僕たちは、みんなそれぞれの感覚でこの世界を捉えている。これは多いとかこれは大きいとか、ここは遠い・これは良い悪いというふうに。
その捉え方は全て、自分の中にある価値観や考えが基準になっている。自分のその基準に照らし合わせて、大きいとか遠いとかすごく良いなどと感じているんだ。
子供の頃はまだ、自分の世界がすごく狭いから、数キロ先の隣街でさえすごく遠くに感じる。好きな子が同じ市内の学校に転校しただけで、もう二度と会えなくなるような感覚になるんだ。
大人になっても、生まれも育ちも同じところで他の街で暮らしたことのない人は、同じ日本であっても他県に移るのでさえ抵抗を感じたりする。
逆に、世界を色々と飛び回っている人からみると、日本国内での移動などはちょっと近所に出かけるような感覚になる。
物理的には同じ距離であっても、自分の中にある価値観のスケールによって、感じる世界は全く違うものに変わってしまうんだ。
会社の仕事でも、目の前の業務をただ与えられた一社員としての仕事と捉えている人と、会社全体の役割の中での位置付けを意識している人では、同じ仕事でもクオリティが全く違う。
コピーをとる一つにしても、ただコピー機に入れて言われた枚数を刷るのではなく、会議用の資料と分かればソートをかけて一部一部綴じることができるだろう。
仕事に対する捉え方のスケールの違いで、同じ仕事でも全く違うものが出来上がる。
自分が基準としている様々な次元のスケールを、大きくすればするほど、今まで慣れ親しんできた感覚がちっぽけなものだったと実感するんだ。
大切な人と喧嘩したとしても、人生という大きなスパンで捉えればほんのちっぽけな一つの出来事に過ぎない。
今自分が抱いている悩みや不安も、明日生きることができるかどうかに必死な人が世界にはたくさんいることを思えば、そんなことで悩んでいる自分が恥ずかしくなるだろう。
今自分の中にある世界のスケールを、一回り二周り大きくしてみる。それだけで、見えるものや感じることが全く変わるはずだ。