青春はとうに終わったと思っていた。
だけど、あの頃の仲間がふいに戻ってきた瞬間、
止まっていた時間がまた動き出した。
45歳になった俺たちの、もう一つの青春の話。
エーイチより電話。
「社長、明日タケシも来るんで、市川までご足労願いませんかね」
そんなわけで翌日、津田沼でエーイチと合流。
キオスクでビールを買ってもらい、総武線に乗り込む。
市川までのたった15分の乗車でロング缶3本は、もう厳しい年頃になっていた。悲しみ。
改札前でビールをチビチビやっていると、
見覚えがあるような、ないような、そんな男が近づいてくる。
パンクロッカーだったあの頃のシャープな顎はどこへ。
突き刺すような鋭い眼光はどこへ。
はっきり言って、変わり果てたタケシ君登場。
しかしまあ、ふっくらしてはいるが、
その下品な風貌と風体はまさにアウトロー。
いい年の取り方をしたようで、なんだか嬉しかった。
最後に会ったのは25の頃。
といっても見かけただけで話もしていない。
実質、19歳以来の再会だから、実に25年ぶり。四半世紀だ。
「おーおー、お前よー、ずいぶんとあれこれ書いてくれちゃってんじゃん!!」
俺の作ったサイトを偶然見つけたのが再会のきっかけ。
タケシめ、変わらねぇな。相変わらずのええカッコしい。
「焼肉行くべ。好きなだけ食わしてやっからよ」
奢る気満々のタケシ君、ステキ。
しかしお目当ての焼肉屋は満員御礼。
悲しいかな、チンケな居酒屋へ方向転換。悲しみ。
タケシのこれまでのいきさつを聞き流しながら呑む。
要するに現在失業中。
若い頃に射止めた奥さんは美容師。
つまり“髪結いの亭主”。いわゆる紐。うらやましいじゃないの。
日々暇を持て余し、フラフラしているらしいのだが、
笑っちゃうのがその日常。
手長エビ釣り、はぜ釣り、潮干狩り。
自給自足かよ。
潮干狩りのオススメはホンビノスという聞き慣れない貝らしい。
「アサリやハマグリに負けないくらい旨めーぞ!」
「イタリア料理にも使われててよお…云々かんぬん…」
すげー力説。
さらに雑草の研究までしているらしく、
「そこらの雑草だって捨てたもんじゃねーんだぞ。」
「お浸しにして鰹節ふって醤油かけりゃ十分旨いんだぜ…云々かんぬん…」
また力説(以下省略)。
居酒屋でいい気分になった後は、エーイチに引っ張られ、
お約束の H.S アート(市川のジャズライブハウス)へ。
またいつものエーイチ推しの冨田久美かと思いきや、
今日は笛みたいなのをピーヒャラ吹くオネエサマのライブ。
「エーイチったらどんだけ熟女好き〜」
俺は慣れっこなのでガンガン呑むだけだが、
タケシはこういう場所が初めてらしく、
そわそわそわそわ、緊張しまくり。笑っちゃうぜ。
そんなところで今回はここまで。
