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やすだけんちくじむしょのブログ

安田事務所の仕事をご紹介します!

先日、木橋研究の一環で山梨の猿橋を視察しました。



現在日本では昔架けられた木橋が、合理化の波に押されて鉄やコンクリートにどんどん置き換えられてしまっています。
大事な文化を後世に残す為、木に携わる技術者として何か出来ないか、試行錯誤しています。
この猿橋は日本三大奇橋の一つとされ、他にはあまり類の見ない、特殊な構造の橋です。






木は風雨にさらされると風化が進むため、雨がかりの所に銅板で屋根がかけられています。



幸か不幸か当日雨が降っていたので、足元は悪かったですが、橋が雨を受け流す様が見れたのと、木材が雨に濡れてヒノキの良いニオイが周辺に漂っていました。



ただ残念なのはすぐ上流にかかるこの鉄橋。効率化は分かりますが、既存の風景が台無し。
もう少し見えない所に架けてくれたら良かったのにと思いました。
11月8,9の二日間の日程で、天竜杉の立木伐採体験をやって来ました。
timberizeの研修も兼ねたイベント企画です。





今回は総勢20人程の旅程。
現地の材木業者さんのサポートを受けて、
いくつかのチームに分かれて、樹齢90年の天竜杉の伐採を体験。





90年前という事は、歴史では大正時代。
大正時代に誰かが誰かの為に植えた杉です。
我々作り手は、この90年前生きた木を切ってまた違う第二の命を与える。
90年生きた木を、最低でも90年。ならば倍の180年持たす使い方を考えなければいけません。





伐採後に見学しに行ったのが、近くに位置する大光寺にある春埜杉。
樹齢は推定1300年。法隆寺と大体同じ年齢です。もちろんこれは伐採出来ません笑
触ると、なんだかエネルギーがもらえる感じがしました。

現地で材木を供給してくれる方達の話を色々聞いて、改めて、木を扱うには川上から川下まで様々な人達の緻密なネットワークが必要だと感じました。
大変有意義な体験でした。
9月に青山のスパイラルで開催されていたTT2020が、場所を新木場に移して 会期延長開催されています。
会期終了ギリギリでしたが、なんとか足を運ぶ事が出来ました。





湾岸エリアが一望に見渡せる場所で、改めて2020年のオリンピックに向けた、木造建築の可能性が示されていました。





新木場は木材の卸売会社が軒を並べる所でもあります。
会場に来られる方は、建築関係の方が多い様ですが、少しでも多くの方に木の素材が認知され、活躍の場が広まればと思います。




最後に一番いいショット。