不妊症の患者さん Mさんの思いで その一
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不妊症の患者さんは意外に多いんですね。そして印象深いんですよ、他の症状の患者さんより。だって新しい命=家族が増える事に携われるって最高ですよ、整体師として !
色々な不妊症患者さんの思い出がありますが、そのなかから一つ・・・
28才の主婦の方=Mさんでした。不妊の原因は「卵巣嚢腫」で、卵巣から卵管に上手いこと排卵できなくて精子と受精出来ないそうです。産婦人科はもとより鍼灸や漢方なども試されていたそうです。
ところでMさんは当院には最初から不妊症の治療目的で来院されたのではありませんでした。初診は腰痛と肩こりでした。ところが診察を続けていくうちに強い月経痛と中間痛(排卵痛)があることも分かり、今回の腰痛と肩こりという主訴に婦人科的な原因が横たわっているような印象を受けたので確認したところ、「某病院で卵巣嚢腫と診断されていて不妊症治療も受けている」という旨の回答を得ました。
てな訳で主訴である「腰痛・肩こり」については一旦横に置いておいて、次回の「月経時・排卵時」の時に月経痛や中間痛が改善するか否か、に主眼を置いて整体治療をする事になりました。
「主訴の変更」、こんな事も結構あるんですよ。でもひょっとしたら不妊も解決するかもしれないし、Mさんにしては「願ったり叶ったり」的な様子でした。
月経は月に一回ですから(Mさんは28日周期でした)、その都度治療の成果を確認しながら進めていくので、スローペースで進みました(月に1.5回のペースで結局5ヶ月かかりました)。
最初の3ヶ月は全く効果が出なかったので正直焦りましたね。むしろ悪化していた月もあるくらいで。他に改善しない病因は無いのか・・・私の施術が下手くそなのか・・・所詮整体で不妊治療は無理なのか・・・と、自問自答を繰り返しながら私なりに悩んでいました。Mさんはもっと不安だったのでしょう。
そんなかんなで4ヶ月目に入りました。都合8回目の予約日です。Mさんの顔を見るのが怖かったですね。今日も改善していなかったらどうしょう、このままではMさんからの信頼を失ってしまう、治療は失敗なのか、結局Mさんに失望いや絶望を与えるだけなのか・・・と、マイナーな事ばかり頭をよぎりました(治療家ってこんなもんですよ)。しかしそんな予想に反してMさんは私を見るなりこう言ってくれました。「先生、中間痛が激減していました ! 」。
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