オーバーコッヘンの 前期モデルと後期モデル CARL ZEISS Oberkochen 8✕30 | BLRM ブラッキー リッチモア ~ Be Lucky Rich More!! のブログ

BLRM ブラッキー リッチモア ~ Be Lucky Rich More!! のブログ

ギター、双眼鏡、オーディオ、 趣味関連の記事を書いていく予定です。
皆さんが、より幸運に恵まれ、より豊かになりますように。。。
愛念の願いを込めて、Be Lucky Rich More です(^^)
私自身が、ワクワクドキドキ出来る事だけを記事にします。
〜 SINCE 2015.4.8

 

 

 

 

デルトリンテムよりも、更に レアで 非常に人気のある、

 

幻のポロの名機 と言われていた オーバーコッヘン であるが、

 

Bタイプだけでなく、通常の 8✕30 にも、

 

前期モデル 後期モデル が存在する、という事実を、

 

最近 新たに確認したので、記事にしようと思う。

 

( 前期と後期の中間の中期モデルも存在する。)

 

 

 

これは、私も最近まで知らなかった事実である、

 

と言うよりも、これまで 気が付かなかった。

 

 

 

また、この事実を こうして公開しているのは、

 

恐らく、世界で初めて なのではないだろうか!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まずは、これまでの オーバーコッヘンに関する記事の、

 

リンクを貼っておくので、ご興味のおありな方は、どうぞご参考に。

 

 

 

ポロ双眼鏡の貴公子 オーバーコッヘン

 

CARL ZEISS OBERKOCHEN 8×30B オーバーコッヘン

 

デルトリンテムとオーバーコッヘン

 

双眼鏡 対決!! ZEISS、LEICA、VIXEN ~ 山や川の風景 編~

 

 

 

 

 

さて、通称 オーバーコッヘンは、戦後 ドイツが東と西に分かれた際、

 

アメリカが、カールツァイスイエナの設備や人員を招集して、

 

西ドイツのオーバーコッヘンに 新たに拠点を作り、

 

ツァイスイエナのデルトリンテムを超えるモノを作ろうと、

 

1954年~1978年( 1975年 ) まで製造された、

 

ポロ式双眼鏡である。

 

 

 

一説によると、この時 アメリカは、イエナ工場の設備の、

 

9割近くを、西ドイツのオーバーコッヘンに持ち出したと言われている。

 

 

 

わずかに イエナに残された、設備と人員で、

 

再び ドイツの職人魂ここにあり、と、

 

クラフトマンシップの意地を掛け、執念の復興を遂げた、

 

その証こそが、当初、デルトリンテムを始め、

 

イエナの双眼鏡に刻まれていた、「 IQ 」 マーク なのであった。

 

 

 

さて、 1954年から 製造された オーバーコッヘン8✕30は、

 

4年後の 1958年からは、接眼レンズが新設計され、

 

改良された、Bタイプも製造され、

 

更に その10年後の 1968年 ( 1971年説が有力 ) には、

 

Bタイプは 見掛視界を広くしたものに、改良されたのだが、

 

 

どうも、Bタイプが発表された、1958年辺りまでに、

 

通常の 8✕30 も、段階的に、

 

順次 改良されて行ったようなのである。

 

 

恐らくは、1955年辺りから、段階的に、

 

各所が改良されて行ったようだ。

 

 

そして、広視界タイプの 8×30B が生産される頃になると、

 

ノーマルタイプの 8×30 は、生産を終了し、

 

その歴史の幕を降ろしたのである。

 

 

 

さて、そのオーバーコッヘン8×30の、

 

前期モデル、(中期モデル)、後期モデルであるが、

 

まずは、論より証拠で、こちらをご覧頂きたい。

 

 

 

 

上段が、前期モデル、 下段が 後期モデル である。

 

 

ブリッジ部分の肉厚 幅が、後期モデルの方が、

 

前期モデルより 太く、広くなっているのが分かると思う。

 

 

恐らくは、より強度を増す為に、太くしたのだと思われる。

 

 

 

 

次に、対物レンズカバーを外した写真をご覧頂きたい。

 

 

 

 

 

前期モデルは、光軸を調整する 偏心リングも含めて、

 

全ての部品が 黒塗りされているのだが、

 

後期モデルでは 金属地のままのシルバーだ。

 

 

 

これは、対物枠だけでなく、接眼側の部分も、

 

全て、それぞれ 同様の仕様となっている。

 

 

 

 

ちなみに、対物レンズカバーの高さも、若干 違っていて、

 

後期モデルの方が、少し背が高い。

 

 

しかしながら、

 

前期モデルでも、背が高いモデルもあり、

 

中期モデルでも、背の低いタイプもあるので、

 

高くなったり、低くなったり、

 

そしてまた、高くなったり・・・したのだろうか??

 

 

この辺りの詳細は不明なので、

 

また、分かり次第、記事を訂正、追記させて頂こうと思う。

 

 

 

 

背の高い対物カバーの前期モデルと、

 

背の低い対物カバーの中期モデル。↓

 

 

 

 

また、対物レンズ枠内の、ゴム製の

 

シーリングパーツの太さも、背の低いタイプの

 

対物カバーの場合、幅が細くなっている。

 

 

 

 

 

次に、前期モデルと、後期モデル( 及び中期モデル)の、

 

かなり大きな違いの一つが、

 

ストラップを通す 仕様である。

 

 

まずは、前期モデル。

 

 

 

 

後期モデル

 

 

 

 

 

 

オーバーコッヘンは、ストラップを通す穴が、

 

下の写真のように、独特な仕組みなのであるが、

 

後期モデルは、それに加えて、通常よく目にするようなタイプの

 

ストラップ通しが、追加されている。

 

 

お好みで、どちらに ストラップを通しても良いように改良されている。

 

これも、中期モデル辺りから 仕様が変更されている。

 

 

 

 

 

 

 

 

次に、内部の プリズム押さえの方法であるが、

 

前期モデルは、以下の写真のように、

 

プリズムを押さえる 金属バーの、

 

両端を ネジ止めして、固定している。

 

 

 

 

 

 

 

一方、後期モデルは、ネジで止めるのは片方だけで、

 

もう片方は、突起部分に引っ掛けるようになっている。

 

 

この仕様となったのは、前期モデルの後半辺り、

 

恐らくは、1954年後半辺りから、

 

既に仕様が変更されたようである。

 

 

 

 

 

 

 

 

合理化と、コストダウンが為されたのだと思われるが、

 

メンテをする際には、私 個人的には、

 

両端がネジで止められている、前期モデルの方が、

 

数段 やりやすい。

 

 

 

以下の写真は、1954年製と思われる、

 

前期モデルだが、既に仕様が変更されている。

 

 

 

 

 

 

 

次に、フォーカスリングのシャフトの仕様の違いだ。

 

 

 

まずは、前期モデル。

 

フォーカスリングのシャフトの端は、ネジで止める、

 

デルトリンテムやテアティス等、

 

ツァイスイエナの製品と、同様の仕様となっている。

 

 

ネジの切り方も、デルトリンテムと非常によく似ている。

 

 

 

 

 

次に後期モデルだが、シャフトの端は、ネジではなく、

 

ワッシャー( Dリング )を噛ませて、止める仕様となっている。

 

 

また、シャフトのネジの切り方が、前期モデルよりも、

 

かなり ネジ溝のピッチが細かくなっている。

 

 

この仕様は、後期モデル辺りからのようで、

 

中期モデルは、前期モデルと同様の仕様のようだ。

 

 

 

 

 

色々と、違いを見てみたが、これらのように、

 

1954年辺りの比較的早い時期から、

 

各所が順次、仕様変更が行われて行ったようである。

 

 

1960年の後半辺りからは、ほぼ完全に、

 

後期モデルタイプに、仕様が変更されている。

 

 

 

これ以外にも、接眼部の 例のゴムブーツ周辺パーツも、

 

かなり仕様が異なっており、ゴムブーツの長さが短くなったり、

 

構造自体も大幅に改良されている。

 

 

また、対物側のプリズムの隣にあった 独特の遮光板も、

 

前期モデル後半辺りから、見られなくなっている。

 

 

 

全てが、良い方向で改良されている、と言う訳ではなく、

 

必要十分以上の、過剰な部分は、コストダウンされ、

 

より、実用的な方向に、合理化されている、

 

と言う事なのかも知れない。

 

 

 

より、実用的な 後期モデルと、

 

過剰な程に、徹底して 造りに凝った 前期モデル、

 

と言えるのかも知れない。

 

 

 

そして、前期モデルの最も大きな特徴の一つが、

 

対物レンズが、分離型の アクロマート タイプのレンズ構成、

 

となっている事だろう。

 

 

これは、中期も まだ、分離型 アクロマートが使用されていたようで、

 

後期は、分離型ではなく、貼り合わせの一体型となっている。

 

 

 

 

 

 

 

見え味そのものは、前期、中期、後期と、

 

いずれも殆ど同じなので、

 

この辺は、各自それぞれの、好みの問題かも知れない。

 

 

 

ともあれ、ドイツ合理主義の典型のような、

 

素晴らしい凝縮感で、コンパクトで 軽く、そしてよく見え、

 

極めて 造りも良く、非常に洗練された雰囲気の、

 

オーバーコッヘン 8✕30 は、

 

ポロ双眼鏡の傑作の一つである事に、間違いはないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

※ 8月6日 平和記念日に、ヴィンテージ CARL ZEISS 専門店を

 

  OPEN致しました。  是非とも お立ち寄り下さいませ。

 

 

ヴィンテージ 双眼鏡 専門サイト

CARL ZEISS、CARL ZEISS JENAHENSOLDT

https://blrm-yz.com/