人には、他の誰かから認められていたいという欲求がある。家族や仕事仲間・友人・恋人に至るまで、自分と関わる全ての人の評価を気にかけている。
でも、自分を本当の意味で評価できるのは自分自身で、この自分からの正当な評価を感じない限り、自信や充実というものを得ることはできないんだ。
自分の魂を込めて、目の前の作品と向き合っている芸術家がいる。ただ、内側から込み上げてきたものを表現して、自分が納得できるまで作品と闘い続けている。
そこに、それを評価する他人のことなど眼中にないから、逆にそれが見る者を魅了するんだ。これが俺だ!という、魂を感じる。
いかに自分自身が納得できる作品に仕上げられるか、そこに売れる売れないといった外の評価を考える隙がない。
最近の書籍などは、全てに売るためのマーケティングがかけられていて、薄っぺらいものを感じてしまう。作者自身の魂が感じられず、全てが外の評価だけを意識した作品になっているんだ。年に数千冊も出る書籍の中で、これから何十年と読まれ続けていく作品がどれだけあるだろう。
テレビにしても、視る人の評価ばかりにびくびくしているから、そこに何の感動もないんだ。作成した側の熱意やプライド・魂があれば、人は何もしなくともそこに惹かれていく。
これは、僕たち一人一人についても同じことだ。
自分で自分を正当に評価できている人は、人に何を言われようと動じることがないんだ。批判されようが悪口を言われようが、笑って軽くいなしてしまう。
逆に自分を評価できていない人は、自分への自信がないから、何か批判されるとすぐカッとなって反論したりしてしまう。自分の奥底では分かっている痛い部分を突かれてしまって、焦っているんだ。
自分を最も正当に評価できるのは、自分自身しかいない。人に褒められたとしても、自分の中で納得できていなかったら何の感動もないはずだ。
人に批判されたとしても、信じることをやり通したとき、初めて自信が生まれて自分自身を好きになれる。
自信をつけるのには小さな成功体験がたくさん必要と言われるけれど、そんなものは必要ない。自分が信じることをただやり通す、それが大きな失敗になったとしても、そんな自分に誇りを持てるようになるんだ。