僕たちは、やってはいけない・やりたくないと自分では思っているはずなのに、ついついやってしまうことがある。そして、後になってから、どうしてやってしまったのだろうと後悔する。それも、同じことを何回もだ。
体重を落としたいから、食べ過ぎないようにしようとしているのに食べてしまう。ゆっくり話し合いたいと思っているのに、すぐに喧嘩口調になってしまう。勉強や読書の時間を大切にしたいと思っているのに、ダラダラとテレビを見てしまう。
人は行動するとき、必ずそこにメリット・見返りを感じることしかしない。意識的にはしたくないと思っていても、深い部分で必ずそこで何らかの見返りを得ているんだ。
火に触れてしまって熱い思いを一度すれば、もう二度と火に触れようとはしないだろう。本当にしたくないことは、人は絶対にしないんだ。それをしてしまうということは、そこに自分にとっての何らかのメリットが潜んでいる。
日々孤独を感じていて、もっと人の輪に入って交友関係を広めたいと思っている人がいる。強くそう思っているのに、家からあまり出ようとはせずに一人で過ごしてしまう。
もっと外に出て友人を増やしたいと意識的に思っていても、家にいれば誰からも拒絶されることはない。友人と楽しい思いをするということよりも、何も嫌な気持ちを感じなくて済むことの方が強いんだ。
この人にとっては、傷つかなくて済むというのが一人でいることのメリット・見返りなんだ。そのメリットを感じている限り、意識的な思いとは逆の行動を取り続けてしまう。
やりたくないと思っているのに、何故かやってしまうこと。やろうと思っているのに、何故かできないこと。
自分の意志とは表面的には相反することをすることで、自分はどんなメリット・見返りを感じているのだろう。と深く考えてみることで、行動を変えるきっかけを見つけることができる。
そのメリットに対処することで、自然に行動が修正されていくはずだ。本当にしたくないことは、絶対にしないのだから。