今日読んだ本は
直観力/羽生善治 著
本をたくさん読むようになって、3ヶ月くらいたったとき、ヒラメキがたくさん出てくるようになりました。
今までは、そんなことも無いし、たった一つの資料を作るだけでも、徹夜するような社員だったので、ヒラメキが出てそれが仕事に活かせるようになった考えられる原因は、読書しかありませんでした。
そうした経験から直感は、偶然の思いつきではなく、たくさんの経験や知識の蓄積がベースになって与えられるものだと考えるようになりました。
自分なりの直感の磨き方はあるつもりですが、他の方はどうやって直感をみがいているんだろう?
と思い、将棋の羽生さんの本を読むことにしました。
■先天的ではないのが直感
引用(17ページ)棋士は、若いときには計算する力、記憶力、反射神経のよさを前面に出して対局をするが、年齢を重ねるにつれ少しずつ直感、大局観にシフトしていくのが普通の流れだ。直感や大局観は、一秒にも満たないような短い時間であっても自分の経験則と照らし合わせて使うものなので、ある程度の実地試験を積んでからでないと使えないと思っている。つまり、成功したり失敗したりした経験を消化して栄養となったものが大切な財産なのだ。
人間の脳は、若いときには記憶力が優れているんだけど、年齢を重ねるごとに、記憶力が落ちるかわりに、今までの経験や知識が記憶力を補い、若いときよりもパフォーマンスがいい仕事ができるといいます。
実際、そのような人が多いですよね。
将棋の世界でも、経験は財産ですし、いろんな経験を積まなければ直感は出てきません。
引用(23ページ)直感は何もないところから湧き出てくるわけではない。考えて考えて、あれこれ模索した経験を前提として蓄積させておかねばならない。また、経験から直感を導き出す訓練を、日常生活の中でも行う必要がある。もがき、努力したすべての経験をいわば土壌として、そこからある瞬間、生み出されるものが直感なのだ。
直感は根拠の無い思いつきではなく、日頃からの努力によって生み出すことが可能な、人間の「能力」のひとつなんですね。
引用(33ページ)直感は、ほんの一瞬、一秒にも満たないような短い時間の中での取捨選択だとしても、なぜそれを選んでいるのか、きちんと説明することができるものだ。適当、やみくもに選んだものではなく、やはり自分自身が今まで築いてきたものの中から生まれてくるものだ。
だれでも経験のあることだと思いますが、直感は本当に不思議です。
時間にしたらほんの一瞬なのに、その直感に含まれている情報量はとんでもない量です。
日頃から、努力を重ねている人は、直感は自分が努力した上に降りてくるものなので、大切にしたほうがよいと思います。
引用(38ページ)余白がなければ、直感は生まれない。リラックスした状態で集中してこそ、直感は生まれる。
私の場合、イスに座ってパソコンで作業をしている最中には、直感は降りてきません。
一旦、手を休め、トイレに行くといいアイデアが浮かびます。なので、煮詰まってしまったらトイレに行くようにしています。
羽生さんがおっしゃるように、リラックスしたときに直感は降りてくるものなんです。
引用(104ページ)不安な時間に対して耐性をもつこと。情報を積み重ねただけで成果が見えるような、性急な進化を目指してはいけない。
これも深いなと思います。
読書でも同じことがあります。ビジネス書は実用書ですから、読み終わったらすぐに仕事に使うことに意味があると私は思うのですが、何冊も読み重ねていくと、最初の頃よりも進化したアイデアが練れるようになってきます。
成果がでなくて不安になるときもあるかもしれないけど、一生続けると思うくらいのつもりで知識・経験を積み重ねることが大切だと感じましたがどうでしょう?
引用(117ページ)棋譜を理解していても、実際にできるかどうかは別問題である。多くの情報という食材を得ても、料理をしなければ、意味が無い。インプットとお同様にアウトプットを意識的に増やすことが必要だろうと思う。
羽生さんも同じなんですね。
読書は読みっぱなしが一番もったいない。読みながらメモを取り、読んだ内容をまとめ、ブログやフェイスブックに本の内容をアップする。これがアウトプットになりますし、本を読んだままだと知識記憶という種類の記憶のままなので、実際には使えないんですが、アウトプットをすることで、経験記憶に変換され、実際に使える記憶になるんです。
引用(165ページ)いつも、「自分の得意な形に逃げない」ことを心がけている。戦型や定跡の重んじられる将棋という勝負の世界。自分の得意な形にもっていけば当然ラクであるし、私にもラクをしたいという気持ちはある。しかし、それを続けてばかりいると飽きがきて、息苦しくなってしまう。アイデアも限られ、世界が狭くなってしまうのだ。
この引用も大いに参考にしたいです。
一度の成功体験にずっと固執して、視野が狭くなる人がいます。当然、仕事をしていたら自分の得意な形というのができてくるかもしれません。しかしそこに逃げてラクをするということは、直感も鈍り、自分の成長も止まるということなんですね。






