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回顧録ーMemoirs of the 1980sー

激動の80年代、荒れる80年代。
ヤンキーが溢れる千葉の片田舎で、少年たちは強く逞しく、されど軽薄・軽妙に生き抜いた。
パンクロックに身を委ね、小さな悪事をライフワークに、世の風潮に背を向けて異彩を放った。
これは、そんな高校時代を綴る回顧録である。

あとがき

 

10年前、50歳のときに書いたあとがきがある。
あの頃の俺は、まだ物語を終わらせるつもりなんてなかった。
エーイチも元気で、タケシもアッキョもいて、
4人組はまだどこかで続いていくと思っていた。


あのあとがきには、
「わっはっは」と笑いながら、
未来のことなんて何も考えずに書いていた俺がいる。


でも、あれから10年が経った今、


4人組は崩れ、
エーイチは旅に出て、
タケシもアッキョも、それぞれの人生を歩き始めた。


そして俺もまた、
気づけば60歳になっていた。


10年前の俺が見ていた“終わり”は、
本当の終わりじゃなかった。
あれはただの“区切り”でしかなかった。


人生は、思っていたより長くて、
思っていたより静かで、
思っていたより優しい。


エーイチの旅はまだ続いている。
どこで何をしているのかはわからないけれど、
あいつはきっと、どこかで生きている。
そう思えるだけで十分だ。

 

50歳の俺が書いたあとがきは、
あの頃の俺の“精一杯”だった。
そして60歳の今、
こうして続きを書けることが、
なんだか不思議で、ありがたい。


この10年間で、
いろんな人と出会い、
いろんな人と別れ、
いろんな時間が過ぎていった。


でも、あの頃の4人組の時間は、
今でも胸のどこかで静かに灯っている。
消えそうで消えない、
小さな火のように。


人生は果てどなく続いていく。
そして俺たちの青春もまた、
どこかでまだ、
静かに続いているのかもしれない。


10年前の俺へ。
あの時のあとがきを残してくれてありがとう。
あれがあったから、
今こうして続きを書けた。

 

そして、
この物語を読んでくれたあなたへ。
ありがとう。


2026年春
淵之神 亜希生

 

 

あとがきのあとがき

 

本編は自伝ではあるけれど、
どこか私小説のような世界観を大事にして書いてきた。
だから、書きたくても書かなかった話が山ほどある。


エーイチやアッキョとの、よりリアルな話もあれば、

奴らとはなんら関係のない馬鹿話もある。
あの頃の空気ごと封じ込めたような断片もある。


物語を終えた今だからこそ、
そうした“こぼれ話”を断続的に少しずつ書いていこうと思う。

 

新シリーズ名:外伝

 

乞うご期待。