なんだかわからんけど、あの頃の俺たちは妙にパワフルで、妙に無敵で、妙にバカだった。
ロカビリーでもないのにロカビリーにハマり、パンクでもないのにパンクみたいに暴れ、
千葉の夜を全力で遊び倒していた。
ピーナッツボールで踊り狂い、津田沼でへろへろになり、
最後はカプセルホテルでデカパンはいて将棋してゲラゲラ笑う。
あの頃の俺たちは、ただただ楽しくて、ただただ疲れ知らずだった。
なんだかわからんけど、
一時期、俺たち3人はロカビリーブームだった。
カッコはぜんぜんロカビリーじゃないんだけどな。
千葉のピーナッツボールがお気に入りで、何回か行った。
ピーナッツボールで呑むと高いもんだから、
まずは安居酒屋で速攻30分勝負。
生ビール、酎ハイを5杯ほど流し込んでから行くもんだから、
店に入る頃にはもう出来上がってる。
ノリノリで踊りまくるぜぃ。
でも動きはパンクちっくだぜぃー。
テキーラタイムは楽しいぜぃ。
グイグイ呑んでヘロヘロだぜぃ。
異常なテンションの3人組に、周りの客はあきれ顔。
アッキョなんかは、
演奏してた兄ちゃん姉ちゃんがステージから降りると駆け寄ってって、
「やー、タナカ君、よかったよー」
なんて握手したり、姉ちゃんの手握ったりしてなぁ。
「出演者には触れないでください」
なんてアナウンスされて店に叱られてたけど、知ったこっちゃねえ。
いつもそんな具合だった。
津田沼にも似たような店があったんだけど、店の名前は忘れた。
ある晩、いつもの3人組でそこに行ってノリノリ、へろへろ、お疲れモード。
家に帰るのが面倒になって、カプセルホテルに泊まった。
風呂入って、変なデカパンツはいてと…。
娯楽室みたいなのがあって、ビール片手に将棋打ってみたりする。
「おい、これどーやって並べるんだっけ!?」
に始まり、
「金は斜め行けるんだっけ!?」
だの、ぜんぜんわかってない。
「けどそんなんカンケーねー」
テキトウにやってりゃいいの。
デカパンからはみ出した横チン金玉に、
「金取り〜」
なんてギャハハ、ガハハ、大うけ。
イイ気分で寝床へ。
お・や・す・みい。
あの頃の俺たちは、パワフルで疲れ知らずだった。

