エーイチ、アッキョ、タケシ、そして俺。
4人組で過ごした5年間は、
また少しだけ青春が戻ってきたような時間だった。
4人して、高校の頃みたいにバカ話をして笑っていた。
50オヤジの青春そのものだった。
でも——
あの夜の“崩壊”を境に、
4人組の形は音もなく崩れ落ち、
エーイチはふっと姿を消した。
フェードアウトしたわけじゃない。
喧嘩したわけでもない。
ただ、あの日を境に、
少しずつ距離を置くようになっていった。
そしていつの頃からか、
エーイチから連絡が来なくなった。
うちにも寄らなくなった。
そして1年が経過しようとしていた。
どうしたものかと思い、
ある日、俺のほうから電話をした。
理由は聞いた。
でもそれは、俺とエーイチだけの話でいい。
電話を切る前に、
エーイチがぽつりと言った。
「生きてりゃ、そのうちまた会うこともあるだろう」
「その時までお互い元気に長生きしようぜ」
あいつらしい、
強がりとも優しさともつかない言葉だった。
あいつはどこかへ旅に出たんだと思う。
昔からそういう男だった。
突然現れて、突然いなくなる。
でも、必ずどこかで生きている。
そんな気がしてならない。
青春の終わりと同じで、
大きな音なんて立てない。
気づいたときには、
もうずっと前に幕が下りていた。
エーイチの旅は、
1年で終わるのか、2年なのか、
5年なのか、10年なのか——
俺にはわからない。
エーイチ自身にだって、
きっとわからないんだと思う。
あれから10年。
気づけば俺たちは60歳になった。
エーイチの旅は、
まだ続いている。
そして俺たちの青春もまた、
どこかでまだ、
静かに続いているのかもしれない。
果てどなく
完
