僕たちは日頃、ちょっとしたことに腹を立てたり不満を感じたりしている。でもよく考えてみると、それも今生きているから感じられるのであって、生きているから逆の楽しさも味わうことができるんだ。
今この瞬間にも、生きたくても生きられないという人がたくさんいる。世界で捉えると、ほんの数十秒に一人が餓死している現実があるし、余命宣告を受けて今を精一杯生きている人もたくさんいる。
ただ目の前に何か食べるものがあるだけで生きられるのに、それができない人たちがたくさんいる。もっと成し遂げたいことがたくさんあるのに、病魔に冒されてしまった人がたくさんいる。
生きることの意味さえ分からず、幼いのにお腹が空いて空いて息を引き取っていく子供がたくさんいる。病魔なんかに冒されてしまって、悔しい人もたくさんいる。
そんな人たちのことを想うと、今自分が感じている不満や憤りなんて鼻くそだと感じられるんだ。ただ今生きているということに感謝できる。
給料が少ないだとか、休みが少ない・子供が言うことを聞かない・老後が心配だとか、自分の悩みなんて本当にちっぽけなものだと・何て小さな人間なんだと痛感できる。今どんな状況であろうと、生きてさえいればどうにでもなる。
きっと自分が余命宣告を受けたとき、それを実感することになると思うんだ。
ほんの少し生まれてきた時代が違っただけで、今は戦場で戦っていたかもしれない。ほんの少し生まれてきた場所が違っただけで、今血眼になって食べ物を探している人生だったかもしれない。
実際に、そういう人生を送ってきた人たちがいた。実際に、そういう人生を送っている人たちがいる。
それを考えたとき、生きているからただ生きている・自分のためだけに生きていく、なんてことはできなくなるはずなんだ。
自分が最高に今恵まれているということを、僕は忘れずにいたいんだ。