チリワイン、エラスリスのテイスティングセミナーに参加して | 瓢箪仙人のブログ

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ネットで調べてわかったこと、自分が飲んだワインの感想の備忘録としてのひとりごと。自分自身の備忘録となるとともに、読者の皆様の参考になるような情報提供となるよう、努めていきたいと思っています。('21.11.12. 東京都小金井市 ジュウガツザクラ)

ちょっと前の10月下旬になりますが、以前から気に入っていたチリワインのエラスリスのテイスティングセミナーが青山で開かれるのを見つけ、喜び勇んで参加してきました。

エラスリス醸造長フランシスコ・ベティッグ氏が中央、左にインポーター、ヴァン・パッションの川上大介社長 が説明をしていました。

説明では、今では世界中でシャルドネ、ピノノワールとも栽培されていて、気温や雨量は似ているが、違いとしてブルゴーニュのみ石灰土壌であることが強調されていました。

 

同じようなセミナーで別会場・別日でのものがこちらでも紹介されています。

 

当日の試飲プログラムは以下の通り、


【第一部】ブルゴーニュ、北米、NZ、チリのシャルドネ&ピノ・ノワール豪華ブラインド試飲
<シャルドネ>
1. Errázuriz, Max Reserva Chardonnay 2017
2. Kistler, Les Noisetiers Chardonnay 2017
3. Albert Grivault, Meursault Clos du Murger 2016
4. Errázuriz, Aconcagua Costa Chardonnay 2017
5. Chateau Montelena, Napa Valley Chardonnay 2016
6. Kumeu River, Hunting Hill Chardonnay 2016

 

まず、シャルドネからブラインド試飲です。1~6まで左から並んでいます。
私のブラインドでの印象メモを見ると、2は色が濃い目だが色の割には薄いというかきりっとしている印象、3のみ石灰系のミネラル感があり、5も少しある感じ、6のみ熟した葡萄にあるナッツ系の香り、その程度でどれも美味しく単独で出されたら違いはよくわからないだろうという印象でした。その中でも好みとしては3でついつい大目に飲んでしまいましたが、ふたを開ければ私の好きなアルベール・グリヴォーのムルソーでした。
 
シャルドネを試飲している間に背後のグラスにはピノ・ノワールが注がれていきました。

<ピノ・ノワール>
1. Errázuriz, Aconcagua Costa Pinot Noir 2017

2. Felton Road, Cornish Point Pinot Noir 2017

3. Domaine Gros Frère et Soeur, Vosne Romanée 2016
4. Domaine Serene, Evenstad Reserve Pinot Noir 2015
5. Errázuriz, Max Reserva Pinot Noir 2017
6. Ata Rangi, Pinot Noir 2016

私のブラインドでの印象では、1と5はフルーティだが獣臭が微かにし、2と6は熟成感とともに渋みが強く、6は少し粗さを感じる、1、2、5、6は新世界ものかなという印象、3と4がフルーティでブルゴーニュっぽい感じで、香りは4の方が強く甘みも微かにあるが、バランス的には果実味が強めの3が良いか、という印象でした。こちらも比較するから差をつくようなもので、基本的にどれも美味しいと思いました。

 

エラスリスのマックス・レゼルバのシリーズは2000円台であることを考えると、同じ土俵に上がった1万円台のソノマやオレゴンのワインは、味的にはブルゴーニュと肩を並べながら、より高価になっているとは何ということか、と思ってしまいました。


【第二部】エラスリス・プレミアムワイン「ラス・ピサラ」垂直試飲+ブルゴーニュ秀逸生産者ワインとの比較
<シャルドネ>
1. Errázuriz, Las Pizarras Chardonnay 2017
2. Errázuriz, Las Pizarras Chardonnay 2016
3. Errázuriz, Las Pizarras Chardonnay 2015
4. Errázuriz, Las Pizarras Chardonnay 2014
5. Domaine Dujac, Morey St. Denis 1er Cru Monts-Luisants 2015

 

 

<ピノ・ノワール>
1. Errázuriz, Las Pizarras Pinot Noir 2017
2. Errázuriz, Las Pizarras Pinot Noir 2016
3. Errázuriz, Las Pizarras Pinot Noir 2015
4. Errázuriz, Las Pizarras Pinot Noir 2014
5. Domaine Fourrier, Gevrey Chambertin 1er Cru Cherbaudes 2016
6. Domaine Frederic Esmonin, Mazis-Chambertin Grand Cru 2017

 

第2部は、どれも美味しくて、甲乙つけがたいという印象ですが、エラスリスのワインは最近に向かって徐々にマロラクティック発酵を抑えめにしつつあるということで、新しいものほど酸がしっかりしていることはわかりましたが、ブルゴーニュものに比べるとヴィンテージによる差がずっと少なく安定している印象がありました。

 

シャルドネに関しては、5には石灰のミネラル感があることを除いて、味・香り的には非常に近い印象を受けました。

ピノ・ノワールの方は、不思議と感じた香りが、1~4で異なり、微かなにおいの違いでしたが、1. 獣臭、2. コーヒー、3. 松茸、4. 黒糖の香りがメモられていました。私の好みとしては、フーリエのものがフルーティかつエレガントで美味しく感じ、濃度的にはエスモナンのものが濃かったのですが、渋みが強くもう少し熟成を待った方がよくなるように感じました。しかし、エラスリスのものもこれらブルゴーニュものに遜色ない印象で、よくここまで似せたものだと感心させられました。

 

いろいろ美味しいワインを楽しめたのは幸せでしたが、グラスに注がれた全部のワインを、これだけの数飲むわけにはいかないので、なくなく紙コップに捨てていったのは何とも悲しい気持ちもありました。

テイスティングに馴れている方たちは躊躇せず吐き出していたのをみて、このような職に着かなくてよかったと思った次第です。出されたものは食べきるよう心掛ける、私のような貧乏人には向きません。