2021年春ドラマ雑感と総括 | 徒然逍遥 ~電子版~

徒然逍遥 ~電子版~

「行政書士ができる往年の映画ファン」のブログ
映画・洋酒・カクテル・温泉・書籍 etc
Myニュースレター【CINEMANIA通信】と重複記事あり

こんにちは。行政書士もできる往年の映画ファンgonzalezです。
訪問ありがとうございます。

 

やはり強かった。2021年春ドラマ群の中で圧巻の視聴率20%台をたたき出して有終の美を飾った『ドラゴン桜』


かく言う自分も歳をとって一層涙腺のゆるみが懸念される今日この頃で、『ドラゴン桜』には随分と涙を誘われて困惑させられた一人だ。

振り返って2005年『ドラゴン桜』は、原作や原作者を知らない層にはひどく斬新に映ったことだろう。原作者は、TVドラマ化された『インベスターZ』も手掛けている三田紀房氏。
『ドラゴン桜』も『インベスターZ』も世の中の経済の仕組みを十代の若者にも理解できるように解説してくれたところが好い。大人だって助けられたに違いない。

 *『ドラゴン桜』(2005)*

 *『インベスターZ』早見あかりと清水尋也*

 

今回の『ドラゴン桜』は、前回の青春ドラマ的味付けと打って変わって大人の事情を絡めた陰謀術数渦巻く世界をも展開。日曜ドラマらしくスケール感がアップした。
その一方で、若者たちへのフォーカスが不足しがちだったことも事実だろう。


そんな中、前回同様フレッシュな顔ぶれの若手俳優たちの奮闘は心強く感じられた。
特に細田佳央太鈴鹿央士の二人には強烈な印象を植え付けられたものだ。


発達障害の高校生を演じる細田と彼を蔑むこと甚だしい高慢ちきだがチキン野郎の鈴鹿。
元欅坂46の平手友梨奈やKing & Princeの髙橋海人も霞む芝居を見せつけた細田。

そのキャラクターは『レインマン』(88)のダスティン・ホフマンを連想するところか。

特殊な演技にはさぞや疲労したことであろう。難役お疲れ様と、その労をねぎらってやりたい。


他方、鈴鹿に至っては、細田を徹底して忌み嫌うヒール役として十全の働きを成し、視聴者の憎悪を一身に集めた感がある。その彼が徐々に東大専科の仲間として頭角を現し、細田を“友達”と明言するに至るプロセスも見応えあった。


自分はもちろん阿部寛目当てであったのだが。相変わらずの滑舌の悪さはさておき、これもまたはまり役の一つとして記憶されることになるだろう。

 *長谷川京子と共に(2005年)*

 *握り飯の米粒を共に*

TVドラマ『ドラゴン桜』第5話を観て涙目になった

TVドラマ『ドラゴン桜』第8話の平手友梨奈を観た

 

 

さて、4月中に4本の出演作が放送されていた田辺桃子だが、その中の1本が『リコカツ』である。


個人的にはさほど面白く感じられなかったものの、世間的には一定程度の支持を集めたようで、こっちは自衛隊航空救難団ヘリコプター副パイロット役に扮した田辺が視聴者の憎しみをがっちり受け止めた。


その忌み嫌われぶりは筆舌し難く、鈴鹿などまだ可愛く感じられるほどだ。なんとも天晴な女優である。


主役の北川景子は相変わらず美々しく、永山瑛太は今までにないキャラを演じており好感した。

 

 

田辺ついでにもうひとつ『ガールガンレディ』


SFチックで突飛な設定ゆえ、整合性がとれない世界観が展開されるが、ここは目をつぶるしかないだろう。
端折って言うと、プラモデルが実体化したパラレルワールドの中で、選ばれたjkらがガンファイトで殺戮しあう物語だ。

右矢印
 
*実際は、殺られると現実世界から消滅する!*

誰がどんな基準で、どうやって選ばれるのか、そこは不明。終盤には、誰がその世界を構築したかが判明するが、どのようにして作り上げ、いかにして現実世界との折り合いをつけていくのかはもちろん不明。
(顔も名前も初めて目にする)若手女優が20名近く大挙出演。意外とエグイ殺し合いはショッキングでもある。


『ゆるキャン△2』で田辺と共演している大原優乃が主役の一角を担う。田辺はほぼ雑魚キャラレベルで不満である。

 *なでしこのデンジャラス・ボディなり*

 *なでしこと大垣部長の接近遭遇w*

ちなみに、主役は白石聖。そして石井杏奈と大原の3名。ボスキャラ的怪人物に濱田岳がぴたりとはまった。

 *謎めいたプラモデル屋の主人*
 

『ゆるキャン△2』と田辺桃子についてはこちらから。

ドラマ実写版『ゆるキャン△スペシャル』を観た
実写版『ゆるキャン△2』第4話の大垣千明(演:田辺桃子)だけを観た
『ゆるキャン△2』第5話の田辺桃子、志田彩良、箭内夢菜を観た
『ゆるキャン△2』の田辺桃子と箭内夢菜をメインに据えて観た


 

 

法廷モノ『イチケイのカラス』は結構面白かったんじゃないだろうか。


規格外の刑事裁判官に扮する竹野内豊と、お堅い裁判官を演じる黒木華の起用が上手くかみ合った。


小日向文世中村梅雀らが重石となり、脇を固める升毅山崎育三郎らも堅実なキャスティングだ。


流石フジTVの月9だけあって手抜きはない。法廷モノ独特の内幕なども垣間見えて興味は尽きない。が、自分は全話視聴することはなかった。これでも結構忙しい身の上で、他にもチェックしたいドラマもあるのでパスすることが多かったのは残念。

 


期待はずれでほぼ観なかったのは『ネメシス』だ。

嵐の櫻井翔広瀬すずをキャスティングしたうえ、橋本環奈まで引っ張り出すという俄かには信じがたい豪華版TVドラマだった。


だがしかし、第1話で早くも離脱気味。環奈嬢の出演と聞いてもすぐには観る気も起きない。やっとこさ重い腰を上げたところ、折良く環奈嬢がすずちゃんをマトにかける敵役であることが露見した回だった。


何と、環奈嬢がすずちゃんを足蹴にするのである。


キックの鬼ベティ・デイヴィス(嘘)ほどではないにしろ、インパクト大であることは確か。実にラッキーだった。

キックの鬼ベティ・デイヴィスの『何がジェーンに起ったか?』

収穫は前述通り、環奈嬢のヒール役を観られたことだ。彼女の特技は、変顔だけではなかったのだ。

とは言え、個人的には食指が動かぬドラマであることは間違いなかった。

 


芝居巧者の若手を揃えた『コントが始まる』も地味ながらクォリティの高いドラマだった。


菅田将暉神木隆之介仲野太賀のトリオがお笑い芸人役。当然劇中でコントを演じる。これだけでも観る価値があるというものだ。


この3人に有村架純古川琴音の姉妹役で絡んでくる。

脇役にも芳根京子中村倫也毎熊克哉らを起用。誰もがマジで巧いのだが、メインキャストの有村はそれこそ見事だった。


これもまた全話観られなかったがいつも気に掛かっていたドラマである。


気に掛かると言えば『桜の塔』『大豆田とわ子と三人の元夫』もそうなのだが、遂に観ることなく終了してしまった。無念。


 

総括すると『ドラゴン桜』田辺桃子祭りで盛り上がった春ドラマだった。ま、これは飽くまでも個人的感想だが。

 *懐かしの2005年*

                   下矢印
 *全員集合だっ*

 *本物のガッキー登場!*

 *山P声だけw*

 

それでも『リカ~リバース~』『ゆるキャン△2』『リコカツ』『ガールガンレディ』と振り幅の大きい役を演じ分け、真性サイコパスからきびきびした自衛隊員にまで新境地を開拓した田辺には敢闘賞を授与したい気分だ。

『ゆるキャン△2』『リカ~リバース~』『ガールガンレディ』『リコカツ』で田辺桃子を観た

 *『リカ~リバース~』*
 *『ゆるキャン△2』*

 *『リコカツ』*

 *『ガールガンレディ』*

しかも『リコカツ』では“筑前煮女”なるワードで沸かせたり、キャラが憎けりゃ女優まで憎い、とも言うべき嫌われ役でドラマの盛り上がりに寄与した功績も大であろう。

 *“筑前煮”の差し入れです*

彼女が今後飛躍的に活躍できるか否か分からないが、個性的でマルチな脇役として息の長い女優活動が見込めることは確かと言えよう。

 

では、2021年春ドラマ雑感と総括はここまでといたしましょう。

本日も最後までお読み下さりありがとうございました。