僕たちは日々、色々な立場の人たちと接しながら暮らしている。相手の立場にたって考えようとよく言われるけれども、ついつい自分にばかりベクトルが向いてしまいがちなんだ。
自分が顧客となるような、相手と商売上の関係になる場合は特にそうだ。
例えば、保険の見直しが無料で相談できる相談所・会社が流行っている。今の保険に不満や疑問を感じている人が、無料だからと専門家に相談を持ちかけてみる。
自分は最適なプランを教えて欲しいのだけれども、相手の真の意向はそこにはない。商売をしている以上、無料で相談を受けて答えを返すだけではただのボランティアになってしまう。
相手は、新たな保険を勧めて契約してもらうことで、保険会社から紹介料を得てご飯を食べている。当然保険会社によって、紹介料の単価も変わってくる。
そういうことだ。
その立場を理解して、自分もしっかり知識を持った上で相談してみることが大切になるんだ。
債務の返済に困った人に、いくつかの法的手続きが存在する中で、何故弁護士の方が自己破産ばかり勧めてくるのか。
カウンセラーと呼ばれる人のところに行くと、何故気持ちが軽くなるような言葉ばかりかけてくれるのか。
全て、商売上の相手の立場というものが存在している。そこを理解せずに、自分の意向だけで接しても本当の答えは見つからないんだ。
友人や会社の仲間・恋人・家族にも、みんなそれぞれの立場があって、それぞれの立場で自分と接してくれている。
相手の力になってあげたいときも、相手の立場をしっかり理解してあげなければいけない。相手のためと思っていることでも、よくよく考えてみると自分の立ち位置から見た見解であることが多いんだ。
自分と今接してくれている相手に、もっともっと深い部分にまで想像力を働かせてみる。相手の表面的な言葉や態度では分からなかったものが、色々見えてくると思うんだ。