欲しいものを手に入れたり、目標が達成できたりすると誰でも嬉しいはずだ。やった!と、飛び上がって喜ぶ。
でも、自分には何も得られるものがないのに、それ以上に嬉しく幸福感を感じる瞬間がある。それは、誰かに喜んでもらえたときなんだ。
女性であれば、料理は苦手だけれど頑張って挑戦して、それでも大好きな彼が美味しそうに食べてくれたとき、もの凄く嬉しいはずだ。自分が褒められたということではなく、彼がただ美味しそうに食べてくれるのが嬉しいんだ。
男性であれば、初めてのデートで、彼女がどうしたら喜んでくれるだろうと悩んだ経験があるはずだ。友人に色々聞いてみたり、実際に下見までしたりして。実際に彼女が楽しそうにはしゃいでくれると、自分には別に興味がないことや疲れてしまったとしても、別次元の喜びがあるんだ。
小さな子供のいるお父さんなら、週末疲れていたとしても、子供が喜んでくれるならと遊びに連れて行ってあげる。子供が楽しそうにしてくれるだけで、疲れなんて吹っ飛んでしまう。
仕事をしていても、お客さんに感謝されたりありがとうと声をかけられるだけで、すごく幸せな気持ちになれる。
それは、何か自分への見返りを期待しての行為ではない。純粋に、相手が喜んで欲しいという想いで行ったこと。それは相手にも確実に伝わるし、自分には何も得るものがないのにこの上ない幸福感を感じることができる。
ボランティアなどを、積極的に行っている人の話を聞いていてもそうだ。ただ自分にできることはないかと、誰かのために行動していたはずなのに、逆に自分が元気をもらってしまう。周囲に賞賛されたくてしたんじゃない、ただ誰かの役に立ちたかっただけなんだ。
最近は、幸せになりたい幸せになりたいと、自分のことばかりの人が多過ぎる。自分のことばかりに意識がいっているから、周囲を見渡す余裕もなくなってどんどん深みにはまっていくんだ。
今、何かちょっと辛いなと感じることがあるのなら、身近な人でいいから喜ばしてあげることを考えてみたらどうだろう。何かの見返りを期待するのではなく、ただその人のために。
その嬉しそうな顔を見ているだけで、きっとまた自分も頑張ろうという気持ちが込み上げてくるはずだ。