不妊症の患者さん Mさんの思いで その二
しかしそんな予想に反してMさんは私を見るなりこう言ってくれました。「先生、中間痛が激減していました ! 」。
いや~、メッチャ嬉しかったですね。危うくポーカーフェイスをするのを忘れるところでした。「フム、そうですか、良かったですね」と、かろうじてええ格好をするのが精一杯でした(いけませんね、この妙で安っぽいプライドは)。
たぶん、卵巣から卵管に卵子が上手くジャンプ出来たから中間痛が激減したのではないか、と推定しました。私たちは医師ではありませんので診断は出来ません。
ですからMさんにはその様に言えないのが残念でした、がしかしその予想は的中していた、と思います。それも意外な結果によって分かりました。
実はMさんともその後相談したのですが、最初の主訴である腰痛・肩こりも相当緩和し、月経痛・中間痛も激減したので、9回目の治療(5ヶ月目)で一旦整体治療を終了することにしたのです。
驚いたのは、いえうれしかったのはその翌月です、Mさんが突然来院されたのです。
「どうしたんやろ、ひょっとして月経痛・中間痛が再発したのやろか」と一瞬不安に思いました(治療家ってこういう時小心者ですね、オット私だけかも)。でもそれは違いました。Mさんは開口一番「先生、妊娠してました ! 」と叫んでおられました。
ビックリしましたし嬉しかったですね、実に。変な言い方ですが私の子供、いや孫が出来たみたいで本当に嬉しかったです。不妊治療ってこれがあるからやり甲斐が有るんですよ。
Mさん曰く、あの後月経が止まったそうです。そこで念のため、あるいは期待を持って産婦人科を受診したところ妊娠していることが確認出来たそうです。おまけに卵巣嚢腫もほぼ完治していたそうです。Mさんはその帰り道、泣きながら家に帰ったそうです、通り過ぎる人からジロジロと見られているにもかかわらず。
Mさんからはそれからも何度となくお便り・年賀状などを頂きました。これも不妊症患者さんならではの嬉しい出来事ですね。
Mさんご夫婦にとって待望の第一子、その命の誕生に立ち会えた喜び、整体師冥利につきる思い出でした。
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