第1回:高校デビュー | 回顧録ーMemoirs of the 1980sー

回顧録ーMemoirs of the 1980sー

激動の80年代、荒れる80年代。
ヤンキーが溢れる千葉の片田舎で、少年たちは強く逞しく、されど軽薄・軽妙に生き抜いた。
パンクロックに身を委ね、小さな悪事をライフワークに、世の風潮に背を向けて異彩を放った。
これは、そんな高校時代を綴る回顧録である。

訳あって、某不良系高校に入学することになってしまった。

しかし俺は、不良なんぞに憧れはないのであって、ならば気にすることもなかろう。

とはいえ、最初が肝心──そう思ってしまったのだよ。

 

「若気の過ち」或いは「若気の至り」

 

ここは一発、一念発起。

アイパーあててオールバックきめて、入学式に臨んだんだ。

でもな、学校に着くまでにビビっちゃったね。

あちこちで「ガンのつけ合い」「飛ばし合い」やってるんだもんな。

どいつもこいつも、悪そうなのばっか。

 

こんな学校で3年間やっていけるのか──

不安と期待が入り混じる、否、不安100%しかない。

それでも、やるしかない。覚悟を決めて、入学式に臨んだ。

 

俺の前に並んでいたのは、ムラタ君だった。

こいつなら問題なしと確信し、後頭部に「ふっ」と息を吹きかけて、

「よっ」と脅してやったのさ。

ムラタ君、ビビってたね。あはは。

 

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