20年前からの緑内障の整体治療
視野異常(不規則視野沈下?!)が1/4まで改善した症例の解説です。
患者Aさん=61才-女性-主婦の症例
① Aさんの病歴・・・
患者Aさんは、別件(後鼻漏・他)の治療で来院されていましたが、緑内障もありましたので、本件も併せて治療する事になりました。
② Aさんの診察
【緑内障の所見】
・40代の頃に緑内障の診断を受け、点眼薬をしているそうです。現在の眼圧は左右とも15mmHgで安定しているそうです。左右とも、視野中心部の外上方部に軽度のすりガラス様のモヤモヤとした陰影部があるそうです(特に右眼の陰影部が濃くかつ大きく、右眼だけで字を見ると、字がぼやけて見えにくいそうです。)。
・視診上、軽度の「くま」が左右眼瞼にありました。そして上下の口唇はまだら状にあさ黒く、かつ「ブヨブヨ」と皺がよっていました。さらに軽度の「くすみ」もありました。仰臥位になると、こめかみ付近に数本の静脈が浮いて見えました(右=6~7本、左=4~5本)。座位になると、その多くは消えましたが、幾本は残っていました。また、左のほうれい線(鼻唇溝)が右に比べて倍近く深くなっていました。さらに左眼裂が右眼裂に比べて、80%ほど狭くなっていました。
・頚胸部および腹部の聴診で、血管雑音は聴取されませんでした。
・血液検査で異常は無く、血圧は120/85mmHgで安定しているそうです。
【後鼻漏・他の診察所見】
・後鼻漏が出るようになる2か月ほど前に、新型コロナに感染したそうです。
・後鼻漏は、就寝中は少しマシになるそうですが、日中は増えて、特に飲食時や会話時にかなり増量するそうです。
・後鼻漏は、咽頭の上の方から、または左右の鼻腔の奥の方から漏れ伝わってくる感触で、最終的に口蓋面に付着する感じだそうです。
・左鼻の通りが若干悪いそうです。
・若い頃から花粉症だそうですが、後鼻漏が出るようになってから、花粉症状は出なくなったそうです。
・いつ頃からかは覚えていないそうですが、かなり前から耳鳴りがあり、毎起床時に右耳だけ少し「ビー」と鳴るそうです。しかしベッドから起き上がると、自然に消えるそうです
・難聴は無いそうです。
・耳鼻科では、特段の異常は無いと言われているそうです。
・小学生の頃、冬の寒い時に外出すると、左の顔面全体に痛みが歯したそうです。中学生になるまでに、自然に痛みが出る事は無くなったそうです。
・現在、虫歯や歯周病は無いそうです。しかし乳歯が永久歯に生え変わる幼少時、左上顎の犬歯が上手く生えきらず、炎症を起こして膿が溜まっていた時期があったそうです(手術をして今は正常だそうです)。
・1年ほど前から右の顎関節付近に疼痛があり、Aさんご自身は「顎関節症」だと思っているそうです(精査はしていないそうです)。
・骨好打検査では、上顎洞前頭突起付近(☚眉間の下部)の巧打で叩打痛が認められました。
➂ 治療目標と整体治療・・・眼圧低下と血流改善 !!
⑴ 渦静脈~右心房の静脈還流を促進し、眼圧低下を図る
⑵ 網膜中心動脈、短後毛様体動脈(☚眼動脈流域)の循環を解放して、視神経と網膜の代謝を改善し、視野を回復する
・静脈還流促進テクニック
・翼突筋静脈叢解放テクニック
・眼動脈解放テクニック
④ 経過と結果・・・今まで見えなかった部分が、見えるように ?!
・4診目来院時、
「そう言えば、右眼のモヤモヤ(すりガラス様陰影)が、減っている感じがします」と仰っていました。
・5診目来院時、
「(治療前に比べて)6/10くらいまで右眼のモヤモヤが薄くなっています」と仰っていました。また、整体治療開始前には、まだら状にあさ黒く、かつ「ブヨブヨ」と皺がよっていた上下の口唇も、この頃には少しずつブヨブヨ感も減り、ピンク色を取り戻しつつありました。この事は、Aさんも気づいていて、喜んでおられました。
・7診目来院時、
「右眼のすりガラス状陰影の範囲が狭くなっていて、多分半分くらいに小さくなっていると思います」と仰っていました。また、整体治療前に左右眼瞼にあった「くま」もかなり回復し、さらに顔面の「くすみ」も改善し、血色が良くなっていました。
・10診目来院時、
「以前は右眼だけで字を読んでも見えにくかったですが、先日、右眼だけで字を読むと、字がよく見えて、読書などが非常に楽になりました」と仰っていました。
・12診目、13診目と特段の変化は無く、よく見えていたそうですが、14診目来院時、「眼のモヤモヤする範囲がさらに狭くなった感じです。今は(治療前の)1/4くらいまで小さくなっていると思います」と仰っていました。さらに15診目には、「眼のモヤモヤは痕跡程度にまで小さくなり、モヤモヤ自体も薄くなって、今まで見えなかった部分が、見えるようになっています」と仰っていました。これ以降、Aさんの主訴である後鼻漏の治療が終了するまで、右眼の状態は良好で安定していましたので、緑内障の集中治療を終了する事にし、以後はメンテナンス的な治療に切り替えることにしました。
⑤ 今回の症例の概説、、、治療目標=視神経/網膜の血流を改善 !!
◆ 緑内障の主要原因…「眼圧説」 「血流説」 「軸索流説」
・一般的に緑内障は、眼圧の上昇により視神経や網膜の神経細胞が障害を受け、視野異常~失明を呈する疾患とされています。しかし緑内障の原因は、眼圧上昇以外にも「血流性」や「軸索流説」などがあり、逆に言えば血流や軸索流の流れを改善する事で、緑内障の治療・予防になる可能性があります。
参考症例
緑内障の整体治療例 【血流改善で手術を回避!!】
◆患者Yさん=58才-女性-公務員の症例より
◆ 眼圧が安定しているケースでは、視神経の血流改善が有効か ?!
・そこで今回のAさんについては、点眼薬によって、その眼圧が両眼とも15mmHgで安定している事もあるので、さらにその眼圧を下げる事を目標とするよりも、血流を改善して、視神経や網膜の細胞の代謝改善を図り、以って完全に壊死していない視神経や網膜の細胞の回復を図る事で、視野異常の改善を図る事を、整体治療の主眼に置きました。
網膜の神経細胞群には旺盛な血流(栄養・O2)が必要 !!
◆ 視神経/網膜の血流と眼瞼の「クマ」との関係…
・さらにAさんに関しては、視神経や網膜の血流が不足しているのでは、と疑わせる所見がありました。それは「両眼瞼のくま」「顔面のくすみ」そして「口唇のあさ黒さ」です。これらはいずれも当該部位の血流不足を示唆する所見だからです。これらの所見は、解剖学的な観点から(注1参照)、容易に視神経や網膜に流れる眼動脈流域の血流不足を想定させる所見だと思います。
眼動脈は視神経/網膜と上下の眼瞼の両方に血液を送り出す 血流不足による「くま」
◆ 眼圧低下と血流改善で視神経/網膜の代謝を改善…
・以上の事から、上記➂「治療目標と整体治療」に掲げる
⑴ 渦静脈~右心房の静脈還流を促進し、眼圧低下を図る
⑵ 網膜中心動脈、短後毛様体動脈(☚眼動脈流域=注2参照)の循環を解放して、視神経と網膜の代謝を改善し、視野を回復する
を設定しました。
眼からの眼房水(静脈血)が還流してくる頬頸部の静脈ルート
それに適応する整体テクニックとして
・静脈還流促進テクニック
・翼突筋静脈叢解放テクニック
・眼動脈解放テクニック
を施術する事で、眼球内の視神経や網膜の細胞の代謝改善を図ることにしました。
◆ 7診目で視野が改善・・・
・Aさんは当院に通院中、眼科医に受診する機会が無かったため、眼圧の状況については確認できていません。しかし眼圧がどうであれ、7診目には「右眼のすりガラス状陰影の範囲が狭くなっていて、多分半分くらいに小さくなっていると思います」との、視野が改善しているコメントがあり、そして10診目には「以前は右眼だけで字を読んでも見えにくかったですが、先日、右眼だけで字を読むと、字がよく見えて、読書などが非常に楽になりました」との嬉しいコメントがあったので、上記仮説に基づく整体治療は、概ね妥当であったのでは、と思います。
注1) 解剖学的観点
頭顔面への血液供給は、後方は椎骨動脈がその1/3を担当し、前方は頸動脈がその2/3を担当する。また頸動脈は喉頭隆起(いわゆる喉ぼとけ)付近で内頸動脈と外頸動脈に分岐し、前者は主に脳と眼球への血液供給を担当し、後者は顔面臓器や皮膚への血液供給を担当する。
従って、内・外頸動脈の近接性から、顔面皮膚の血流状況(☚顔面のくすみや口唇の血色など)を診る事で、眼球への血流状況を大まかに推測することが出来る。
特に内頚動脈から分岐する眼動脈は、視神経・網膜など眼球内への血流を分岐するが(☚下記注2=網膜中心動脈と短後毛様体動脈)、それ以外にも眼瞼皮膚への血流を担当する内側・外側眼瞼動脈なども分岐する。従って眼瞼皮膚の血流状況を診る事で(☚くまの有無など)、眼球内の視神経や網膜などへの血流状況を推測することが出来る。
Aさんは「くま」「くすみ」「口唇の血色低下」があり、これらの事から眼球の視神経や網膜などの血流不足を想定した。
注2) 網膜中心動脈と短後毛様体動脈
網膜中心動脈と短後毛様体動脈は、その本幹は同じ眼動脈の枝動脈で、前者は眼球の1~2cm手前で眼動脈から分岐し、そのまま視神経からその内部に進入して、視神経や網膜の表層から中層にかけての神経細胞の血液供給を担当する。後者は眼球の後面から数本に分岐して眼球内に進入し、網膜の後面にある細胞の血液供給を担当する。
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