こうした症状の記憶障害を「前向性健忘」というのだそうですが、
本作では、巻き込まれた事件によって負った外傷が元で
わずか10分間という短い時間内しか記憶を留めておく
ことができなくなった男性を主人公にしています。
その「巻き込まれた事件」とは・・・
ある日夫妻宅に押し入って暴漢グループが妻を強姦、
そして、犯人グループの一人を射殺した夫(主人公)も
突き飛ばされたはずみに外傷を負ってしまいました。
この外傷が原因で、前出の「「前向性健忘」を発症して
しまうのですが、それにめげることもなく夫は、復讐の
ために犯人探しを始めるのでした。
ただし、「記憶を10分以上は保てない」ために、覚えておく
べきことはメモし、出会った人物や訪れた場所はポラロイド
カメラで撮影し、その写真にはメモを書き添え、さらには
重要なことは刺青として自身の進退に彫り込むなど、
万全の策を講じます。
しかし、それでも記憶を整理できず、さらなる疑心暗鬼に
苛まれる境遇に追い込まれていくのでした。
ちなみに、原題の「メメント」(memento)とは、ラテン語で
「思い出せ」の意味合いだそうです。
もっとも、筆者なぞは本作の、自由闊達な?あるいは
時系列無視?な展開自体がイマイチよく呑み来込めず、
何度も自身に「メメント!メメント!」と言い聞かせる
羽目に陥りましたが。
あぁ情けない!
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「メメント」 2000年 監督:クリストファー・ノーラン
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キャリー=アン・モス/ガイ・ピアース
記憶障害を抱えた主人公を演じたのは、
1997年「L.A.コンフィデンシャル」(監督:カーティス・ハンソン)
での、警察学校を首席で卒業したエリート刑事役が
印象的だったガイ・ピアース/
その主人公を手助けする謎めいた女性を、
2014年「ポンペイ」(監督:ポール・W・アンダーソン)
などの、キャリー=アン・モス/
監督は、ヒース・レジャーをAW助演男優賞受賞に導いた、
2008年「ダークナイト」(主演:クリスチャン・ベール)
の破天荒な演出が印象的だったクリストファー・ノーラン/
近年では、話題作
2017年「ダンケルク」(出演:ケレス・ブラナー/ほか)
でAW監督賞にノミネートされました。
アンティークな作品が多くて恐縮至極にございます。
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