アガサ・クリスティの小説の中登場する名探偵「エルキュール・ポワロ」
シリーズの一作品で、原作小説のタイトルは『Evil Under the Sun』とあり、
日本語の題名なら「白昼の悪魔」とのことです。
これが映画化されて、日本語でのタイトルを『地中海殺人事件』と
しています。
おそらくは、これは映画化された前作『オリエント急行殺人事件』が
ヒットし、作品的にも評価されたもあって、それに倣っての『○○殺人事件』
という邦題パターンを踏襲したということなのでしょう。
評価は人さまざまなのでしょうが、作品の出来栄えについては筆者的には
『オリエント急行殺人事件』の方が気に入っています。
なぜなら、本作では遺跡においての落石など、どのような方法でそれが
起きたのかなどの点において、いささかの説明不足を感じたり、はたまた、
描かれた犯行工作をうまく実行するのは、筆者的にはちょっと
苦しい感じがしてしまったからです。
それに、配役陣も『オリエント急行殺人事件』の方が、筆者は華がある
印象を持ちましたが、それに比べると、本作の方はやや地味っぽく
感じられました。
さて、こうした謎解き作品の物語は、どうしても複雑になるのが宿命
ですが、本作もその例外にはなっていない印象を持ちました。
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「地中海殺人事件」 2019年 監督:ガイ・ハミルトン
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ポワロ役)ピーター・ユスティノフ/
名探偵エルキュール・ポワロ役には、
1960年『スパルタカス』(監督:スタンリー・キューブリック/)
1964年『トプカピ』(監督:ジュールス・ダッシン/)
で二度のAW助演男優賞を獲得した名優ピーター・ユスティノフ/
1969年『ミス・ブロディの青春』(監督:ロナルド・ニーム)
1978年『カリフォルニア・スイート』(監督:ハーバート・ロス/)
前作でAW主演女優賞、後作で同助演女優賞に輝いた、
これまた名優のマギー・スミス/
この他にも女優陣では、
1969年『女王陛下の007』(監督:ピーター・ハント/)
などのダイアナ・リグ/
1969年『ジュ・テーム・モワ・ノン・ブリュ』(監督:セルジュ・ゲンスブール/)
などのジェーン・バーキン/
ゲンスブールが作詞・作曲した同名アルバムを映画化した作品との案内が
ありましたが、幸か不幸か筆者は未見です。
男優陣は、
1951年『砂漠の鬼将軍』(監督:ヘンリー・ハサウェイ/)
で、“砂漠の狐”と異名をとりながらも、ヒトラー暗殺計画に加担したとして
悲劇的な最期を遂げたドイツ軍元帥エルヴィン・ロンメルを
見事に演じきったジェームズ・メイソン/
1968年『猿の惑星』(監督:フランクリン・J・ジャフナー/)
で、猿族の考古学者コーネリアス役や、
1972年『ポセイドン・アドベンチャー』(監督:ロナルド・ニーム/)
で、船員のボーイ役を演じている個性派の俳優ロディ・マクドウォール/
監督は、
1964年『007 ゴールドフィンガー』(007=ジョーン・コネリー/)
1971年『007 ダイヤモンドは永遠に』(007=ショーン・コネリー/)
1973年『007 死ぬのは奴らだ』(007=ロジャー・ムーア/)
1974年『007 黄金銃を持つ男』(007=ロジャー・ムーア/)
などの作品で、よく知られるガイ・ハミルトン/が務めています。
アンティークな作品が多くて恐縮至極にございます。
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