ある塾で新規開校を担当していた頃、野田市に出した教室でのことです。
11月開校というありえない時期の開校になってしまったため、どのくらい生徒が集まるか不安でしたが、それでも中3だけでも10人ほど入ってくれました。
もちろん他の塾に通っていた生徒たちですが、そこでは全然伸びないので最後の賭けとしてやって来た訳です。
その中の一人の男子。
いつも詰め襟学生服のホックまできちんとしていて、遅刻して来た時は教室の入口で「すみません、遅れてしまいました。」と言って入って来るような生徒でした。
ところが、ある日のことです。
同級生の女子生徒から衝撃的な話。
「先生は分かっているの?」
「うん、何を?」
「あの子ものすごい不良なのよ。」
「はあ?」
こんなやりとりでした。
そう、彼は学校では札付きのワルだったのです。
それは事実。
警察にもマークされているという話も耳に入りました。
ところが、私の前ではふつうの生徒。
それどころかきちんとした生徒。
不良が頭を下げて教室に入って来ますか?
勉強は決してできる訳ではありませんでしたが、当時も今と同じ1円もかからない指示を守って努力してくれていました。
ある日、どこの高校を受けるかという話になった時、彼の口からは明確な返事が。
「兄が○○○工業高校から大学の工学部に推薦で行ったので、自分も同じように○○○工業高校から推薦で大学に行きたいと思っています。」
この時の彼のセリフは今でもそのまま覚えています。
丁寧な言葉遣いです。
本当に不良ならばこのような言葉遣いをしますか?
実際に○○○工業高校に入学したのですが、野田線の中で見かけた時のことです。
学校帰りに同じ学校の生徒と思われる男子と楽しそうに話していました。
学生服のホックは?
きちんとはめていましたよ。
不良が明確な目標を持って勉強しますか?
学校帰りならばだらけるのが当たり前なのに、不良がきちんと学生服のホックをしていますか?
では、中学生の時にどうして彼は不良のレッテルを貼られてしまったのでしょうか。
誰が不良のレッテルを貼ったのでしょうか。
時間の経過とともに少し見えて来ました。
彼は日頃から素顔の表情が、顔の作りも結構険しいのです。
他人を睨みつけているのではなく、そのように見えてしまっているだけなのでした。
それを中学校の先生が気づかずに、自分を睨みつけていると勘違いして不良のレッテルを貼ったようなのです。
それが全ての始まりでした。
学校内で何かあれば無実の彼に向かって教師が「おまえか?」とその度に言い出す有り様。
そのようにされたら誰でも反抗するではないですか。
反抗すれば、余計に教師は不良と決めつけます。
不良と決めつけられた彼には次第にそのような仲間が集まって来ます。
結果として学校で暴れ、学校外でも色々とあったようです。
ところが、通い始めた塾に私がいました。
生徒にレッテルを貼らない私がいたのです。
室長の私は全ての生徒に対して扱いが同じ。
だから、意味のない余計な反抗をする必要もなく、自然体の振る舞いができたのかも知れません。
本当の自分が、素の自分が出せたのですね。
断言しますが、彼は不良ではありません。
学校の教師によって不良に仕立て上げられた被害者です。
訳もなくそのように扱われたら良い生徒ではいられませんよ。
では、学校の教師にとって良い生徒とは何でしょうか。
それは自分にとって都合の良い生徒のことです。
生徒会長で考えてみて下さい。
昔は勉強ができるのに、否、勉強ができるからこそ教師に抵抗する象徴が生徒会長でした。
生徒たちの中に不満がくすぶっていれば、それを代表者として正々堂々と教師にぶつけられるのが生徒会長でした。
今の教師から見ればそれは良い生徒ではありません。
残念ながら、今の生徒会長は教師の代弁者に成り下がっているのです。
教師は自分が言うべきことを生徒会長に言わせています。
そもそも選ぶ時も教師からの推薦で生徒会長が選ばれているではないですか。
自分が立候補しようとすると教師からダメを出されて立候補を強制辞退させられる者もいます。
これが教育です。
私は通知表がオール5、学年1位でしたが、常に教師に食ってかかる学年で一番嫌な生徒でした。
自分がそういう生徒だったから、私は教師を睨みつける生徒が大好きです。
教師に食ってかかる生徒が大好きです。
「いい子ちゃん」は教師を睨みつけたりしません。
それは自分の中に何もないからです。
自分の中に「これだ」というものがあれば、自分というものがしっかりしていれば、教師に反抗的な態度を取れるのではありませんか。
ですから、日本の教育では自分の中に何もない腑抜けが良い生徒であり、自分の考えをしっかり持った生徒がダメな生徒となってしまうのです。
おかしいですよね。
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↓はお母さん方の反応です。
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学校の教師は、生徒の外面だけを見て理解したつもりで指導しています。真面目で先生の言いつけを守る生徒だから優遇しているだけで、成績が下がったり悩みを打ち明けても「あなたなら大丈夫」と無責任な態度で切り捨てます。そんな教師に心を許せるはずがありません。塾長のように、会った瞬間に全てを見透かしてしまうような眼力のある指導者の前では、自分を偽ることも無く、素の自分をさらけ出せるのだと思います。ありえない合格は、この先生は理解してくれるという安心感と信頼感が生み出すのだと思います。我が子達には、日本の教育の誤った部分に押しつぶされない強さと、自分の考えをしっかり持って生きてほしいと思います。
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自分の考えを持っいる者が意見を言う事が出来ます。自分を持っていなければ言いなりです。教師の中には生徒に意見を言われることはプライドを傷つけられたと感じる人もいるのでしょう。そのような教師に意見を言う[芽]を摘まれた生徒は自分で考えることを止めてしまいます。その結果指示されなければ何も出来ない人が作られるのではと思います。
勉強しなければ自分の考えを持つことは出来ないと思います。しっかりと勉強して意見を言い合える人と出会ってほしいと思います。
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日本の教育はおかしいと思います。自分の意見や考えをしっかり持ち教師にそれを伝えると面倒な生徒と評価する教師、教師に対して睨みつけたり反抗的な態度をとる生徒を面倒な生徒、不良と評価をし上から生徒を抑えつけ、生徒の本当の姿や長所を見ないようにする教師達ばかりで驚きです。誰にでも平等に同じ姿勢で教えてくださる学道舎で学ばせていただけることに感謝しております。
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その生徒さんが塾長に出会えて本当に良かったと思います。出会えてなかったらその後の人生はどうなっていたのでしょうか。考えたら恐ろしいです。1人の生徒を勝手に不良にした教師は罪深いです。塾長は生徒の本質を見抜いて指導して下さいます。この先も学校に通う限りいろいろな教師と出会うと思いますが、我が子達にもこれだという信念を持って、この先の厳しい世の中を生きて行く力を持ってほしいと思います。
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生徒の味方をしなければならない教師が生徒の本質を見抜けずに学校での居場所を無くしてしまうなどあってはならない事だと思います。大人の不用意な発言によって傷付けられた心は成長しても影を落としかねません。彼は塾長という信頼出来る大人に出会え幸せだったと思います。
教師に気に入られなければ良い成績がもらえないという今の風潮が、人に嫌われたくないとか自分の意見を言えないような大人に育ててしまっているのではないのかと心配になります。そのような大人に成り下がらないよう塾長の元で徹底的に鍛えていただき自分の意思を伝えられるような人間になって欲しいと切に願います。
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おっしゃる通り、自分の考えをしっかりと持った生徒をだめ、と捉えるのはおかしいと思います。
このエピソードに登場してきた彼は塾長というレッテルを貼らない信頼しうる大人に出会えたこととご自身の強い意志により道を拓くことが出来たのだと思います。また社会に出ても柳のようなしなやかさは必要であっても自分の考えがないと周りに流されるだけです。
子供にはレッテルを貼るような教師に惑わされず塾長の元でしっかりと落ち着き励んで成長することを願います。
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決めつけられるというのは、本当に嫌なものです。この生徒さんはどんなに辛かったかと思います。塾長に救われたのだと思います。
今の時代はイエスマンばかり重宝されます。本来、学生は大勢に逆らい、自己を高めていくのが仕事のようなものです。長いものに巻かれているようでは先が思いやられます。
でも、一昔前からそういうのはカッコ悪くなったのでしょう。
闘う時には闘う、受け入れるときには素直に受け入れる姿勢が大事と思います。
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人には個々の違いがあって当たり前です。100人に問いかければ100の様々な反応です。皆に平等に教える立場の者がその反応を自分の都合の良いものだけ選り好みしたり、自分の基準に当てはまらないから、もしくは理解できないから拒絶するおかしいことです。それなのに拒絶されまいと自分を殺してしまう方もおかしい。子供たちがそうなるのは個を見れる大人が少ないということでしょうか。ちゃんと見れない大人の責任は大きいと思います。
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勝手な思い込みや決めつけで、以前は不良、現在は不登校へと、生徒を伸ばすどころかわざわざ潰してしまうような教師の話を耳にする度に腹立たしさを覚えます。生徒に将来を真剣に考えようとする意思があったとしても、レッテルを貼り、真剣に向き合おうとしない大人に子どもが素直に心を開ける訳がありません。こちらの生徒は塾長とのご縁があった事で、本来はしっかりとした自分を貫き、良い方向へ進む事が出来たのだと嬉しく思いました。
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学校の教師からレッテルを貼られた生徒さんは本当に辛かったと思います。何を言っても信じてもらえない、何かあれば必ず疑われるようでは不登校になってもおかしくありません。
自分の意思を持つ生徒さんだからこそ教師に反発して、レッテルを貼らない数少ない大人である塾長に救いを求められたのだと思います。
そのような骨のある生徒さんを疎ましく思う教師はおかしいです。自分優先で、人を教え育てる気がないのだと思います。
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人に流されず、しっかりと自分を持つことが大切だと実感しました。
あの長男が、以前通っていた塾に行きたくなくて暴れて泣いた事があります。今は全くありません。
決して差別しない塾長に、塾に、自分の居場所を見つけつつあるのだと思います。
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書き込みを読み、中2の時の○○を思いだしましました。
些細な事でも担任に反抗するとダメのレッテルをはられ目をつけられ、しょっちゅう注意を受けていました。
先生の仰る通り、学校での良い生徒とは学校の先生の言う事を良く聞く生徒の事なのだと思います。おかしいとは思いますが、我孫子中も例外ではないと思います。
中学の時はそんな感じの○○でしたが、先生(塾長)にお世話になり様々なアドバイスを頂き、お陰さまでここまでどうにかきました。
ありがとうございます。
まだまだ一本筋が通っておらず中途半端な子どもですので、これからも先生のご指導のもと親子で学んでいきたいと思いますのでよろしくお願いします。
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我孫中は長と名のつく係は、教師の推薦で選ばれています。現在中2で生徒会長に立候補した女の子は、ダメを出されて強制辞退させられています。○○部にいる成績優秀な男の子が先生の推薦で生徒会長になっています。(この○○部の子は先生のみ評価が高いです。) 教師は自分にとって都合の良い生徒しか評価しないです。塾長のおっしゃる通りです。
服装も言葉遣いもきちんとしている生徒は、どこへ行っても評価されます。うちは矯正を続けていきます。
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教師によって不良とレッテルを貼られ、反発した生徒さんの話を読みました。
誰にも同じように接して下さる塾長に出会えたから、救われたのですね。
本当に良かったです。
親も教師を、また教育を信じてしまわないようにします。
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