人間社会でもそうですが、自然界でも生物間で下記の様な関係が築かれていますね。
A- 相利的関係・・・お互いに協調して「ウイン-ウイン」の協力関係を築く。 例=蝶と花(花粉の運び手)の関係
B- 敵対的関係・・・お互いに相手を抹殺しようとする「食うか食われるか」の関係。 例=猫と鼠の関係
近年、この相利的関係と敵対的関係が複雑にバランスよく混ざっている生態系の方が、そうでない生態系より、環境の変化に安定しやすい事が実証されたそうです(龍谷大学-近藤准教授)。
逆に言えば、生き物間の関係が「敵対的関係」に偏りすぎた場合でも(例:世界大戦など)、お互いに助け合うような「相利的関係」に偏りすぎた場合でも(超平和な桃源郷状態)、どちらも地球環境の変化に弱く、適応しにくいようです。
さらに言えば、適度に助け合い、適度にいがみ合っている方が、地球環境の変化に適応する能力がある、という事ですかね。。。
思いおこせば、自然界は当然ですが、人間界でも同様に有史以来この「相利」と「敵対」があらゆる場所で不断に繰り返されてきたのは事実ですよね。つまりこの近藤准教授の実証結果が歴史によって証明されている様なものですかね。
その様に考えれば、
・夫婦が適度に助け合ったりいがみ合ったりする
・親子が適度に助け合ったりいがみあったりする
・兄弟姉妹が適度に助け合ったりいがみ合ったりする
・友人間で適度に助け合ったりいがみ合ったりする
・同僚間で適度に助け合ったりいがみ合ったりする
・チーム間で適度に助け合ったりいがみ合ったりする
・企業間で適度に助け合ったりいがみ合ったりする
・民族間で適度に助け合ったりいがみ合ったりする
・国家間で適度に助け合ったりいがみ合ったりする ・・・etc
なんてのは、一番自然にかなった安定状態なのでしょうか?
注意すべきは「敵対的に偏っている」は当然だとしても、「相利的に偏っていても」不安定だ、、、という事ですね。しかしこの「相利的に偏る」とはメチャメチャ協調的で平和な状態ですから、私たち人類の理想-目標の一つだと思うのですが、それでも適応的にはNGなのでしょうか。
ところで東洋の哲学には「陰陽論」というものがあります。
この古典的理論は「自然界は陰と陽という対立物に二分され、その二つが対立しかつ協調することで自然の調和が保たれ、この陰陽の変遷は止まる事が無い」といった内容です。
これは正に近藤准教授の指摘している主旨と同様に感じるのですが、。、。
という事は、これからの未来においても、人間界のあらゆる所で「相利」と「敵対」が渦巻きの様に混じり合って生じていくでしょうから、いつまでたっても「平和な社会」は達成できないのでしょうか・・・。
そんな中で私たちは「相利に偏りすぎる」ことと「敵対に偏りすぎる」ことを監視し、適度のバランスを維持する事でしか進化していけないのでしょうか?
この呪縛・・・人類全体で考えるとしんどいですから、私の本職である「心理療法」で使わせて頂く、これが今できる事ですかね。例えば「夫婦カウンセリング」で、適度に仲良く適度に喧嘩する様に夫婦にカウンセリングしていくみたいな。。。。。これって昔の夫婦の形ですよね!!