2015 年 1 月 990 号 |
かけだし情報 |
ガバレ農場 鴻巣市前砂359 ℡548-1173 |
畑情報
日の暮れる時間が少しずつ伸びてきました。先週は大寒を迎え寒さのピークが続いていますが、あと10日もすれば立春になりますから、春の気配を感じる場面が増えてきそうです。とはいえ、昨年も2月になってから大雪が降り、ハウスや鶏小屋などがつぶれてしまったように、雪が降るのはこれからです。小さな春を感じながら厳しい寒さに耐えることになるのがこれからの季節です。
大雪で倒壊した育苗ハウスを新しく立て直しました。昨年の春先は小さな簡易ハウスを2つ購入し、どうにか夏野菜の苗を育てることができましたが、2つのハウスを使っても手狭な状態でした。今年は育苗する苗の種類、数も増やす予定なので、どうしても元のような大型のハウスが必要でした。雪の被害に対する補助金を受けることができたので、元のハウスと同じ大きさのものを立て直すことができました。
新しく建てたハウスの骨組みはすでに終わっていますが、屋根のビニールを張るのはこれからです。屋根を張るときは風の影響がない日を選ぶことが必要です。少しの風なら大丈夫ですが、風速3~5mになってくると風にビニールがあおられてしまい、きれいに張ることはもちろん、屋根を張る作業自体ができません。ところが冬のこの時期は、赤城おろしの北風がほぼ毎日のように吹いてしまいます。朝のうちは風が無くても、いざ作業を始めようとすると北風が吹き始めるということが多いのです。今週中には踏み込み温床を設置し、落ち葉を踏み込む作業をする予定なので、それまでには屋根を張ってしまいたいと思っています。
育苗ハウスに続いて鶏小屋の建設もしています。すでに一つは建て直しましたが、こちらも補助金がでたので、2つ目の鶏小屋作りにかかっています。最初の鶏小屋は足場パイプを組み合わせたもので作りましたが、今回のものは倒壊してしまったものと同じ作りのパイプハウスを利用したものです。支柱を建てる作業も終わり、あとは周りの金網を取り付け、屋根のビニールを張るだけとなりました。
鶏小屋は雪で倒壊する前は全部で5棟ありました。いずれもパイプハウスを利用したものだったのですが、そのうち1つは全壊、1つは半壊、残りの3つは倒壊こそ免れましたが、部分的に屋根の支柱が雪の重さに耐えられずに曲がっている所があります。また同じような雪が降ったら確実に潰れてしまうため、中にいた鶏や鴨を移動させながら、作り直していくことにしています。まだ産卵が完全には回復していないのですが、春に向けて少しずつ卵の数も増えてきてはいます。鶏たちがストレスを感じないような環境を整えてあげることも、産卵の回復には必要です。
まだ寒風が吹きつける時期ですが、気の早い農家?は空いた畑で枯れた状態になっている雑草に除草剤を散布しているのを見かけました。草が芽を出す前に対処しようと思ったのか、余った除草剤を使い切ってしまおうと思ったのかは定かではありませんが、何かしていないと気が済まないのが農家のお年寄りなのかもしれません。しかし、何も除草剤を今使わなくても良いと思ってしまいます。
雑草とひとくくりにしていますが、それぞれが名前を持ち、育ちやすい場所など様々です。たとえば、知らない場所に行って、その土の状態がどうなのかを判断する時に、雑草を利用することもできるのです。
野菜の多くは酸性やアルカリ性の強い所では良い生育ができません。ややアルカリに近い土壌を好む野菜が多いため、酸性土壌が多い日本では、アルカリ性に近い状態にするために石灰などを撒くことが多くなります。何年も作物を育てていない畑をのぞいてみると、スギナやヨモギ、オオバコなどが生えていることがあります。これらの草は酸性土壌を好むと言われています。反対にアルカリ性の土を好むのはセイダカアワダチソウやハコベです。
自然農法では畑は耕さず、雑草も抜かずに作物を栽培します。雑草と呼ばれる植物たちもうまく管理していけば作物にとっても良い生育環境を作る存在となるからです。ちょうど良いとされる畑は、イネ科の小さな雑草と、丸い葉っぱを持つナズナや小さめの葉を持つホトケノザなどが適度に混じっている所だそうです。畑の良い指標となりえる植物を雑草と称して排除してしまうのは、本当は良くないのかもしれません。
人も雑草と同じかもしれません。それぞれが役割を担っていることにはかわらないのですから。