月曜日、終業のチャイムとほぼ同時に「お先に失礼いたします!」と仕事場を離れる。月曜日はハルの習い事かあるので大急ぎで迎えに行かなきゃならないのだ。
職員駐車場までバタバタと走り、ロクに暖気もしないで車をスタートさせる。
と、ここのところ日が長くなったおかげで、まだいくらか明るい空からふわり、ふわり、何やら白いものが舞い降りてくる。
…羽だ。鳥の羽。風がほとんど無いから、ほとんど垂直にゆっくり落ちてくる。あれ、と思って見たら次から次から、何枚も同じような白い羽が続いてくる。その内、二枚が羽軸で繋がったのが、くるくる回りながら落ちてきた。カエデの実が木から落ちてくるときのようである。どれもどうやら胸や肩、お腹周りの羽のように見える。
その内、翼部のもの、風切羽まですーっと落ちてきた。
こりゃどうも、ハトが誰かにやられたな…多分狩人はチョウゲンボウ君だ。どこで毟ってるんだろう?と仕事場の建物を見上げたけれど影は無い。どこから落ちてくるかも分からないし、車に乗ってるんだし、早く帰らなきゃだし、せっかくのシーンだけど探すのは諦めよう、と車を前に出したらフロントガラスの前をまた、白い羽がふわり。
ついそのまま車を止めて上空を凝視する。
一旦は途切れていた羽の葬列が再び始まった。この羽は間違いなくドバトである。羽が落ちてくる始まりの場所を探して視線を空にさまよわせてみたけれど、後続の車にふと気付いて慌ててまたアクセルを踏んだ(危ないのう)。
結局、やられたドバトもチョウゲンボウも見つけることはかなわず、あきらめたけど、チョウ君、今夜は随分なご馳走にありつくことができたわけだ。
翌朝、朝礼に遅れそうで大慌てで職員玄関まで走りながら、ふと上を見たら大き目の鳥のシルエット。トビの飛び方はやっぱりのんびりに見えるなあなんて思っていたら、北からすーっと流れてきたのはチョウゲンボウである。ホバリングのときのようにせわしなくはないけれど、はたはたはた、とときおり羽ばたきながら上空に弧を描きながら上昇していく。あいつ、昨日のハトを食べたヤツかもしれないなあなんて眺めていたら、さらに北から飛んできたのはハシボソガラスである。トビとチョウ君がゆっくり円く飛んでいるのに、カラスはまっすぐ、何やら目的を持った飛び方でやってきた。
やつメ、トビかチョウ君にケンカ吹っかけに来てやんの。どっちに行くかなーと見ていたら、迷うことなくチョウ君に向かっていく。ナンだってカラスはあんな意地悪なことするんだか、朝の晴れた空でゆったり飛んでいる二羽の鳥、という気持ちの良い情景をぶち壊しである。飛び掛られてチョウ君は何だか迷惑そうに避ける。でも逃げ出すほどの攻撃ではないようで、「やーめてよ~」という感じでうるさそうにはするものの避けながらそのまま弧を描き続けている。昨日食べ過ぎて動けないワケではないだろうから、カラスも遊び半分なのかもしれない…
なーんて、ひたすら上を見ていてハタと気付いた。玄関までダッシュしてロッカーにコートを押し込んでバタバタとフロアに向かったものの時既に遅し。朝礼は終わってしまっており、スミマセンと朝っぱらから頭を下げながら、あのカラスが悪いねん、とヒトのせいにしているのだった。
日が当たって少し暖かくなってから外に出てみた。アスファルトの上に羽がたくさん

tori-naoのブログ-ハトの羽


落ちている。乱暴に毟られて、何枚も束になったままのものもある。本体はどこにあるのだろうと建物の屋上やベランダも探してみたけれど、結局見つけられなかった。チョウゲンボウにとってこのあたりは、食料を確保するという点においては棲み易い環境なんだろうけど、コンクリートやアスファルトの上に散乱した骨や羽は土に帰ることができない。チョウ君のご馳走になったことについては可哀相とは思わないけれど、干からびて朽ちていくそれらを思うと哀れという気がする。チョウ君のテーブルが、隣の諏訪社の境内であってほしいなあと願うのだった…。