人は普段、自分が感じたくないと思っている不安や恐怖・悲しみといった感情を、できるだけ避けようと行動している。
その対極にある安心や安全・落ち着きといった感情を求めて、その状態が続くことが幸せだと考えている。でも、その状態が続くと、今度は刺激がない・つまらないといった別の感情が生まれて不満を感じている。
僕たちは、避けようとしている恐怖やスリルといった感情も、実は心の奥では欲しているんだ。
遊園地やテーマパークでも、人はわざわざ恐怖や不安を体験するために、ジェットコースターやお化け屋敷に入ってきゃーきゃー言っている。
普段暮らしている生活の中では避けている感情を、わざわざ体験しに行くんだ。
それに加えて、大好きなマスコットキャラクターと戯れて嬉しい体験もたくさんする。そんな色々な感情を体験して、最後その場所をあとにするときに楽しかったと自分の中で総括する。
きっとマスコットと写真を撮ったり、園内をただ見て回るだけだと物足りなく感じるはずだ。そこにスリルや興奮・恐怖といった感情が加わることで、1日の体験がより充実度の高いものに感じられる。
映画やドラマでも、ずっとハッピーな展開が続くだけのストーリーでは、すぐに飽きてしまうだろう。
ハラハラすることがあったり、悲しい出来事があったり、感動的な場面があったりと、その作品を通して色々な感情を体験できるから最後に良かった・面白かったと感じられる。
生きるということについても同じことだ。ずっと同じ感情が続くような生活では、何だか物足りないしすぐに飽きてしまうんだ。
色々な感情を経験するのに最も簡単なのは、自分がしたいと思ったことにどんどん挑戦するということなんだ。
思い切って一歩踏み出すときのあの不安とスリル、達成したときの感動・思うようにいかなかったときの悲しみ・挫折。起こってほしくないと思っていた事柄も、あとになって振り返れば必ずそれが自分の過去を彩ってくれている。なくてはならないものになってくれるんだ。
今避けている感情を、テーマパークのアトラクションのようにどんどん自分から体験しに行ってみる。きっとどんなアトラクションも、色々あったけど良かったなと感じるはずだ。