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30分で1冊。ビジネス書評ブログ

現在、本を読まないと言われる時代に、読書の価値を見直し、日本中にビジネス書の読書習慣を広めること。そしてポジティブで楽しめるビジネス書読書を1人でも多くの社会人(社会人準備者)に広めたい。という目的を持って、読書会を開催しています。

今日読んだ本は
直観力/羽生善治 著

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本をたくさん読むようになって、3ヶ月くらいたったとき、ヒラメキがたくさん出てくるようになりました。
今までは、そんなことも無いし、たった一つの資料を作るだけでも、徹夜するような社員だったので、ヒラメキが出てそれが仕事に活かせるようになった考えられる原因は、読書しかありませんでした。

そうした経験から直感は、偶然の思いつきではなく、たくさんの経験や知識の蓄積がベースになって与えられるものだと考えるようになりました。

自分なりの直感の磨き方はあるつもりですが、他の方はどうやって直感をみがいているんだろう?
と思い、将棋の羽生さんの本を読むことにしました。

■先天的ではないのが直感

引用(17ページ)
棋士は、若いときには計算する力、記憶力、反射神経のよさを前面に出して対局をするが、年齢を重ねるにつれ少しずつ直感、大局観にシフトしていくのが普通の流れだ。直感や大局観は、一秒にも満たないような短い時間であっても自分の経験則と照らし合わせて使うものなので、ある程度の実地試験を積んでからでないと使えないと思っている。つまり、成功したり失敗したりした経験を消化して栄養となったものが大切な財産なのだ。
人間の脳は、若いときには記憶力が優れているんだけど、年齢を重ねるごとに、記憶力が落ちるかわりに、今までの経験や知識が記憶力を補い、若いときよりもパフォーマンスがいい仕事ができるといいます。
実際、そのような人が多いですよね。

将棋の世界でも、経験は財産ですし、いろんな経験を積まなければ直感は出てきません。
引用(23ページ)
直感は何もないところから湧き出てくるわけではない。考えて考えて、あれこれ模索した経験を前提として蓄積させておかねばならない。また、経験から直感を導き出す訓練を、日常生活の中でも行う必要がある。
もがき、努力したすべての経験をいわば土壌として、そこからある瞬間、生み出されるものが直感なのだ。
直感は根拠の無い思いつきではなく、日頃からの努力によって生み出すことが可能な、人間の「能力」のひとつなんですね。
引用(33ページ)
直感は、ほんの一瞬、一秒にも満たないような短い時間の中での取捨選択だとしても、なぜそれを選んでいるのか、きちんと説明することができるものだ。適当、やみくもに選んだものではなく、やはり自分自身が今まで築いてきたものの中から生まれてくるものだ。
だれでも経験のあることだと思いますが、直感は本当に不思議です。
時間にしたらほんの一瞬なのに、その直感に含まれている情報量はとんでもない量です。
日頃から、努力を重ねている人は、直感は自分が努力した上に降りてくるものなので、大切にしたほうがよいと思います。
引用(38ページ)
余白がなければ、直感は生まれない。
リラックスした状態で集中してこそ、直感は生まれる。
私の場合、イスに座ってパソコンで作業をしている最中には、直感は降りてきません。
一旦、手を休め、トイレに行くといいアイデアが浮かびます。なので、煮詰まってしまったらトイレに行くようにしています。
羽生さんがおっしゃるように、リラックスしたときに直感は降りてくるものなんです。
引用(104ページ)
不安な時間に対して耐性をもつこと。
情報を積み重ねただけで成果が見えるような、
性急な進化を目指してはいけない。
これも深いなと思います。
読書でも同じことがあります。ビジネス書は実用書ですから、読み終わったらすぐに仕事に使うことに意味があると私は思うのですが、何冊も読み重ねていくと、最初の頃よりも進化したアイデアが練れるようになってきます。
成果がでなくて不安になるときもあるかもしれないけど、一生続けると思うくらいのつもりで知識・経験を積み重ねることが大切だと感じましたがどうでしょう?
引用(117ページ)
棋譜を理解していても、実際にできるかどうかは別問題である。多くの情報という食材を得ても、料理をしなければ、意味が無い。インプットとお同様にアウトプットを意識的に増やすことが必要だろうと思う。
羽生さんも同じなんですね。
読書は読みっぱなしが一番もったいない。読みながらメモを取り、読んだ内容をまとめ、ブログやフェイスブックに本の内容をアップする。これがアウトプットになりますし、本を読んだままだと知識記憶という種類の記憶のままなので、実際には使えないんですが、アウトプットをすることで、経験記憶に変換され、実際に使える記憶になるんです。
引用(165ページ)
いつも、「自分の得意な形に逃げない」ことを心がけている。
戦型や定跡の重んじられる将棋という勝負の世界。自分の得意な形にもっていけば当然ラクであるし、私にもラクをしたいという気持ちはある。
しかし、それを続けてばかりいると飽きがきて、息苦しくなってしまう。アイデアも限られ、世界が狭くなってしまうのだ。
この引用も大いに参考にしたいです。
一度の成功体験にずっと固執して、視野が狭くなる人がいます。当然、仕事をしていたら自分の得意な形というのができてくるかもしれません。しかしそこに逃げてラクをするということは、直感も鈍り、自分の成長も止まるということなんですね。


今日読んだ本です。
わが子を「メシが食える大人」に育てる/高濱正伸著

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大人でさえ、「メシが食えているのか」かと悩むじゃないですか。
「メシが食える」ことについて、子どものことも気になりますが、大人にとってもこれは無視できないことじゃないの?
と思ったので、子どもと自分のために学ぼうと思い、読みました。

■メシが食える大人とは?

メシが食える大人とは、いったいどんな能力を持った大人なんだろうか?
それさえ分かれば、その能力をつけるための習慣を日々の生活の中に少しずつ入れていけばいいのではないかと考えました。

子どもへその能力をつけさせるには、親のサポートが必要になりますが、自分も一緒にその能力を付け直す、または補強するというつもりで取り組むと、家庭の収入もアップし、子どももたくましくなり、一石二鳥ではないでしょうか?
そういう考えっておかしいですかね?(汗)

メシが食っていけてる大人って
経済的に自立している
社会的に自立している
精神的に自立している
この3つの自立ができていてはじめてメシが食えているとのこと。

経済的自立は説明する必要はありませんね。
社会的自立ですが、会社や家庭、様々なコミュニティでの自分の役割を理解していること。そして、求められる人材になっていること。
精神的自立ですが、これは、自分の価値観、人生観を持っていることになります。

この経済的、社会的、精神的に自立していることが「メシが食える大人」です。
そして、これを支える基礎力が、5つあります。

■メシが食える大人になるための5つの「基礎力」とは?

何もなく「メシが食える」大人になんかなれません。

「メシが食える大人」になるため、子どもの時に鍛えるべき5つの基礎力があります。
1.ことばの力
2.自分で考える力
3.思い浮かべる力
4.試そうとする力
5.やりぬく力

この5つの力は大人になったときには以下の能力につながっていきます。

1.ことばの力
プレゼンテーション力、コミュニケーション力、営業力、折衝力、創造力、会話力、説得力、質問力
2.自分で考える力
課題解決力、独創性、論理的思考、創造力、アイデア発想力
3.思い浮かべる力
全体を俯瞰する力、理解力、社会的使命感、聴く力、気配り、自分を客観視する力、他者視点
4.試そうとする力
企画力、提案力、自主性、行動力、チャレンジ精神、仕事をつくる力
5.やりぬく力
困難突破力、課題遂行力、忍耐力、上昇意欲、リーダーシップメント

■5つの「基礎力」をどう伸ばすか

5つの基礎力の伸ばし方について触れておきます。

1.ことばの力
ことばの力は、「聞く」「読む」「話す」「書く」です。特に学力をアップさせるには、読む力と書く力が必要です。
2.自分で考える力
子どもの「なぜ?」「どうして?」の疑問は、後回しにせず、すべて答えてあげるようにする。
また、自分なりに考える力を子どもが考えることだからとバカにせず、ほめてあげるようにする。
3.思い浮かべる力
心の成長や他者を思いやる心を育てるように心がける。
4.試そうとする力
社会人のチャレンジ精神につながってくる力です。
結果よりもプロセスを楽しむようにしてあげること。「頭のいい子が育つパパの習慣」でも紹介したピグマリオン効果をもとに、期待をかけて接するようにする。
何事にも、とりあえずやってみよー!!!の精神で。
5.やりぬく力
コツコツ続ける。やり始めたら集中して続ける。
やりぬく力は、精読力や意志力に通じます。
日頃から小さくても目標を立てて達成するという習慣を持つこと。


読み終えて思ったのですが、
「メシが食える」といういゴールが決まって、そして鍛えるべき力が分かれば、それに集中して親も子どもと接していけますよね。
子育てには、いろんな良さそうな教育方法が出回っていますが、あれもこれもと手をつけていたらどれも身につかなくなるのではないでしょうか。

何のために子育てをしているか?
それは、少なくとも、人に迷惑をかけず、自立して生きていけるようにしてあげることなんじゃないでしょうか。

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今日は早朝5時からWEB読書会でした。
WEB読書会はいいですね。時間さえ合えば、場所も距離も関係なく読書会ができますので。^^

今日の記事は、その読書会で読んだ本です。
新書3冊でできる「自分の考え」のつくり方/奥野宣之 著

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▲左は、WEB読書会のメモ

この本は、同時に3冊の本を読んで自分の考えを作る方法を詳しく書いた本です。
以前読んだ、本を読む本 (講談社学術文庫)のシントピカルリーディングに続いての複数同時読みの内容を扱った内容となっています。

■ココいただきました。

同時に読んでいく本の選び方をいただきました。

3冊で自分の考えを作る流れですが
・テーマを決める
・3冊本を選ぶ
・3冊同時に読みきる
・自分の考えを練り上げる
ザッとこんな流れになります。

ビジネス読書会の講師は、4~5冊同時に本を読んで自分独自のノウハウを作ったりするのですが、そのとき一番大事なのが、テーマと本選びです。
この2つがズレていたら、そのあとの読書がムダになってしまいます。
そのため、奥野さんの本選びのルールを知りたいと思ったわけです。

奥野さんの場合、3冊の本を選ぶ前に、何か自分が追求したいテーマ(例えばダイエットとか)を決め、そのテーマのジャンルの本を3冊選ぶところからはじまります。
その3冊の本を選ぶためには、カンタンなでも重要なルールがあります。

本選びのルールはこの3つです。
1冊目:ロングセラーまたはベストセラーの本を選ぶ。
2冊目:最新の本を選ぶ
3冊目:内容が簡単な本を選ぶ

ひとつずつ説明していきます。

1冊目:ロングセラーまたはベストセラーの本を選ぶ。

ロングセラーやベストセラーは、多くの人に受け入れられた内容の本だと考えることができます。
追求したいジャンルのスタンダードな情報というわけです。

2冊目:最新の本を選ぶ

同じ内容でも、最新の本を選びます。
1冊目の本が出版されてから例えば10年経過していたとします。
1冊目の本の内容が普遍的なものであったとしても、インターネットの普及、ガラケーの衰退とスマートフォンの流行やSNSの流行など環境が大きく変わっている場合が考えられます。
そのために、最新の時代背景を踏まえた本が必要なわけです。

3冊目:内容が簡単な本を選ぶ

1冊目と2冊目とは違い、3冊目は、同じジャンルだけど、内容が簡単なものを選ぶのが望ましいです。
3冊目をカンタンなものにすることで、1冊目と2冊目の理解も進みます。

以上が、3冊の本選びのコツです。

私たちビジネス読書会の講師も4~5冊の本を同時に読みすすめる読書法をおこなうことがあります。
今回得た本選びの基準を取り入れて今後の複数同時読みに挑戦してみたいと思います。


WEB読書会【朝カツ】

今朝5時から、ビジネス読書会のWEB読書会をおこないました。
参加者は、東京在住のHさん。今週水曜日のWEB読書会【夜の部】に続き、
トータル3回目のご参加です。ありがとうございます。^-^

Hさんは、新潮新書の 人は見た目が9割 / 竹内 一郎著を
ビジネス読書会の30分読書法を使って、30分で読了。
私も、青春出版社の 新書3冊でできる「自分の考え」の作り方 / 奥野宣之著を30分読書法を使って30分で読了しました。

ビジネス読書会の読書会は、
参加前に、事前に読み込んで感想をある程度まとめたのちに読書会参加、
もしくは集まって黙々と本を読む形式ではなく、
読む目的を決め、限られた時間内で目的を見つける読書を行うという能動的な読書をおこなっています。

さらに、
参加者される方は30分読書法を習得していただきながらおこなう為、
初めての読書会参加でも読書スピードがアップします。
(速読の要素は入れていませんのでどなたにでも習得できます。)

ご興味のある方はどうぞお気軽にお問合せいただくか、
右上にある30分読書法のバナーをクリックして資料請求をおこなってください。



どんな問題を投げかけられても、「答え」を提案する。
これができなければコンサルタントは務まりません。
引用

今日読んだ本です。
コンサルタントの仕事力/小宮一慶 著

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本のタイトルはコンサルタントの「仕事力」ですが、著者の小宮さんはあらゆる業態の企業をクライアントにもっていて、本書をザザッと下見してみると、M&Aや社員研修はもちろん、派閥に関することや上司と部下のコミュニケーションやなど、企業の業務はもちろんですが、起こりうるあらゆる業務に関わっておられることが分かります。

経営コンサルタントですから、企業経営の最新の情報というものも持っていなければならないと思います。

このような様々な企業の問題の解決策や改善策を提案したり、クライアントが希望する最新の情報を提供できる力は、どんな方法で養っておられるのかを知りたい、また取り入れていきたいと思ったので読みました。

■コンサルタントの仕事とは?

まず、コンサルタントの仕事について整理したいと思いますが、たったこれだけ。

お客さまの状況を正確に理解する
お客さまの状況を分析しながら、問題点の本質を探る
経営の原理原則や経営手法に照らし合わせながら、解決策や改善策を提案する

しかし、この3つのステップの中には、この6つのスキルが含まれます。

引用
○お客さまの話をよく「聞く」。
○お客さまの話を「理解する」。
○物事をこれまでの知識や経験と「関連づけ」て、問題解決のひらめきを得る。
○お客さまに解決策や改善策を「話す」。
○解決策や改善策を「書く」。
○お客さまに提案する際、「説得する」。

つまり
「見る」「理解する」「話す」というのがコンサルタントの仕事ということなのですが、

「聞く」ためには、相手の話をノイズやバイアスをかけずに「素直」に聞けないといけないし
「理解する」ためには、論理的思考や知識も必要ですし
「話す」にも、相手が理解して納得できる話し方が必要。

コンサルタントという仕事をしていなくても、このようなスキルは日々の仕事に役立つものだと思います。
そのスキルの日々の勉強法を本書からいただきたいと思います。


■ココいただきました。

取り入れておきたいポイントは3つです。

1.自分の得意分野を深堀する
2.問題解決の「型」を覚える
3.自分の仕事の原理原則を持つ

1.自分の得意分野を深堀する

これだけは人に負けないという強みがないとコンサルタントとしても社会人としても差別化ができないので、まずは自分の得意分野をさらに勉強して深めていき、それから他の分野にも挑戦し、総合力をつけていく。

2.問題解決の「型」を覚える

これは、自分が使いやすいフレームワークという型をいくつか覚えて使えるようにしておくです。
本書で紹介されているのは、QPS、5つのP、AIDMA、AMTUL。
AIDMA以外は初めて聞いたフレームワークです。マンダラートやフィッシュボーンもフレームワークですね。
フレームワークに関する本はたくさん出版されていますので自分が使いやすいものを選んでみてもいいと思います。

3.自分の仕事の原理原則を持つ

これが今回私には響きました。
私はビジネス書の読書をずっと続けていて、基本的には仕事に関連する本を中心に読み、少しずつ他のジャンルも読んで知識や情報を頭にいれていく読み方、あとは気になる本を読んでいくという読み方をしています。
そして、自分の仕事の軸となるような座右の書を持ち、1回だけでなく、何度も何度も読み返すことを著者の小宮さんは習慣にしておられていることを知り、私も取り入れたいと思いました。

・本書で取り上げられていた書籍
ビジネスの原理原則は、松下幸之助、稲盛和夫、安岡正篤
経営の原理原則は、ピーター・ドラッガー
生き方の原理原則は、論語、聖書、仏教聖典、ソクラテス

論語は原書もいいですが、難しいので、
安岡正篤/論語の活学
渋沢栄一/論語と算盤
あたりから読んでいくのをお薦めしてくれています。

あとは、ドラッガーについても、
ドラッガーがマネジメントで一番伝えたかったこと/小宮一慶 著
も読みたいと思います。

こういった本を何度も読み返していくことで自然とビジネス・経営・生き方の原理原則が自分の中に出来上がっていくんですね。

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