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橋のお勉強ブログ

建設コンサルタントに勤め、橋の設計をしてます。
前職をリストラされ、今の会社でのんびり契約社員で働いてたところ、女性活躍のビッグウェーブにのみこまれ、ついに正社員へ。色々不安を抱えながらも、マイペースで頑張っていこうと考えてます。

1.全体構造系の性能の評価

既設橋の性能評価においては、橋全体としての耐震性能を考慮することが重要である。

新設橋に対して適用される許容値は安全性の判定の基本になる値であるが、


①許容値の超過の程度を考慮し、その超過が橋の部材としてどのような損傷状態となるのか

②その損傷状態が橋全体の耐震性能に対して致命的な影響を及ぼすかどうか


を判断することが重要である。


<①、②具体的に、調べる>



2.性能評価の基本事項

(1)レベル1地震動に対する評価

耐震性能評価は、レベル2地震動を対象とし、原則として、レベル1地震動に対する評価は行わなくてよい。

→レベル2地震動に対する照査を満足できれば、その超過が致命的な被災に結びつかないため


(2)橋の構造特性を考慮にいれた性能評価

新設橋梁の設計では考慮されていない場合でも、既設橋梁において、その効果が確実に見込める場合には、これを考慮してよい。


・両端に橋台を有する橋→地震時の橋げたの橋軸方向の変位は橋台との接触により拘束を受ける。

→安定して存在する橋台背面土の拘束効果を地盤バネとして評価する方法。


(3)耐震補強を行う際の慣性力の下限値等の取扱い


1.既設橋梁が確保すべき耐震性能


①既設橋梁に対する性能評価及び耐震補強設計は、橋の重要度に応じて、必要とされる耐震性能を確保することを目的として行う。


<既設橋に対して確保する耐震性能>

・大地震時に落橋のような致命的な損傷を防止できるようにする。


代替性の有無や構造条件、施工条件など機能回復の難易度等、個々の既設橋梁の条件を適切に考慮して、耐震性能を設定する。

→代替路が無い、応急復旧による機能回復や本復旧が容易ではない構造の場合は、所定の性能を確保できるように損傷程度を制御すること


・架け替え計画のある橋は、大地震に落橋のような致命的な損傷だけを防止するようにする。

→架け替え時期等を考慮に入れること




国総研より


架け替え計画のある橋、重要度が低く代替路がある橋は下段、重要度が低くても、代替路がなかったり、機能回復が容易ではない場合は、中段あたりになるのかな?耐震性能の設定をどう判断するかが、条件整理において、一番重要なとこですね。

早強ポルトランドセメント


【概要】

普通ポルトランドセメントより早く強度が出るセメントである。普通ポルトランドセメントよりC2Sを少なくして、C3Sを大くし、さらに粉末度を上げることによって、普通ポルトランドセメントの7日強度を約3日で、3日強度を約1日で得られる。


粉末度が高い⇒・水和熱大

・アルカリ骨材反応をより強く起こす。

ASR反応試験により無害であることが確認された骨材を使用。

(有害:火山岩が起源の骨材(安山岩、流紋岩)堆積岩が起源の(

チャート、砂岩、貢岩)

→セメント中のアルカリ量を制限

NaOK2O0.6%以下、アルカリ総量(Na2O換算)を3Kg/m3以下))

→外部から供給されるNaCL等のアルカリ分を遮断。

・セメントペーストの収縮

・ひび割れが発生しやすい。(温度ひび割れ)


【用途】

・寒中コンクリートに使用される。

低温時でも強度発現性が大きい早強ポルトランドセメントは低温条件においても、良好な強度発現性を示す。また、水和熱による発熱も大きいことから所要の養生温度や初期強度の確保が難しい冬期や寒冷地での工事に最適である。

・工期短縮を要する工事

普通ポルトランドセメントと比べ、セメントの硬化が早く、初期の強度発現性が大きいことから養生期間が短縮できる

・高強度コンクリートに使用

長期強度が大きい早強ポルトランドセメントは初期強度発現性に優れるとともに長期材齢においても強度発現性に優れ、普通ポルトランドセメントを上回る高強度を発現する。

・プレストレストコンクリート、工場製品などに使用される。

蒸気養生特性が優れている早強ポルトランドセメントは、短時間の蒸気養生で高強度が得られ、早期脱型や早期出荷が必要なコンクリート製品などに最適である



a) ポルトランドセメント

石灰石と粘土それに若干の酸化鉄を混合し、1450℃前後で焼成して、石ころ状になったもの(クリンカー)を粒径、数μm~60μm程度まで粉砕して作られる。セメントクリンカーをそのまま粉砕した状態のものは、急結するため、粉砕のときに、緩結剤として、3~4%の石こうが加えられる。 

上記主要成分のほか、MgOSO3Na2OK2OTiO2MnOといった2次成分が存在。

Na2OK2Oはアルカリ骨材反応に関係する




・普通ポルトランドセメント

・早強ポルトランドセメント

・超早強ポルトランドセメント←現在は製造されていない。(日本Co工学会)

・中庸熱ポルトランドセメント

・耐硫酸塩ポルトランドセメント   

   

(b) 混合セメント

ポルトランドセメント+他の材料


高炉セメント(A種、B種、C種)

シリカセメント(A種、B種、C種)

フライアッシュセメント(A種、B種、C種)




(c) 特殊セメント

一般の構造用としてではなく、特殊な用途に対するセメント。




・アルミナセメント

アルミニウムの原料である「ボーキサイト」と石灰石からつくられたセメント。




■特徴


練混ぜ後6~12時間でおおむね普通ポルトランドセメントの材齢28日の強さを発揮。また、耐火性、耐酸性にも優れる。



■用途


緊急工事、寒冷地での工事や耐火物、化学工場での建設工事
 




・超速硬セメント

ポルトランドセメントの成分と類似のもので構成。凝結・硬化が速いため、凝結を遅延させる「制御材」を添加して硬化までの作業時間を適切に設定して使用。

■特徴


    2~3時間の短期間で10N/mm2以上の圧縮強度を発揮するセメント。凝結・硬化時間が速く作業時間に応じて制御材を添加する。




■用途


     緊急工事、トンネルなどの吹付けコンクリート、グラウト材













~既設橋梁の耐震補強のポイント~


①昭和55年道示より前の基準による鉄筋コンクリート橋脚の段落とし部の破壊

単柱式の橋脚では、甚大な被害例が多い。

・ラーメン橋脚、壁式橋脚では、1例、いずれも橋軸方向の地震力が集中する連続橋の固定橋脚において生じている。


<対策>

段落とし部における曲げせん断破壊を防止するための、巻き立て工法等が有効。



②昭和55年道示より前の鋼製単柱橋脚

・単柱形式の鋼製橋脚の局部座屈に伴う、溶接部の破断によるけたの沈下

・円形断面の提灯状の座屈による大きな残留変位、破断

<対策>

鋼製橋脚のじん性を向上させる工法、コンクリート充填構造、角部の溶接部の破断を防止する角 補強が有効



③支承の破断に伴う落橋

・単純桁形式の上部構造を有する橋

・連続橋では、支承破壊に起因して上部工が落下した事例はない、

・斜橋、曲線橋では、橋軸直角方向の回転変位が大きく生じて落下した事例がみられる、

・液状化に伴う、流動化が生じる地盤では、下部構造の変位により上部構造が落下、あるいは落下寸前となった事例がみられた。


<対策>

落橋防止システム(けたかかり長、落橋防止構造)の整備が有効である、斜橋、曲線橋など橋軸直角方向の変位が生じる場合には、橋軸直角方向にたいする変位制限構造が有効となる。