訳あって、某不良系高校に入学することになってしまった。
しかし俺は、不良なんぞに憧れはないのであって、ならば気にすることもなかろう。
とはいえ、最初が肝心──そう思ってしまったのだよ。
「若気の過ち」或いは「若気の至り」
ここは一発、一念発起。
アイパーあててオールバックきめて、入学式に臨んだんだ。
でもな、学校に着くまでにビビっちゃったね。
あちこちで「ガンのつけ合い」「飛ばし合い」やってるんだもんな。
どいつもこいつも、悪そうなのばっか。
こんな学校で3年間やっていけるのか──
不安と期待が入り混じる、否、不安100%しかない。
それでも、やるしかない。覚悟を決めて、入学式に臨んだ。
俺の前に並んでいたのは、ムラタ君だった。
こいつなら問題なしと確信し、後頭部に「ふっ」と息を吹きかけて、
「よっ」と脅してやったのさ。
ムラタ君、ビビってたね。あはは。
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