり、
落ち込んだり…
子どもの行動にあらわれてきます。

「心」が与える影響は、
本当に大きいのです。


いろいろな子どもたちを見てきましたが、
問題となっている行動の原因が
「愛着障害」だけ
「発達障害」だけ
ということはなく、
両方が関係していることがほとんどです。

だから、
「この子は愛着障害の対応をしなきゃ」
と一つの選択をせずに、
「これは発達障害による行動だな」
と思ったら、発達障害の対応をしています。


心の問題は幼少期だけではなく、
学校で受けた心の傷も影響してきます。

しょんぼりうまくできなくて劣等感が大きくなった
ぐすん理不尽に叱られたり、いじめられたりして心が傷ついた

など、いろいろな場合が考えられます。


大人の社会でもそうですよね?

叱られてばかりの職場は、やる気が起きません。
人のことをねたみ、さげすみ、
攻撃的な言動が増えていきます。
失敗して叱られることをおそれて、
チャレンジしなくなります。
気持ちが暗くなって、鬱っぽくなっていきます。

一方、
あたたかい職場は楽しく仕事ができます。
認められたりほめられたりして、
やる気もアップして、
効率よく仕事ができます。


子どもも同じで、
育つ環境が大きく影響するのです。

子ども健やかに成長するには、
「自分らしく」「生き生き」と過ごせる環境が
大切になってきます。

そして、
「愛着障害」
「発達障害」
言葉だけにこだわリすぎるとよくありません。

今、目の前にいる「子ども」をよく見て、
その子に何が必要なのかを考えていけばよいのです。


適切な関わりができたかどうか、

子どもの反応を見れば分かります。



子どもに対しても、

大人に対しても、

結局は同じです。


心にゆとりをもち、

穏やかに、優しく、思いやりをもって

人と関わること。


それが1番大切です爆笑



「学習さぽーとクローバー」は、2025年から長野県売木村に移転し、「クローバーの家」として新しくスタートします。


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