タイトルの『胸に輝く星』とは、もちろん保安官の「胸に輝く星」、
つまり保安官バッジのことを言っています。
原題の「The Tin Star」も、直訳すれば「ブリキの星」ほどの
意味合いになるようです。
日本語では一律に「保安官」としている役職も、実際には数多の
呼び方や役割に分かれて一律ではないようですが、映画作品を通じての
日本では、その内でも「シェリフ」と「マーシャル」が比較的よく
見聞きされているのかもしれません。
厳密な区別は微妙で難しいところもあるようですが、日本では一般的に
「シェリフ=地元保安官」、「マーシャル=連邦保安官」ほどの
受け止めになることが多いようです。
それはさておき、物語は以下のように運びます。
西部のある町の保安官事務所に、1人の髭面の男が馬の背に男の死体を
乗せてやってきました。
その男は、若い保安官に賞金首を捕えてきたと言い、賞金を要求します。
それに対して若い保安官は、賞金は死体の男が犯人であることが確認される
までは支払われないと告げ、そのため男は賞金が届くまでその町に留まる
ことになります。
そして、男は拳銃さばきのあまり得意でない若い保安官に指南を行なったり
しながら、賞金の到着を待つのでした。
ちなみに、ここで描かれる「若い保安官」は「シェリフ」です。
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「胸に輝く星」 1957年 監督:アンソニー・マン/
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左から)アンソニー・パーキンス/ヘンリー・フォンダ/
この町で賞金を待つことになる男に、
1956年『十二人の怒れる男』(監督:シドニー・ルメット/)
で、有罪の心証を強く抱いた他の陪審員たちに対して、一人冷静にさらなる
話し合いを提案する陪審員8番を演じたヘンリー・フォンダ/
新米保安官には、
1960年『サイコ』(監督:アルフレッド・ヒッチコック/)
で、あの「ノーマン・ベイツ」を演じたアンソニー・パーキンス/
この他に、ベッツィ・パーマー/ジョン・マッキンタイア/など。
そして、悪漢役には、そうした演技では定評のあるネヴィル・ブランド/
そして、リー・ヴァン・クリーフ/
監督は、
1950年『ウィンチェスター銃’73』(出演:ジェームズ・スチュアート/ほか)
などのアンソニー・マン/
1960年『スパルタカス』(出演:カーク・ダグラス/ほか)の当初の監督で
ありながら、主演で製作総指揮のダグラスと衝突し解任された出来事は、
その後を埋めたのがあの天才スタンリー・キューブリック/だったこともあって、
割合知られたエピソードになっているようです。
アンティークな作品が多くて恐縮至極にございます。
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