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回顧録ーMemoirs of the 1980sー

激動の80年代、荒れる80年代。
ヤンキーが溢れる千葉の片田舎で、少年たちは強く逞しく、されど軽薄・軽妙に生き抜いた。
パンクロックに身を委ね、小さな悪事をライフワークに、世の風潮に背を向けて異彩を放った。
これは、そんな高校時代を綴る回顧録である。

夏休み明けの朝。校門をくぐろうとした瞬間、生活指導の先生に止められた。

 

「おい、髪、脱色したな?」

「いやいや、夏の海で焼けただけです」

「髪が焼けるか!」

 

そこで俺、ふざけて言っちまったんだよ。

 

「いや、ビール頭にかけました」

 

先生の顔が一瞬、こわばった。

 

「……飲酒したのか?また停学になりたいのか?」

 

馬鹿な言い訳したもんだ。結局はオキシドールで脱色したと白状させられた。

ジンが通りかかって、ため息まじりに言った。

 

「今日中に黒く染めてこい。さもなくば坊主だからな」

 

俺は反論した。

 

「先生、坊主はもう卒業したんです」

 

ジン「つべこべ言うな、いいから黙って黒くしてこい」と言って、またため息。

茶髪デビューは即終焉を迎えたのだった

 

ご愁傷様、あーめん。

 

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