『いつも描きすぎて濁っちゃうんです!』という訴えをよく聞く。
解決の方策として、なぜ濁るのかをよく考えることはもちろんだが、私は、『いつ濁るのか』 を考えれば答えが出るような気がする。
私は画塾やカルチャー教室で何百何千の皆さんの制作の一部始終を見させてもらって思うことは、
『どんな描き方の方でも全行程の80%くらいまでの進捗で濁る人はまずいない!』 ということ。
それは、何を意味するか。。。 きっと最後の行程で何をやったかを考えれば“きれいなまま”終わったのでは…。
最後の20%ですること。
それは、暗い色を入れていくことではないだろうか?
この最後の20%に入れる“暗い色”を自分のものにできたら、濁ることはないと思うのだが、いかがだろうか?
細部までしっかり描き込んでいても濁っていない絵はたくさんある。描き込むことによって水彩の常識を超えた深さが出ていたりする絵さえある。
では、なぜ濁るのか。
私は、次の三点が濁る原因なのではないかと思っている。
1.生乾きを触る
2.何度も同じところをなでまわす。
3.薄い色を何度も重ねる。
簡単に言うと、紙の上で、筆で色を混ぜ過ぎて下の色を溶かすと濁るということだ。
時間がないからと言って生乾きを触ったり、一度で決められないからと言って何度も同じところをこねまわしたり、一度に濃い色は怖いから薄い色を何度も重ねたり…
心当たりはないだろうか?
色試しの紙がいつもきれいなのは、あなたが触らないから・・・
こんな風に仕上げられたら鮮度、透明感、彩度が保たれた美しい色が表現できると思うのだが…。
では、『分かっちゃいるけど、やめられない』 描き過ぎから解放される方法はないのだろうか?
私流の、とても効果的な方法がある。
それは…
自分の描いている絵の進捗をスマホでもデジカメでもいいから写真に記録しておくこと!
そして、完成した絵も写真に撮って自分の描いたプロセスをジックリ検証してみるのだ。
スタートからしばらくは透明感があってきれいだった色が、後半のある所から急に濁ってきたりドロドロしてくるのがよくわかるはずだ。
今、横浜画塾では “カキスギ君” に “スマホ チェック” を推奨して成果が表れ始めている!
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