人は、何をするにしても失敗を怖れ、できるだけ失敗しないようにと身構える。でも、何事も失敗からしか学ぶことはできないし、成長することはないんだ。
仕事をするにしても、会社に入ったばかりの頃は右も左も分からず、ミスばかりをして先輩に怒られる経験は誰もが経験する。その小さな一つ一つの失敗が経験となって、仕事の精度が上がっていく。
何かスポーツを始めるときも、身体が動きを覚えるまでは何をしてもうまくいかない。何度も何度も失敗を重ねていくうちに、コツを掴んで無意識レベルで身体が反応できるようになる。
恋愛にしても、過去の自分の未熟さや痛い経験が糧となって、相手とより深い関係を築ける自分に成長できる。
何事も失敗があるから成長があるし、次のステージに自分が進むことができるんだ。失敗を繰り返すことによって、その物事の本質がだんだん掴めてくる。
逆に、何だか分からないけれどうまくいっているときの方が危ない。その本質を掴めていないから、自分でも何故うまくいっているのかを説明することができない。
最近調子が良いと言ったり、自分はできるという過信が生まれるから、その状態も長く続くことがない。失敗から学んでいる人は、何故うまくいき何故うまくいかないかを明確に説明することができるはずだ。
もちろん、失敗しようと思って失敗するんじゃない。成功させようと精一杯やった結果として生まれる失敗が、尊いんだ。
それだけやった自分には、結果は思ったものでなかったとしても、何事にも変え難い経験が残っている。この経験によって、それまでとは別次元の自分になっていることに気付く。
今まで何も失敗してこなかったということは、自分の意志で何かに本気で挑戦してこなかったということなんだ。