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再度日本円が大きく動いた一週間でした。
16日にトランプ前米大統領が、「米国がドル高により大きな問題を抱えている。対ドルでの円安や人民元安がはなはだしい」とドル高を強くけん制
17日に河野デジタル相が「日銀に利上げを要求した」と発言。
これで大きく円買いに傾いたため、トレードとしては予定通りEURJPYの売りで対応。これが上手く伸びてくれました。
ただ、その後鈴木財務大臣が河野デジタル大臣に対して「発言は慎重であってほしい」とコメントし、日本円が売り戻される展開となっています。
介入の無い河野発言だけで円売りのプレッシャーを止める事ができるであれば、日本としては大歓迎のはず。
鈴木財務大臣は口を挟まず放っておけばよいのに、と思ったのは私だけでしょうか?
日本円買いプレッシャーは鈴木発言で少しペースダウンてしまいましたが、中期的な流れは引き続き日本円買いと想定。
今後の注目は以下。
① PCEデフレータはFRBを満足させるとの見方
先週のインフレ指標を受けて市場はFRBの利下げ期待を高めており、短期金融市場では9月利下げを完全に織り込んでいる。目先は今月末に予定されている6月のPCEデフレータが注目される。同指標はFRBが好んで参照している。
エコノミストは先週のインフレデータから、PCEコアデフレータは前月比で0.2%弱となる可能性が高いという。これは事実上FRBの目標である2%に一致する。生産者物価指数(PPI)は上振れサプライズだったが、これは主にサービスインフレによるもので、PCEデフレータの計算に使われる詳細は正味軟調だったという。
一方、前年のベース効果により前年比は2.6%に留まると予想している。
(出所:みんかぶ)
26日のPCEデフレータが予想を下回れば、米ドルはさらに売りが膨らむでしょう。結果が出た後の米ドルの流れについていきたいところ。
② 河野デジタル相の円安けん制発言「慎重に」 鈴木財務相
鈴木俊一財務相は19日の閣議後の記者会見で、円安けん制ともとれる河野太郎デジタル相の発言が一部で報じられたことを受け「市場に与える不測の影響を考え、発言は慎重であってほしい」と述べた。
米ブルームバーグ通信が17日、同氏が「円は安すぎる。価値を戻す必要がある」と発言し、日銀に政策金利の引き上げを求めたと報じた。同日の外国為替市場では対ドルの円相場が上昇し、国内債券市場で長期金利も上がった。
為替相場の水準や動き、対応を巡って鈴木氏は「不用意な発言が市場に影響を与えてはいけないということで、いつも控えている」と説明。河野氏については「そういう認識をお持ちでない中での発言だった」と指摘した。
河野氏に対しては「中身は申し上げないが、話をした」とも語った。利上げなど金融政策について「日銀の独立性はしっかりと尊重しなければいけない」と強調した。
(出所:日経新聞)
ここでいつも通り、得意のノーコメントを貫けば円高が加速したでしょうが、この鈴木氏コメントで再度日本円の売り戻しが出ています。円安を止めたい日銀の意図を考えれば、河野さんよりも鈴木さんのコメントの方が「発言は慎重に」という言葉が合うでしょうね。
ただ、中期的な流れは引き続き日本円買いと想定。
各通貨の注目ポイントは以下。
米ドル(USD):中立から売り
ドル円はトランプ前米大統領のドル高けん制発言や日銀の早期利上げ観測から神経質な展開となりました。トランプ氏の発言が市場を揺さぶり、ドルの上値は重くなりやすい状況です。特に、トランプ氏が「米国がドル高による大きな問題を抱えている」と発言したことでドル安・円高が進みました。また、トランプ氏は利下げについて「11月の大統領選挙前にやってはならない」とし、パウエルFRB議長の任期を全うさせる考えを示しました。
次期大統領の最有力候補であるトランプ氏の発言で、積極的にドルを買いづらくなった一方で、年内の利下げは早くても12月と示唆しており、ドル相場の見通しが非常に不透明になっています。16日のトランプ氏のドル高けん制発言後にドル円は急落し、一時155.38円まで下落しましたが、その後157円台半ばまで持ち直しました。
日本円(JPY):中立から買い
円相場はトランプ氏の発言や河野デジタル相の日銀に対する利上げ要求発言から不安定な展開が続いています。河野氏は「日銀に利上げを要求した」と発言し、30-31日の日銀金融政策決定会合での利上げ観測が浮上しています。河野氏は次期首相候補とされており、早期利上げに対する思惑が高まりましたが、国内では冷静な声も多く、現時点で一段の引き締めを織り込むには時期尚早との見方もあります。
ユーロ(EUR):中立
ユーロドルはドルの動向に左右される展開が予想されます。欧州中央銀行(ECB)は18日の理事会で政策金利を据え置き、ラガルドECB総裁は「9月にどうするかはまだ決まっていない」と述べました。これによりユーロは取引材料に乏しく、ドルの動きに振らされる展開が続きそうです。
豪ドル(AUD):中立から買い
豪ドルは対円を中心に荒い値動きが続いています。トランプ前米大統領や河野デジタル相の発言から円買いが強まり、豪ドルも対円で大幅に調整されました。豪ドルは米金利の動向や株価の動きに敏感に反応しやすいですが、豪州のインフレが続く限り、RBAが再利上げに動く可能性もあります。18日に発表される6月雇用統計が良好なら、豪ドルはさらに上昇する可能性があります。
ニュージーランドドル(NZD):売り
NZドルは軟調な動きが予想されます。NZ準備銀行(RBNZ)は政策金利を据え置きましたが、インフレ率が年末までに目標範囲内に戻るとの予想に基づき、利下げ観測が高まっています。市場では年内の利下げを予想する声もあり、NZドルの上値は重いと見られます。
南アフリカランド(ZAR):中立から買い
南アフリカランドは堅調な動きが予想されます。親ビジネスの民主同盟(DA)の参加で国民統一政府(GNU)が成立し、経済政策の改善が期待されています。南アフリカ準備銀行(SARB)は18日に政策金利を据え置きましたが、インフレ期待は依然として高く、早期の利下げ期待が高まっています。来週の6月CPIやPPIの発表が注目されます。
英ポンド(GBP):中立
ポンドはリスクセンチメントの強弱に振らされる展開が予想されます。英国の総選挙で労働党が政権を奪取し、スターマー首相が就任する見込みです。17日に発表された6月消費者物価指数(CPI)は前年比2.0%と横ばいでしたが、サービス業CPIが高止まりしています。18日発表の英雇用統計の結果次第で、ポンドの動きが左右されるでしょう。
カナダドル(CAD):中立
カナダドルは24日のカナダ中銀(BOC)金融政策決定会合の結果に注目が集まります。16日に発表された6月CPIは前年比2.7%上昇と予想を下回り、追加利下げ観測が再浮上しています。短期金融市場では金利引き下げの見方が優勢で、BOCの声明でインフレ減速をどの程度見込んでいるかが注目されます。
その他、詳しいところは長くなるので、動画の中で↓
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